可憐なユリの花を象った「アステリスク」の「リス」
「リス Lys」というのはフランス語でユリの花のこと。乳白色のムースの溝の部分に赤い上掛けのナパージュが流れ、まるでやわらかな花びらを縁取るようなこのケーキ。控えめにうつむきながらも凛と咲く、ユリの花を彷彿とさせます。表面にホワイトチョコレートのピストレを吹き付けて、ビロードのようなマットな輝きをまとわせているのは、マスカルポーネのムース。中には、苺やフランボワーズをべースに、フレーズ・デ・ボワや赤すぐりといった赤いフルーツ類を加えたジュレとクリームが2層になって入っています。つややかな赤いナパージュは苺味。上に飾られている苺やフランボワーズ、ブラックベリーも、宝石のように鮮やかに映えています。
一番下の土台は、薄くのしたサクサク食感のシュトロイゼル生地。生クリームを間に絞って、ヘーゼルナッツ風味のダックワーズ生地もサンド。その中にもみずみずしい赤いフルーツ類のコンフィチュールが隠れています。
マスカルポーネのミルキーさとベリー類の甘酸っぱさ、ヘーゼルナッツを使用した生地の香ばしさがバランスよくまとまった、誰もが食べやすく、やさしくエレガントな味わいのケーキです。
「アステリスク」は2012年5月に代々木上原にオープン。オーナーシェフの和泉光一氏は、東京・調布にあった名店「サロン・ド・スリジエ」のシェフパティシエを長年務め、国内外のコンクールで活躍してきた方です。
この「リス」も、「サロン・ド・スリジエ」の頃から出されていたスペシャリテの一つですが、以前とは少し構成が変わっての登場。常に進化していらっしゃることを感じさせてくれます。
それにしても、溝の部分にナパージュを流し、それをデザインの一部にするといった発想は、毎日、様々な型やお菓子の道具を扱っているパティシエの方でも、なかなか思いつかないアイディアです。見れば、あぁなるほど、と思うのですが、それを最初に考えつくのは、まさにコロンブスの卵ですね。
「アステリスク」には他にも、他店にないオリジナリティあるデザインのケーキが多く並んでいます。ファッション雑誌を見ているかのような楽しさがあり、女性への手土産に喜ばれること間違いなし! 素材や味はもちろんですが、形や色彩にも注目してみてください。
「アステリスク」過去の特集記事はこちら
<ショップデータ>
「ASTERISQUE」(アステリスク)
東京都渋谷区上原1-26-16 タマテクノビル1F
電話 03-6416-8080
営業時間 10時~20時
定休日 月曜(祝日は営業、翌日休み)
http://www.asterisque-izumi.com/
続いて、ビジュアルインパクト大!情熱的な「花のスイーツ」をご紹介します。