和室は自然素材が似合う部屋、壁紙のテイストもあわせて選んで
和室の壁紙選びは意外と難しいもの。せっかくリフォームしたのに、何となく浮いて見えるという声を聞くことがあります。和室は、イグサの畳、木の柱や枠、紙の障子や襖など、自然素材で構成された空間です。壁紙も、それらのテイストにあわせて選ぶことで、しっくりと馴染んでくれます。そこで和室の壁紙選び1つめのポイント!まずは素材感を吟味しましょう。和室に似合うのは、塗り壁調、織物調、和紙調など、自然素材をイメージした壁紙です。
リフォーム用の下地の凸凹が目立たない塗り壁調の壁紙。自然な白色と緑色の組み合わせで、メリハリのある和室に(リリカラ)
壁紙には、紙や布、ビニールなどの製品などがあり、日本でよく使われているのはビニールクロスです。ビニールクロスは値段が手ごろで、砂壁などと違ってぼろぼろとはがれ落ちることがなく、また拭き掃除ができるなどお手入れがしやすいのが特徴です。
和室にビニールというと、ちょっと抵抗を感じる人もいるかもしれませんが、昨今の表面加工の技術の進化により、自然素材のテイストを本物そっくりに再現、触っても本物と見分けがつかないような製品がたくさんあります。
素材感を確認するためにも、サンプルブックに張られた小さな見本だけで選ぶのではなく、気に入ったものを数種類ピックアップし、大きめのサンプルを取り寄せて比較検討するといいでしょう。壁紙メーカーでは、選びやすいように、30cm四方程度の実物サンプルを準備しています。これはリフォーム会社に依頼すれば取り寄せて貰えます。
サンプルが届いたら、実際に壁に貼り付けて素材感を確かめましょう。特によくチェックしておきたいのが、太陽光や照明が当たった時の様子です。実際にリフォームしてみたら、テカテカしていかにもビニールっぽいということが無いよう、昼間と夜間と両方の時間帯でシッカリ確認しておきましょう。
織物調の壁紙。ベーシックな印象の中に、地模様がさりげない華やかさを演出している。ちょっと濃すぎるくらいでちょうどよく仕上がる(シンコール)
他に、天然石を模したものや、ワラを練りこんだような風合いのものも、和空間によく似合います。花や葉などのボタニカルな柄も、和紙調ならしっくり馴染んでくれます。和室の壁紙は、石、土、砂、木、竹、布、麻、紙などのナチュラルな素材感を意識して選ぶと、空間全体のバランスを上手に取ることができます。
小さな花を散らした和紙調の壁紙なら和室にもよく似合う。優しく温かい雰囲気に仕上がる(リリカラ)
和室の色使いは洋室とはちょっと違う、和の色でセンスアップ
和室の壁紙選び2つめのポイントは、色使いにあります。洋服と和服では合わせる色が違うように、洋室と和室でも似合う色が違います。せっかく新しい壁紙なのに、何となくちぐはぐな感じがするのは、洋の色選びをしてしまっているケースも少なくありません。墨色の和柄の壁紙は、ちょっと懐かしい感じがするモダンな和室に仕上がる。古い柱や枠まわりともよく似合うのでリフォームに向いている(リリカラ)
和の色には、藍色、鼠色、緋色、浅葱色、鶯色、若竹色など、素敵な名前がついています。かなり濃い色も多いのですが、特徴は彩度が低いこと。彩度とは鮮やかさのことを言い、彩度が低いと品よくまとまるので、かなり濃い色でも落ち着いた和室が作れます。
千代紙にも和の色が。洋室には使いにくいが、和室には似合う色がいっぱい。
同じ緑色でも彩度が違うと、イメージが大きく変わる。和室には彩度が低い和の色を選んで。
和室には、洋室ではあまり使わない濃い鼠色や金、銀も似合います。部屋全面に使うのにはちょっと勇気が必要ですが、床の間や、壁の1面だけにアクセントで使うのなら気軽に取り入れることができます。他にも、深く渋い赤の弁柄色、深い海のような藍色などもあり、どれも和空間を美しく引き立ててくれます。和の色を上手に取り入れて和室をセンスアップしましょう。
格子柄で和室の壁にアクセント。色味を抑えて品よくまとめて(サンゲツ)
和室の天井の壁紙は、作りたい部屋のイメージに合わせて選んで
和室の天井の壁紙は、作りたい部屋のイメージに合わせて選びましょう。伝統的な和室の天井は、杉の板張りや、竹などを編んだものが張られていて、ビニールクロスにも、伝統を模した杉板柄や網代張り風の壁紙があります。落ち着いたシックな空間を作りたいなら伝統柄が、リビングの続き間になっているなど現代風の明るい空間にしたいなら白っぽい無地がお勧めです。
和室の天井は洋室より低めに作られている。シックな伝統柄の壁紙を使うことで一層の落ちつき感が出る(リリカラ)
和室の塗り壁を、ビニールクロス張りにする場合は
塗り壁を壁紙張りにする場合は下地づくりが必要。
ただし下地の状態が悪く、ぼろぼろ崩れ落ちている場合には、後で壁紙がはがれてくる恐れがあります。また多くの場合、次の張替えができません。
長持ちする方法は、今ある塗り壁をいったん剥がして、合板で下地張りを行い、その上から壁紙を張る方法です。この方法なら壁紙が長持ちし、また美しく仕上がります。
柱や枠の汚れが気になる場合は、壁紙を張る前に、あく洗いと呼ばれる薬品を使って洗うことで、キレイにすることができます。
和室の壁紙と一緒に、畳、襖、障子をリフレッシュ!
和室の壁紙を張り替えリフォームするなら、一緒に畳や障子、襖もリフレッシュ、トータルでコーディネートして空間の完成度を上げましょう。コーディネートに自信が無い人は、着物をお手本にしてみて下さい。壁紙が着物なら、襖は帯、畳縁は帯締めをイメージして組み合わせると、かっこよく決まります。障子をシースルーのスクリーンに交換するだけで、リゾートのような空間に(薄暗い和室を明るくリフォームしようより)
それぞれの細かいテクニックは、下記で詳しくご紹介していますので、あわせてご覧下さい。まずは畳をおしゃれにするプチテクニックから。畳の表替えのタイミングは7~8年ですから、時期がきていたら一緒にやってしまいましょう。
畳をフローリングにしたい場合は、予算によって工事方法が異なります。予算にあわせて床だけ工事、壁や天井も洋室化、障子や襖はどうする?など、下記ではそれぞれのポイントと、和風のおしゃれなフローリング材をご紹介しています。
人気の和モダンインテリアの作り方は下記にあります。どうぞご覧下さい。
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