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東京脱出を夢見ている人が4割!?数字で見る田舎暮らし

街に残るか・田舎に移るか、まだ迷っているあなた。今回は大都市圏に暮らす人の、移住に関するアンケート結果をベースに、田舎暮らしに対する考えと傾向をチェックしてみます。

堀江 康敬

執筆者:堀江 康敬

田舎暮らしガイド

加速する東京一極集中

加速する東京一極集中

ホントに日本人は、街の賑わいを離れ、ノンビリと田舎で暮らしたいのか!?今回は政府が実施した大都市圏に暮らす人の、移住に関するアンケート結果を取り上げます。街に残るか・田舎に移るか、まだ迷っているあなたのために、田舎暮らしに対する考えと傾向をチェックしてみます。

内閣府が実施した世論調査(2014年)で、東京一極集中を取り上げています。「地方から東京への人口移動が続き、様々な機能の東京への集中が進んでいる状況についてどう思うか?」と聞いたところ、「地方から東京への集中は望ましくない」が48.3%と最も多く、次いで「居住地は人々自らが決めるべきであり、いずれでもよい」が31.2%となっています。

一方、「地方から東京への集中は現状程度が望ましい」は15.7%に止まり、「地方から東京へさらに集中するのが望ましい」は、わずか2.3%に過ぎませんでした。東京一極集中は望ましくないとする意見が多く占める中で、地方への移住について具体的な関心やニーズはどうなっているんでしょうか?

都民の約4割が“東京脱出”を考えている!

若者たちも田舎を目指し始めた

若者たちも田舎を目指し始めた

アンケート結果を見てみると、東京で暮らす人の約4割(40.7%)が、地方へ移住する予定・今後移住を検討したいと回答しています。更に関東圏以外の出身者を見てみると、東京を離れ別の地方に移りたいと考える人は約5割(49.7%)に達しています。
年代別では、男女共に10・20代の若い層の移住への関心は高く(46.7%)、50代でも男性は比較的高く(50.8%)、一方女性の方は少し関心は低く(34.2%)なっています。

…ひと昔前までは、シニア世代のデファクトスタンダードだった田舎暮らし。現在では若者たちも「地方で暮らしたい」と動き始めています。彼らを受け入れるためには金銭面の助成だけじゃなく、その地方ならではの暮らし方(ライフスタイル)の提案が必要なようです。

全世代の4割強が“スローライフ”を実現したい!

10~30代の女性は「出身地だから」(約5割)や「家族・知人等がいる」(約3~4割)を理由に地元へのUターンを望んでいます。
30~50代男性の移住したい理由は「スローライフを実現したい」がトップ(30代は47.9%、40代は40.4%、50代は39.3%)を独占。
60代の男女でも「スローライフを実現したい」が理由になっていますが、同じレベルで「食べ物や水、空気が美味しいから」が上位にランクされています。

…移住したいと思った切っ掛けは、結婚や子育て、転職、早期退職、定年や子・孫との同居など、男女・世代別でバラバラ。最近では、女性たちも街を飛び出し「おひとりさまの田舎暮らし」が登場しています。田舎暮らしのスタイルも多様化の時代になり、世代・性別に応じたこまめなプログラムが重要になってきています。

約3割の人が“Uターンや二地域居住”を行ってみたい!

二地域居住への関心が高まる

二地域居住への関心が高まる

出身地にUターンしての移住について、「今後やってみたい・やや行って見たい」と回答した人は全体の約3割(29.3%)。その中でも、10・20代男女の割合が比較的高くなってる。(男性が37.5%、女性が46.7%)
二地域居住についても全体の約3割(27.9%)が行ってみたいと答え、特に60代の男女は二地域居住をして見たいと思う人の割合が比較的高い(男女共に32.5%)という、興味深い結果が出ています。

…再び生まれ育った地元を選ぶUターンには、若者たちにも親戚や家族、知人等が待っていてくれる喜びや安心感を与えるのでしょうか。都市と地方の複数の生活拠点で持つ二地域居住は、都市機能と自然環境を使いこなすという、欲張りなライフスタイル。年齢と経験を積み重ねた人だから考えつく、新しい田舎暮らしの考え方といえますね。

移住への不安は“働き口が見つからない”が4割!

移住する上での不安・懸念点としては、「働き口が見つからないこと(41.6%)」「日常生活や公共交通の利便性(36.7%)」を挙げる人が比較的多い。
これに加えて、10・20代女性と30代男性は「給与が下がる可能性」、60代男女は「医療・福祉」を挙げています(いずれも約半数の人)。
「移住を希望しない」理由にも、「交通の利便性が良くなさそう(44.7%)」「今の生活に不満がないから(44.7%)」、次いで「働き口が見つからないと思う(31.3%)」と回答した人が比較的多く見られました。

…日常の食事から交通機関での移動、病気にかかったら……と、田舎で生活するためには収入が必要だし、都会暮らしと比べほとんどの場合が収入減になってしまいます。やっぱり、移住希望者のハートにヒットする決定打は「安心な暮らしのための、安心して働ける職場」かもしれませんね。

移住を考える上で重視するのは「生活コスト」が約5割!

やはり優先したいのは生活コスト

やはり優先したいのは生活コスト

移住を考える上で最も重要と考えるのは、物価・光熱費・住居費といった「生活コスト(53.7%)」。次に「買い物や交通の利便性(47.3%)」「仕事(40.4%)」「医療・福祉施設の充実(37.9%)」と続いています。
これに加えて、10・20代女性と30代男性は「子育てのしやすさ」、60代女性では「医療・福祉施設の充実(70.6%)」を重視すると挙げています。

…田舎暮らしを推し進めるためには、移住を検討したい人々から様々なニーズを総合的に収集して、それぞれの具体的な相談にのれる体制づくりが重要です。全国の自治体のWebサイトでも、移住希望者向けの“ワンストップ窓口”が設けられていますが、これらのより一層の利便性と情報の充実が求められます。

以上が、2014年に行われた「東京都在住者の今後の移住に関する意識調査」のレジメです。様々な世代の移住希望者たちの、考えと傾向が浮かび上がってきました。あなたの田舎暮らしの夢の実現のために、参考になったでしょうか。

それでは、Dreams come true! そして、Never give up!
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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