お金の悩みを解決!マネープランクリニック/40代独身の人のお金の悩み

40代独身、貯金ゼロ。数年前にだまされ借金まみれに…(2ページ目)

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回の相談者は、返済に追われ貯蓄ができない40代の会社員女性。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。

あるじゃん 編集部

執筆者:あるじゃん 編集部

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アドバイス1 2年間の「我慢」が脱出の足掛かりに

毎月貯蓄ができず、したがって貯蓄残高もない。ご相談にもあるように、まずは一刻も早くこの状況から脱することが最優先となります。

そのためのポイントとなるのがボーナスです。年間手取額が40万円。おそらくこれまではなかなか貯蓄に回らなかったと思いますが、できれば半分の20万円を何とか貯蓄しましょう。

毎月の家計支出は給与の範囲内に収めたとして、ボーナスから捻出せざるを得ないのは固定資産税くらいでしょうか。ただ、それも住宅ローン控除(マンション購入後、10年か15年のどちらかを選択されたはず)による税金の還付金を充てることができるはず。また、その他の不定期支出のうち、断れるもの、我慢できるものはして、とにかく2年間は貯蓄最優先に生活をシフトしてください。

2年後、貯蓄が40万円になったら、それをもとに銀行のカードローンを完済します。完済する理由は、支払いは毎月1万円ですが、金利14%はあまりにもったいないということ。また、ローンを2つ抱えること自体、収入が途絶えたときに大きな負担となるからです。

そして、完済してもおそらく手元に10数万円残るはず。その半分で、欲しかったものを買ってもいいし、旅行に行ってもいいでしょう。頑張ってローンを完済させた自分へのご褒美として使ってください。全額ご褒美に充てたいところですが、せっかく貯めた貯金。貯蓄体質を継続するためにも半分は残しておきましょう。
 

アドバイス2 「オタク」を切り捨てず上手に活かす

カードローンを完済すれば、翌月から家計支出が1万円浮きます。また、ボーナスから半分貯蓄できたわけですから、それを今後も継続する、あるいは3分の1ならさほど苦労なくできるはず。ともに貯蓄していきましょう。

あとは家計の見直しですが、真っ先に削減の候補となるのが、趣味である「オタク」関連の支出。相談者の「つっつんさん」自身も「今の状態をみたら買ってる場合じゃないだろう」と認識しているように、家計管理のセオリーに当てはめれば確かにそうなるでしょう。

しかし、ここは削るべきではないと考えます。平均月3万円の支出とのことですから、年間36万円。これが全額貯蓄に回れば、3年で100万円が貯まります。しかし、おそらくそれはできません。オタクを楽しむことで、生活や気持ちのバランスが保たれているのであって、日々仕事に追われている現状で、それを失ってはそれこそ貯蓄どころではなくなるかもしれません。

ある程度は支出額を下げる工夫があってもいいですが、楽しめなくなるほど削るのはかえってリスクがある気がしてなりません。オタクをきっぱり止めてしまうなら話は別ですが……。

具体的な支出費目の削減よりも、支出の仕方を変えてはどうしょうか。クレジットカードはなるべく使用しない方が賢明です。また、リボ払いは今後利用してはいけません。ボーナスはあるものの、毎月の家計収支は余裕なし。少しでも何かの支出が膨らむと、家計管理に即影響します。それを防止する意味でも、予算を決めて、それだけの現金でのみ買い物等をするよう習慣付けてください。
 

アドバイス3 いずれは住宅ローンの借り換えも

また、これはマネープランとは離れてしまいますが、現在の勤務状況が気になります。残業が80時間を超えなければ残業代が出ないというのは、この事実だけで言えば、明らかに労働基準法違反のはずです。

「結局、今はどこも同じ」という意見もあるでしょうが、それで現状を受け入れてしまっていいとは思えません。定年を60歳としてもまだ20年近くあるわけです。転職活動をする、ハローワークに相談する(多くのハローワークが平日夜間や土曜も対応しています)。まだ時間はあります。何もされていないようでしたら、より良い職場で働けるよう行動することも大事なことです。

最後に住宅ローンについて。金利2%は今の水準ではやや高いので、借り換えをしたいところです。しかも現在、変動金利ですから、将来の金利上昇リスクも抱えていることになります。借り換える場合は、低金利のときこそ、全期間もしくは長期の固定金利が鉄則です。仮に、金利0.6%で今のローンを借り換えなら毎月9000円、1%でも毎月5000円返済額が軽減されます。

ただし、借り換えは再度ローンを組み直すため、最初に組んだときと同様に諸費用(登記費用、各種手数料、税金、ローン保証料など)が発生します。お住まいの物件だと、金額は30万~50万円程度でしょうか。したがって、貯蓄の習慣付けができて、100万円近く貯まった段階で、諸費用を支払っても効果があるなら(金融機関で試算してくれます)検討されるといいと思います。
 

相談者「つっつん」さんから寄せられた感想

先生のアドバイスもオタクを続けて良いんだと安心しました(自制は必要と思いますが)。仕事の内容として、仕事量が成果物とイコールにならないためコントロールしづらいのですが上長と相談などしてみたいと思います。ローンの返済計画はエクセルにまとめてみるなどして返済期間の目標を立てようと思います。住宅ローンは長期固定だったのでなかなか…頭の隅に置いて余裕ができたら今後は借り換えも考えたいと思います。それと、おかげさまでリボ払いは完済いたしまして、スチームアイロンも購入できました…!なんとか一歩踏み出せたかなと思います。ありがとうございました。


教えてくれたのは…… 

深野 康彦さん
 
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業界歴26年目のベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金周り全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。

取材・文/清水京武 イラスト/モリナガ・ヨウ



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