遺骨をゆうパックで送って納骨「送骨」

遺骨を送りっぱなしにするのではなく、寺院で行われる法要などにもぜひ足を運びたいものです。

遺骨を送りっぱなしにするのではなく、寺院で行われる法要などにもぜひ足を運びたいものです。

葬儀後、遺骨は自宅にしばらく安置し、四十九日や一周忌法要等、親戚が集まりやすいタイミングを見計らって、墓所に納骨するものとされていました。ところが家族や親戚の立ち合いがなしに、日本郵便の「ゆうパック」で霊園や寺院に遺骨を送り納骨してもらう「送骨納骨」が近年にわかに広がりをみせています。

送骨とは「遺骨を送る」ことを意味ますが、お墓業界で「送骨」といえば、「遺骨を送って永代供養(管理)墓に納骨し、さらにそれらの遺骨を寺院が管理・供養していく」一連の流れを「送骨納骨」といい、これらを略して「送骨」と表記していることもあります。

遺骨を荷物感覚で送ることに抵抗のある人もいるでしょうが、実は「送骨」自体は目新しいサービスではありません。これまでも「骨壺を抱えて移動できない」「数人分の遺骨を移動しなければいけない」等の理由で、宅配を利用する人はいたようです。

遺骨を送る作業と、永代供養(管理)墓への納骨がパッケージ化された「送骨」が注目されるようになったのは2013年頃から。手軽さと手厚さを売りに、送骨を扱う寺院が近年増加しています。


送骨納骨の手順

送骨納骨の手順は各寺院によって多少違いはあるものの、概ね次のように行われます。

申し込みをして料金を支払う(振り込む)と、段ボールや緩衝材などの梱包材と、ゆうパックの送り状などが送られてきます。利用者側は、骨壺を梱包して納骨に必要な書類(火葬済印付きの埋火葬許可証など)を同封して送るだけ。

送骨納骨にかかる費用は1柱(1遺骨)に対して3万円から5万円とリーズナブルで別途のお布施は基本的に不要。戒名(法名)がつくと、プラス2~3万円という設定をしていることが多いようです。

寺院に送られた遺骨は、本堂や納骨壇などに安置され、法要が営まれます。しばらくそのまま安置される場合と、すぐに骨壺から遺骨が取り出され、永代供養塔などに他の遺骨とともに合葬される場合があります。


送骨は遺骨の処分場ではない

では「送骨納骨」はどのような人達に受け入れられているのでしょう。多くは「きちんと供養したい気持ちは持っているのだが、お墓を建てる余裕がない」と経済的な不安を抱える人たち。またある男性は「故人とは遠縁という理由だけで遺骨を預かることになった。しかし正直言って遺骨に対して特別な思い入れはない。どうにかしたいとネットで調べて『送骨』を知った。薄情と言われるかもしれないが、自分にとってみれば最善の弔い方法だと思う」と送骨を選んだ理由を語っています。

一方で、こうした格安・手軽なサービスは、「死が軽んじられる」と警鐘を鳴らす人も多く、現状では安易に勧められるサービスでもないでしょう。実際、「破棄」を目的として送骨システムを利用する人も多くいると耳に入ってきます。送骨が遺骨の処分を意味するものではないということを、依頼する側も受ける側も認識しておくことが大切だと思います。

※遺骨の宅配ができるのは日本郵便の「ゆうパック」のみ。他の宅配業者では扱っていません。
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