おもちゃに興味がない、ちっとも遊ばない……子供なのにどうして?
「子供=おもちゃが好き」というわけではない
子供は遊ぶのが仕事。よくそう言われます。だから、私たちの頭には、「子供はおもちゃが大好きだ」「時間も忘れて遊ぶものだ」とインプットされています。そして、おもちゃ屋さんに行けば、子供を魅了しそうな商品が所狭しと並んでいます。
でも、こんな大人たちの期待に逆行して、おもちゃに興味を持たない子供たちもたくさんいます。そう、「子供ならおもちゃ好き」という方程式は、すべての子には当てはまらないのです。この記事では、おもちゃ遊びを好まない子を持つママの悩みと、興味を持たない子の心理についてまとめてみました。
<目次>
「赤ちゃん・子供はおもちゃが好き」という先入観が、逆にママを苦しめる
筆者がこの記事を書こう思ったのは、「子供はおもちゃが好き」という先入観があるばかりに、悩んでしまうママがいるからです。- なぜおもちゃに興味を持ってくれないのか?
- 何が好きなのか分からなくて辛い…
朝から晩まで、ブロックや積み木、お人形ごっこにつき合わされてヘトヘト…というママからしたら、「おもちゃに執着がないなんて、ちょっと羨ましいかも」と思うかもしれません。でも実際には、おもちゃに関心がないことでのママの悩みは、想像以上に深刻です。
悩むママの心理として挙げられるのが、
- この子の好きな遊びが分からない…、母親として、この子のことを十分に分かってあげていないのではないか……
- 他の子が夢中になる〇〇に、うちの子は興味を持てないのはどうして……?
子供がおもちゃに興味を持たない理由1:もともと執着しない性格だから
子供たちはみなだれでも、それぞれの個性を持って生まれてきます。たとえば、- どれくらいアクティブか
- どれくらい順応性があるか
- どれくらいルールが好きか
- どれくらい五感が敏感か
おもちゃに興味を持たないお子さんというのは、性格的に「あっさりしている」「強くこだわらない」ことが多いようです。これは、悪いことではありません。気質というのは、あればOKで、ないとダメ、と良し悪しで語れるものではなく、その資質がどのように表れるかがポイントだからです。
たとえば、この資質が強く出ると、「一回やると言ったら絶対にやり遂げる」という長所になることもあれば、「いつまでも駄々をこねている」という悩みにつながることもあります。逆に、弱く出た場合には、「こだわりがなく、受け皿が大きい」という長所にもなれば、「あきらめが早い」などの問題にもなるのです。
いずれにしても、親がその資質をどう引き出してあげるかが大事。「うちの子にはこの理由があてはまるかも」と感じたら、「おもちゃにこだわりがなくてもいい。こだわっていたのは、私だったかもしれない」と方向転換。そのあっさりした性格を「その子らしさ」として受け止め、いい方向(例:物事に寛容な子だ、気持ちの切り替えが早い子だ)へと引っ張っていってあげてください。
子供がおもちゃに興味を持たない理由2:物があふれているから
子供がおもちゃに興味を持たない理由の2つめは、「飽き」からくるものです。物があふれている現代、子供たちはたくさんのおもちゃに囲まれて育っています。冒頭に書いた「子供はおもちゃ好き」という先入観もあって、おじいちゃんおばあちゃんは「孫に買ってあげたい」、親も「他の子が持っている物はそろえてあげたい」という思いが出ます。また、「運動会で1等になった」「テストで100点を取った」などの嬉しい出来事があると、「じゃあ、ご褒美に〇〇を買ってあげるね」と物でその喜びを充足しようとしてしまいます。
事あるごとに物をもらうことに慣れてしまうと、その子は、「一瞬は飛びつくけれど、すぐに飽きる」「物を大事しない」など、特有の飽き方を示すようになり、それが、親には、「おもちゃに興味を持たない」と映ることもあるのです。
次の2つの記事: の中でも書きましたが、子供を「物」で満たしてしまうと、「物質依存」や「やる気の低下」など、さまざまな弊害が生まれます。もし、子供部屋を見て、「おもちゃがあふれている」と感じたら、おもちゃを整理し、それに頼らない遊びをしながら、物への思いを再考させることも大切です。
子供がおもちゃに興味を持たない理由3:おもちゃを介した遊びを好まないから
子供がおもちゃに興味を持たない理由の3つめは、単純に、おもちゃを使った遊びよりも、体を使った遊びの方が好きだからです。とくに、男の子に当てはまる傾向があるようです。遊び方は男女で違うもの。子供時代だけでなく、大人になってからも、楽しいと感じるものは男女で大きく違います。これは研究でも裏づけされていて、男の子は、自らがパパになっても、我が子と体を介して遊ぶ傾向があることが分かっています。
一方、ママが考えつく遊びは、
- 数字遊び、文字遊び、知育ゲームなどの「教育系」
- 折る、切る、貼る、組み立てるなどの「創作系」
人間の長い歴史を見れば、おもちゃが登場したのはごく最近のこと。つい50年くらい前までは、おもちゃなし育児が普通だったのです。今回ご紹介した2つめの理由以外ならば、心配することはありません。「子供はおもちゃで遊ぶ」というイメージは、現代の大人が作り上げたイメージ。子供にとっては、1つの選択肢に過ぎないのです。
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