お墓・墓石・霊園の選び方

ペットが亡くなって火葬した後、引き取った遺骨の供養はどうする?

ペットが亡くなって火葬した後、引き取った遺骨はどのように供養したらよいでしょう。庭などの私有地に埋めることはできますが、都市部では庭がなかったり、近隣の風評が心配だったり、また「人間と同じように供養してあげたい」という理由でペットのお墓を考える人も増えています。

吉川 美津子

執筆者:吉川 美津子

葬儀・葬式・お墓ガイド

ペットの亡き後、かつては自宅の庭に亡骸を埋める家も多かったかと思いますが、埋めることができる庭付きの家が少なくなったことや衛生上の問題もあり、火葬するという人が増えています。

日本では人間の火葬率が99.9%ですから、「火葬をすることがひとつの区切り」という概念も、ペットの火葬率の上昇に少なからず影響しているでしょう。
 
ペットが亡くなって火葬をする際には、「個別火葬」するケースと「合同火葬」するケースがあります(ペットの火葬事情については「悲しいけどちゃんと見送るペットの最期」で解説)。合同火葬は他のペットと一緒に火葬されるため、遺骨を引き取ることはできません。

では、個別火葬で遺骨の引き取りをした場合、どのように遺骨の供養をすることができるでしょうか。
 

自宅にペットのお墓をつくる

人間の場合、遺骨は墓地として許可された場所でないと納骨することはできませんが、ペットの遺骨については自宅の庭など私有地に埋骨することも可能です。

しかし「定住するかどうかわからない」「近隣の風評が心配」「人間と同じように供養してあげたい」といった理由で、別にお墓を持ちたいという人も増えています。

なお、他人の土地や公園など、私有地以外の場所に埋めると不法投棄になりますのでご注意を。
 

飼い主と一緒のお墓に入る

withペット。飼い主とお墓に入る

飼い主と一緒に入ることができるお墓の注目度が高まっています。
画像:メモリアルアートの大野屋(withペット)

ペットの遺骨は、人間のお墓に納めてよいのでしょうか。

日本では動物は民法で「モノ」になるため、人間と一緒のお墓に納骨を希望する場合は「副葬品」という扱いになります。しかし、この副葬品として「ペットの遺骨は不可」としている墓地も多く、人間と同じ「〇〇家」のお墓にペットを納骨する際は、管理者の許可が必要です。「〇〇家の墓」は次世代へ承継することを前提としていますので、子々孫々ペットも家族と同様に供養してもらうことができます。
 
これから新しくお墓を購入する場合は、「ペット可」とする墓地や納骨堂を探してみましょう。ペット可とする新築マンションの割合が増えているように、お墓もそのような区画が増えています。ペットが先に亡くなっても利用可としているなど、臨機応変に対応してくれる墓地・納骨堂も増えてきました。

ペット可の区画については、霊園ごとに決められている規定の範囲であれば、墓石の大きさ・デザイン・形・刻む文字などは自由。墓誌に家族の一員としてご先祖と一緒にペットの名前が刻むことができるのも、ペット可墓地ならではの光景です。
 

ペット専用のお墓に入る

 「一緒のお墓に入ることはできないけれど、人間と同様にかけがえのない家族として供養してあげたい」という場合には、ペット専用の墓地に納骨する方法があります。

ペット専用のお墓には「個別納骨」と「合葬」タイプがあります。個別区画の場合は使用期限が決められているため、期限が過ぎると他のペットと一緒の合葬墓に移されて納骨されます。
 
注意する点はペット専用の場合、人間のお墓と違って将来にわたって永続性が保証されていないということ。民間企業が私有地にペット専用霊園を開設したり、マンションの一室をペット専用納骨堂として運営していることもあります。しかし、過去にペット霊園や納骨堂が廃業してしまったという前例も少なくありません。寺院内や人間の墓地に隣接しているペット専用供養塔などを利用する方が、リスクは軽減できます。
 

自宅で供養する場合

ペットの遺骨を骨壺に入れたまま、自宅で供養することも可能です。自宅にペット用の仏壇を置いて毎日お線香を焚いたり、お盆やお彼岸に欠かさずお参りをするという人も少なくありません。
ペット用にアレンジされたお盆グッズも

ペット用にアレンジされたかわいらしいお盆グッズなども。
画像:エスケー

ペット用としてうたっているものでなくとも、人間用の仏壇や供養グッズの中にはかわいらしいデザインのものが多く市販されているため、こういった商品を利用してもよいでしょう。

自宅に置いておく期限について決まりはありませんが、長年にわたってしまうとそのまま放置されてしまうということにもなりかねません。飼い主が亡くなったとき、引っ越しするときなど、タイミングを見計らって納骨場所を検討するのもひとつの方法です。
 
ペットは家族の一員といわれるようになって久しく、犬・猫の飼育頭数は2003年には15歳未満の人口を超えるまでに増加しています。ペットと同じ空間で共に過ごしてきた家族にとって、死後も一緒にいたいと思うのは自然な流れです。ペットの死を悼む気持ちを形にすることで、深いグリーフ(悲嘆)が少しずつ和らぐこともあります。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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