夫婦関係/パートナーの浮気

熟年不倫の深刻な実情!既婚男性・女性の火遊びが引き起こす熟年離婚

熟年不倫は、夫婦の性の志向の不一致からくるものです。日本全体の離婚件数は減っているにもかかわらず、熟年離婚だけは増え続けている理由の一つ、熟年不倫。既婚男性・女性は夫婦関係にどんな不満を抱き、魔がさすのでしょうか。その実情を探ります。

三松 真由美

執筆者:三松 真由美

夫婦関係ガイド

既婚男性・女性の熟年不倫だけが熟年離婚の原因じゃない

熟年不倫の深刻な実情!既婚男性・女性の火遊びが引き起こす熟年離婚

熟年不倫が熟年離婚の危機を招く!?

ご存知の方も多いと思いますが、日本全体の離婚件数が減る一方で、熟年離婚だけは増え続けています。その理由はいろいろ。

その例を挙げると……

■子育てが一番忙しかった時期に家のことは妻に丸投げ、家庭を顧みなかった非協力的な夫に、子育てが終わると妻から三下り半を突きつける「人生リセット型」

■冷え切ってしまったパートナーの親の介護なんてまっぴらごめん! 介護が発生する前にさっさと離婚という「介護リスク予防型」

■自分の親を心配させたくないと我慢して「いい子」の人生を送ってきた方が、親の死別のタイミングで自分の生きたい人生にシフトチェンジするという「れりごー(let it go)型」

■「性に関するパートナーへの不満足」から熟年不倫に走り、夫婦仲破たんという「寝室崩壊型」

……などなど。今回は、この中で、熟年離婚にもつながりかねない熟年不倫について考えてみましょう。
   

熟年不倫の原因は夫婦の寝室事情にあり

既婚男性・既婚女性の恋愛とも言える不倫。「不倫の原因の一端は実は家庭内にあり」というのが私の持論。パートナーの目が家庭外の男女に向かうのは、その根っこに家庭への不満や不信、失望などがあるというのは、数多くの夫婦の相談に対応してきた経験から言っても、間違いない事実です。

男性は「魔が差した」といいますが、なぜ魔が差す隙があるのかということです。

「家庭への不満」は家事の分担、育児の方針、家計のやりくりの仕方など、さまざまな理由があります。そして実際には、なかなか表には出てこないですが、不満の原因は「夫婦の寝室事情」つまり夫婦間のセックスライフであることも多いのです。

熟年世代になると、性に対する女性側のスタンスは2極化します。「以前よりも積極的になる女性」VS「性に全く無関心になる女性」では、パートナーとのセックスに対する欲求も180度異なります。

このような妻の性欲の変化を、ほとんどの夫は気づくことはありません。従って、この妻の性欲と夫の性欲の波長が合わないと、夫婦の寝室はどんどんすれ違っていってしまいます。

そろそろ熟年と呼ばれる現アラフィフ(50歳前後)はバブル世代。男女とも「いろいろ遊んできた」経験がある方は少なくないでしょう。私も20代の方々から「バブルの残骸!」と笑われることが多々あります。

彼氏彼女のお付き合いはもちろん、グループ交際や異性のお友達的な付き合いも含めた男女交際の経験値が豊富です。こんな熟年カップルに性欲の差があった場合、どうなるでしょう。

【性欲のない妻+性欲の衰えない夫】という組み合わせの場合は、「夫が外で不倫」という結果に陥る可能性が大です。

多少年を重ねたとはいえ、男性の50代はある意味「脂の乗った」世代。若年層よりお金はあるし、20代にバブル期を経験したこの世代は、とにかくよく遊び、お金の使いっぷりも上手な方が多いです。もちろんそうでない方もおられますが。夢を見ることが許された時代に生きた世代です。イマドキの草食男子群と比べても、女性に対して積極的で結構モテます。同世代はもちろん、その経済力で若い女子にも触手を伸ばす可能性があります。

逆に【性欲のある妻+すっかり枯れた夫】という組み合わせの場合、「妻が外で不倫」という結果になる可能性があります。

イマドキの50代は「美魔女」でなくてもかなり若く・きれいですので同世代だけでなく、若い男子にも十分モテます。私の周りの50代はアクティブで、美にも貪欲。まったく年齢など気になりません。

不倫から熟年離婚というシナリオは、男女どちらから生まれても不思議ではないのです。
 

関心事が「自分自身」になることで熟年不倫へ?

そんな「自分への意識・関心が高い女性」が読者層である雑誌が『婦人公論』。45歳から55歳の読者が6割だそうで、熟年世代に支持されていることがわかります。

ある記事の中で、三木哲男編集長が語っていたところによると「かつては、主婦である読者は自身が人生の主人公ではなく、ほかの人との関係性の中で幸せを求めていました。それがここ5年で打って変わって、興味が思い切り自分自身に向いたんです」という女性側の大きな変化がみられるそうです。

実際、2017年2月24日号の見出しにも――「熟年結婚」「奇跡的なラストチャンス」「50代で決断した女性たち」「オトナ婚活の必勝法」「アラフィフなのに、まさかの恋」――などの単語が踊っています。

「婦人公論」よりもファッションや美容に重点が置かれている「HERS(ハーズ)」においても、「50歳目前、私たちの“駆け込み離婚”」などという記事が載っていることもあります。

「多少のよそ見はあっても、最後は元の鞘に収まるはず。いい年して離婚はないだろう」と高をくくっていると、妻も夫も足元をすくわれる危険があります。熟年不倫は単なる「大人の火遊び」ではなく、「新しい人生へのシフトチェンジ」。すなわち離婚に発展する可能性もあるのです。

しかし、今後次第に老いに向かっていく中で、熟年から離婚に踏み切るならそれなりの覚悟も必要です。日本人の平均寿命から考えれば、50代の人にもあと40年近くの人生が残っている可能性があります。

「今のパートナーが不満だから」
「新しく好きな人ができたから」

だけではなく、健康面、経済面も含めてしっかり現状を見据え、将来の計画を立てることは必要です。

子育てという、夫婦の大きな目的がひとつ達成したあと、引き続き今のパートナーといっしょにいる意味・価値は自分たちで探し、創り出していくことが必要です。

100のカップルがいれば100通りの「一緒にいる価値」があるはず。自分自身だけでなく、自分たちが作ってきた「夫婦関係」にもしっかり注目をしてもらいたいと思います。

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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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