人生では何度か転機がやってくる
あなたの人生には「転機」が何度か訪れていると思います。「まだ来たことがないよ」という若い人には、これから何度か必ず転機がやってきます。今日はそんな転機のとき「お金の習慣」で変えるべきポイントを考えてみます。来たるべき人生の転機に備えて、ちょっとしたイメージトレーニングになるかもしれません。
転機1:人と別れたとき(付き合い始めたとき)
つきあっていた人と別れたときは人生の転機のひとつでしょう。これは生活を変えるよいチャンスだと思います。特に背伸びして相手の消費スタイルに合わせていた場合、自分のちょうどいい水準に戻すべきです。また、同居していた場合(特に家賃はこちらもちだった場合!)は、一人暮らしの部屋に早く移って生活コストを下げるべきです。気分も改まるはずです。逆に、付き合い始めたときは、「背伸びしてお金を使わない」ことを意識しましょう。彼女(ないし彼氏)にいい顔見せたいと不相応の金を使って服を買ったり、出かけるべきではありません。そういう背伸びは大抵続きません。
もちろん、交際相手にお金を貸してはいけません。お金を無心されたら、そいつはただのヒモだと思うべきです。そういう人とは一生を一緒にすることはできないと考え、さっさと別れることをオススメします。
転機2:結婚(婚約)したとき(婚約)
プロポーズにOKが出た(プロポーズされてOKした)場合、結婚してともに暮らす未来を選択した、という大きな転機を迎えています。このとき結婚式のお金のことばかり考えがちですが、それは「あるお金の範囲を予算とする」でなんとかなります。むしろ「日頃の買い物等でお金の感覚が近いかどうか」は性格の一致と同じくらい大事な問題なので、考えておきましょう。向こうのほうがムダづかいの傾向があれば早めに直してもらうべきです。
そして実際に結婚生活をスタートさせた(あるいは同居開始した)ら、家計をひとつにして「夫婦としての貯蓄目標」をスタートさせることが大切です。それぞれの年収の最低10%は貯めていくべきでしょう。目標は20%。これだけ貯まればその後の人生はぐっと楽になります。
転機3:子が生まれたとき
自分あるいはパートナーが妊娠した事実を知る、というのも大きな人生の転機です。男性にとっても女性にとっても子どもの誕生はうれしいニュースであり、実際に子どもが誕生すると人生が大きく変化することになります。男性は向こう数十年にわたってこどもを育てていくだけの「稼ぎ」をどう得るか一度真剣に考えましょう。転職も一度は考慮してください。あと、そこでうろたえる様子は絶対に見せず、妊娠を祝福する言葉をまず贈ってください。
女性は、妊娠にあたってすぐに仕事を辞めないようにしてください。産休から育休の最初の半年までは休む前の所得の3分の2相当、それ以降復職するまでは2分の1相当を国からもらうことができますし、その間の厚生年金保険料は負担ゼロ円で将来の年金額が増えます。復職後に結果として辞めたとしてもまずは産休・育休です。
その後の子育てを考えても共働きを前提として稼いでいくことがポイントです。保活(保育園を見つける)は大変ですが、あきらめずにがんばってください。
転機4:転職したとき(昇格・昇給したとき)
今度はちょっと目先を変えて「転職」を考えてみます。一番重要なのは「年収が増えても出費は増やさない」ということです。中小企業から大企業へ転職したので年収増につながったり、企業規模は変わらないけれど転職を機に年収増を実現したりすることはありますが、このとき支出も増やすようではせっかくのチャンスを生かし切れていません。
年収増を今までできなかった「貯蓄増」にしっかり反映させる必要があります。年収が増えたから高いモノを食べ、高い服を着る、としないことがポイントです。
転職しない場合でも、年収増にあたっては「上がった分は貯める分」くらいに考えておくといいでしょう。
転機5:失職したとき
急な失職ということは必ずしもあり得ないことではなくなりました。このとき、家族に嘘をつくのは絶対にNGです。貯金を崩して家族には黙っている、というのは絶対にうまくいきませんので、正直に話して、家族一丸となってこの危機を乗り越えるようにしましょう。(独身なら、親に相談して一人暮らしを一時止めるようなことも考えてみる)また社会保険料は免除される可能性がありますから雇用保険(失業給付)の手続きとセットで市役所等に相談してみます。次の仕事を焦って見つけることが一番良くないので、できる限り精神的余裕を持って再就職活動に取り組みましょう。
転機6:離婚したとき
離婚はそう珍しいことではなくなりました。愛情の離れたふたりが無理をして一緒に居続けるよりは別れて新しい人生を歩んだほうが建設的なことはよくあります。このとき、財産分与と年金分割をしっかり行います。特に年金分割については女性のほうから主張し、正社員同士であっても夫婦であった期間の年金の権利は半分こにしておくことをオススメします。
また子どもがいる場合、養育費の支払い問題があります。可能なら現金で多く先取りしたいところですが、定期的に支払われる約束とするなら家庭裁判所も介してきちんと文書を残しておくといいでしょう(協議離婚とすると必ず文書が作成されます)。
転機7:親が亡くなったとき
最後の「転機」は親の死、です。近年では自分が60代以降になって親が亡くなるケースが増えていますが、30~40歳代で親の死に直面することもあります。このとき、お葬式を終えたあとに相続の問題でもめないようにしたいところです。特に兄弟が多い場合に相続財産が家一軒と現金少しだとどう分割するかが難問になります。できるだけ早く話し合いをして、書類をすぐ作ることがポイントです。
また、借金を無理に相続する必要はありませんが、相続放棄の意思表示も必要になります。早めに弁護士等の専門家と相談してみましょう。
人生の転機にお金の問題でつまづかないように
人生の転機について「お金」目線からいくつか考えてみましたが、お金の問題で人生の転機をつまづくことはとてももったいないことですし、人生を少し遠回りすることになります。お金の問題はできるだけ早くすっきりさせ、人生の転機を超えて新しいステップに挑んでみてください。きっと違う視点が広がってくることと思います。