出会いの多い春。古い自分を脱ぎ捨てて、新しい自分になって恋を手に入れたいと思いませんか? 『スウィート17モンスター』は人間関係の居心地の悪さや恋愛の苦しさ、自己愛と自己否定に揺れる思春期のイタさを思い出せる4月公開の映画です。今回は、コンプレックスや友情、理想の恋の壁に打ち当たったときの対処法、痛みと不安の乗り越え方を掘り下げます。

スウィート17モンスター

こじらせたまま大人になってしまったすべての人の心に届く (c)MMXVI STX Productions, LLC. All Rights Reserved.



誰もが避けられない青春の痛みと、古い自分を脱ぎ捨てること


まず『スウィート17モンスター』のストーリーを簡単にご紹介します。主人公ネイディーンは17歳。キスもまだ経験なしのイケてない毎日を過ごしています。恋に恋する妄想だけが空回りして、教師のブルーナーや、母親を困らせてばかり。たった一人の親友クリスタだけが唯一の味方で自分のすべてだと思っていたけど、天敵の兄ダリアンと親友クリスタが恋に落ちて激しくショックを受けてしまいます。

何しろ、兄のダリアンは自分とは正反対の優等生でイケメン。学校でも目立つし、ネイディーンにとってはムカつく存在なのです。大事な親友が兄と付き合うなんて信じられないし、信じたくない。この衝撃的事件により、疎外感から世界にたった一人取り残されたような気持ちになったネイディーン。とんでもない行動に出て周囲を巻き込んでしまうのですが……。

ヘイリー・スタインフェルド魅力的に演じているせいもあるけれど、ネイディーンの暴走っぷりを冷静に受け止める歴史教師ブルーナーや情緒不安定な母親の視点から見ても「大人になる」ということの意味を考えずにはいられません。


スウィート17モンスター

人生は子供の頃に考えていたよりずっと複雑で…だから面白い!?(c)MMXVI STX Productions, LLC. All Rights Reserved.




大人になるための脱皮とは


子供時代は誰にでも当然あって、子供は親や保護的立場の人の価値観のもとで育ちます。親の影響を強く受けた状態で、自分自身をコントロールする力を持っていないのが子供です。主人公ネイディーンは頭の回転が速すぎて空回りしてしまう女の子。誰かとつながることが器用にできないからこそ、つながりたいと必死になってしまいます。

何か問題が起きると、たいていの人は冷静に周りの大人のように振る舞おうとするけれど、ネイディーンには手本にしたい大人がいません。賢い彼女は周囲の大人をちょっとバカにしているし、誰かと人一倍つながりたい気持ちが強いので感情をあらわにして相手の反応を試したりもします。

周りから見てイタくない「大人」っぽい行動、つまり何か起きたときに感情をあらわにせず淡々と処理していく能力は経験によって培われていくことがほとんど。もしくは、身近にいる大人のマネをしているうちに身についていくでしょう。失敗して学ぶことも多いはずです。

また、子供のうちは人生の複雑さをあまり理解していません。「親」「先生」「兄弟」「友人」の役割と「いい人」「悪い人」など、自分から見える一面で相手を判断しがちです。相手の立場や抱えている問題、自分には見せない内面を知らないまま自分を受け入れることだけを望んでいたりします。

作品の中で彼女は人生最大のピンチを迎え、周囲の人々への新たな視点を持つことになり、思いがけない発見をすることになります。思い通りにならないことが起きたとき、自分の前に立ちはだかる壁を感じたとき。それは自分が変わらなければならない時期がきたということなんですね。たとえ甘えられる環境にずっといたいと思っても、周囲の変化の中で自分も大人として変化しなければならないときが必ずやってきます。

今、居心地の悪い思いをしている人、自分の感情をコントロールすることにしんどさを感じている人は、古い自分を脱ぎ捨てるチャンスだと思ってください。それは、新しい視点を持つ時期が来たということで、この作品のネイディーンのように痛みを乗り越えて新しい一歩を踏み出してみませんか?

スウィート17モンスター

あの頃のイタさを知っているから共感せずにはいられない…(c)MMXVI STX Productions, LLC. All Rights Reserved.



作品情報『スウィート17モンスター』

監督・脚本:ケリー・フレモン・クレイグ
出演:ヘイリー・スタインフェルド、ウディ・ハレルソン、キーラ・セジウィック、ブレイク・ジェナー、ヘイリー・ルー・リチャードソン、ヘイデン・ゼトー
オフィシャルHP:www.sweet17monster.com
提供:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント 
配給・宣伝:カルチャヴィル×GEM Partners 
4/22(土)より、HTC渋谷、新宿シネマカリテほか公開
(c)MMXVI STX Productions, LLC. All Rights Reserved.


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