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子供がおもちゃに興味を持たない、遊ばない3つの理由

赤ちゃんや子供が大好きなおもちゃ。でも、中には、おもちゃに興味を持たない子供もいて、そのことで悩んでしまうママもいます。おもちゃに興味を持たない・おもちゃで遊ばない理由は何なのでしょう? 子育て心理学の側面から3つの理由をお伝えします。

佐藤 めぐみ

執筆者:佐藤 めぐみ

子育てガイド

おもちゃに興味がない、ちっとも遊ばない……子供なのにどうして?

「子供=おもちゃが好き」というわけではない

「子供=おもちゃが好き」というわけではない


子供は遊ぶのが仕事。よくそう言われます。だから、私たちの頭には、「子供はおもちゃが大好きだ」「時間も忘れて遊ぶものだ」とインプットされています。そして、おもちゃ屋さんに行けば、子供を魅了しそうな商品が所狭しと並んでいます。

でも、こんな大人たちの期待に逆行して、おもちゃに興味を持たない子供たちもたくさんいます。そう、「子供ならおもちゃ好き」という方程式は、すべての子には当てはまらないのです。この記事では、おもちゃ遊びを好まない子を持つママの悩みと、興味を持たない子の心理についてまとめてみました。
   
<目次>
 

「赤ちゃん・子供はおもちゃが好き」という先入観が、逆にママを苦しめる

筆者がこの記事を書こう思ったのは、「子供はおもちゃが好き」という先入観があるばかりに、悩んでしまうママがいるからです。
  • なぜおもちゃに興味を持ってくれないのか?
  • 何が好きなのか分からなくて辛い…
と世間で人気のおもちゃを前にして、考え込んでしまうのです。

朝から晩まで、ブロックや積み木、お人形ごっこにつき合わされてヘトヘト…というママからしたら、「おもちゃに執着がないなんて、ちょっと羨ましいかも」と思うかもしれません。でも実際には、おもちゃに関心がないことでのママの悩みは、想像以上に深刻です。

悩むママの心理として挙げられるのが、
  • この子の好きな遊びが分からない…、母親として、この子のことを十分に分かってあげていないのではないか……
  • 他の子が夢中になる〇〇に、うちの子は興味を持てないのはどうして……?
「子供はおもちゃが好き」という一般的な認識に逆行する我が子の行動に対し、モヤモヤ、イライラが募ってしまうのです。しかし、すべての子がおもちゃ好きではありません。ここで、その主な理由を3つお伝えしたいと思います。
 

子供がおもちゃに興味を持たない理由1:もともと執着しない性格だから    

子供たちはみなだれでも、それぞれの個性を持って生まれてきます。たとえば、
  • どれくらいアクティブか
  • どれくらい順応性があるか
  • どれくらいルールが好きか
  • どれくらい五感が敏感か
これらは、生まれつきの資質が大きく影響するものだということが、過去の研究で分かっています。これらに加え、今回のトピックに関係する「集中力」「執着心」なども、もともとの資質が力を持っています。

おもちゃに興味を持たないお子さんというのは、性格的に「あっさりしている」「強くこだわらない」ことが多いようです。これは、悪いことではありません。気質というのは、あればOKで、ないとダメ、と良し悪しで語れるものではなく、その資質がどのように表れるかがポイントだからです。

たとえば、この資質が強く出ると、「一回やると言ったら絶対にやり遂げる」という長所になることもあれば、「いつまでも駄々をこねている」という悩みにつながることもあります。逆に、弱く出た場合には、「こだわりがなく、受け皿が大きい」という長所にもなれば、「あきらめが早い」などの問題にもなるのです。

いずれにしても、親がその資質をどう引き出してあげるかが大事。「うちの子にはこの理由があてはまるかも」と感じたら、「おもちゃにこだわりがなくてもいい。こだわっていたのは、私だったかもしれない」と方向転換。そのあっさりした性格を「その子らしさ」として受け止め、いい方向(例:物事に寛容な子だ、気持ちの切り替えが早い子だ)へと引っ張っていってあげてください。
 

子供がおもちゃに興味を持たない理由2:物があふれているから    

子供がおもちゃに興味を持たない理由の2つめは、「飽き」からくるものです。物があふれている現代、子供たちはたくさんのおもちゃに囲まれて育っています。

冒頭に書いた「子供はおもちゃ好き」という先入観もあって、おじいちゃんおばあちゃんは「孫に買ってあげたい」、親も「他の子が持っている物はそろえてあげたい」という思いが出ます。また、「運動会で1等になった」「テストで100点を取った」などの嬉しい出来事があると、「じゃあ、ご褒美に〇〇を買ってあげるね」と物でその喜びを充足しようとしてしまいます。

事あるごとに物をもらうことに慣れてしまうと、その子は、「一瞬は飛びつくけれど、すぐに飽きる」「物を大事しない」など、特有の飽き方を示すようになり、それが、親には、「おもちゃに興味を持たない」と映ることもあるのです。

次の2つの記事: の中でも書きましたが、子供を「物」で満たしてしまうと、「物質依存」や「やる気の低下」など、さまざまな弊害が生まれます。もし、子供部屋を見て、「おもちゃがあふれている」と感じたら、おもちゃを整理し、それに頼らない遊びをしながら、物への思いを再考させることも大切です。
 

子供がおもちゃに興味を持たない理由3:おもちゃを介した遊びを好まないから

子供がおもちゃに興味を持たない理由の3つめは、単純に、おもちゃを使った遊びよりも、体を使った遊びの方が好きだからです。とくに、男の子に当てはまる傾向があるようです。

遊び方は男女で違うもの。子供時代だけでなく、大人になってからも、楽しいと感じるものは男女で大きく違います。これは研究でも裏づけされていて、男の子は、自らがパパになっても、我が子と体を介して遊ぶ傾向があることが分かっています。

一方、ママが考えつく遊びは、
  • 数字遊び、文字遊び、知育ゲームなどの「教育系」
  • 折る、切る、貼る、組み立てるなどの「創作系」
という傾向が高いそうです。もしママが、この視点から、男の子の遊び方を見てしまうと、「どうしてグッズやおもちゃを使って遊ばないの?」と感じやすくなります。実際に、「おもちゃに興味がない…」と悩むのは、パパよりもママの方が多いのも、この視点の違いが影響しているものと思われます。

人間の長い歴史を見れば、おもちゃが登場したのはごく最近のこと。つい50年くらい前までは、おもちゃなし育児が普通だったのです。今回ご紹介した2つめの理由以外ならば、心配することはありません。「子供はおもちゃで遊ぶ」というイメージは、現代の大人が作り上げたイメージ。子供にとっては、1つの選択肢に過ぎないのです。

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※乳幼児の発育には個人差があります。記事内容は全ての乳幼児への有効性を保証するものではありません。気になる徴候が見られる場合は、自己判断せず、必ず医療機関に相談してください。

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