小さいものは「軽自動車ベース」から、大きいものになれば全長10m超え。価格も130万円台から3000万円超えと、一口にキャンピングカーといってもバリエーションはさまざま。慣れない人が戸惑うのも当然です。まずは今、どんなキャンピングカーが人気で、その理由はなぜなのか。そのあたりから探ってみましょう。

今、一番売れているのは「バンコン」だ!

ドリームエーティ

一見しただけでは、ただのワンボックスバンにしか見えないが……


バンコンとは、「バン・コンバージョン」の略。トヨタ・ハイエースや日産・NV200などのワンボックスバンをベースに、架装メーカー(ビルダー)が、車内を居住空間に改造(=コンバージョン)した車両のこと。

日本RV協会の統計によれば、2015年に販売されたキャンピングカーのうち、バンコンの割合は約75%(8ナンバー登録車が約33%)!

バンコンが人気の理由

  1. 手頃なサイズ感
    バンコンはベースとなる車両の、中身だけを居住空間に改造した車。なので、外観はベース車両とほとんど変わらない。人気の理由のひとつは、どの車も街中でよく見かける車種なので親しみやすく、

    「これなら運転できそう」=大きさへの恐怖感が少ない
    「普段の通勤や生活に使える」=遊びと普段使いと兼用できる
    「置き場所に困らない」=自宅やスーパーなどの駐車場に無理なく入る

    と思えるから。

    特に都市部では、「普段使い」と「キャンピングカー」の2台持ちは、置き場所や維持費などの関係でハードルが高く、兼用できることのメリットは大きい。
     
  2. 目立ちにくい
    これは、どうにも日本人的な理由。まだキャンピングカーは「お金持ちの趣味」「高価なもの」と、買う側ですら思い込んでいる人が多い。

    「キャンピングカーを持っていることを知られたくない」
    「いかにもキャンピングカー、という車だと近所の目が気になる」

    そこで、一見普通のワンボックス車にしか見えない外観こそが魅力、と考える人が多い。

特にどんなバンコンが人気?

Walk Type-C

内部にはキッチンやベッドを備えている。

上記で、2015年に販売されたキャンピングカーのうち33%が8ナンバー登録のバンコン、と紹介した。では、8ナンバー登録とは何だろう。

8ナンバーとは、特種車両のナンバー。パトカーや救急車なども8ナンバーだ。キャンピングカーも一定の「構造条件」を満たせば「キャンピング車」として8ナンバーになり、税金や高速道路料金などで優遇がある(「構造条件」とは、給排水設備や炊事設備があること、など詳細に決められている)だが、最近人気上昇中なのが、構造条件を満たさない、「8ナンバー以外のバンコン」なのだ。

バンコンはベース車両の内部だけを改造しているので、面積・体積ともに限界がある。そこで、狭い中にあれもこれもと欲張るよりも、遊び方に合わせて「寝られればいい」「旅先で料理はしない」など、一部装備を諦め機能を絞り込む車を選ぶ人が増えているのだ。

バンコンの弱点は?

  1. スペースが狭い
    自動車メーカーから出荷されたままのボディを拡張することなく内部だけの改造なので、どうしてもスペースに限りがある。子供や小柄な女性ならともかく、車内でまっすぐに立つのは難しい。解決策として、ポップアップルーフや、天井のかさ上げもあるが、加工を施せば、その分は価格に跳ね返ってくる。

    大人二人程度ならともかく、ファミリーで使いたい場合、特に子供が成長してくると、手狭に感じて大きな車種に乗り換える人も珍しくない。
     
  2. 断熱性能がキャブコンより弱い
    キャンピングカーは家。そこで快適に過ごすには、断熱性能は重大要件だが、そもそも自動車は断熱を考慮していない。ビルダー各社は、ボディー各所に断熱材を仕込むなど、それぞれに工夫はしているが、ボディそのものが断熱構造になっているキャブコンなどと比べると、どうしても限界はある。

バンコンっていくらぐらいするの?

バンコンも、サイズや装備によって価格はさまざま。現在は350~500万円前後の車両が売れ筋だ。

そこで、よく比較対象になるのが、ファミリーカーとして人気のミニバンや大型ワゴン。あるいは高級セダンだ。オプション装備満載のそうした車と比較すれば、むしろ安価といえる。それでいて、普段使いもできて、休日は遊びのベースキャンプになる。「走る、曲がる、泊れる」車。十分かつ快適な機能を持っているのだ。

今一番人気のバンコン。人気の秘密はこのあたりにあるのではないだろうか。

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