ユネスコ無形文化遺産に登録された33の「山・鉾・屋台」行事
2016年11月30日(日本時間で12日1日)に、日本の「山・鉾・屋台行事」がユネスコの無形文化遺産に登録されました。今回は、すでに登録されていた「京都祇園祭の山鉾行事」や「日立風流物」も含め、日本全国にあるこれら「山・鉾・屋台」行事のうち特に代表的とされた33件が、ひとまとまりとして登録されました。どんな行事が登録されたのか、33件のリストは文化庁のサイトに一覧が載せられています。ただ、それぞれがいつ、どんな行事をするのか、この一覧表を見ただけではわかりにくいかと思います。そこで、本記事では、登録された33件の「山・鉾・屋台行事」を開催順にカレンダー形式でご紹介したいと思います。
そもそも「山・鉾・屋台行事」とは?
「山・鉾・屋台行事」とは、華やかな飾り付けをした「曳き山(ひきやま)」が出る行事・お祭りのこと。お祭りや種類によって「鉾」と呼ばれたり「山」と呼ばれたり「屋台」と呼ばれたりします(屋台といっても、ここではいわゆる夜店や縁日のことではありません)。曳き山には豪華絢爛な飾り付けがなされていることも多く、日本の伝統工芸における最高峰技術が存分にいかされています。「動く美術館」と呼ばれることも多いです。
「山・鉾・屋台行事」の見どころは?
曳き山が出る祭りに共通する見どころのポイントをお知らせします。初めて行く行事でも、見どころを簡単に探り当てることができるでしょう。
1.曳き山の美しさ
木工・漆塗り・染織物・金属加工など、町の意地とプライドをかけて曳き山を豪華絢爛なものにしてきました。その美しさを楽しんでいってください。
京都祇園祭 放下鉾 本体だけでなく見送りも豪華絢爛
2.奉納舞台や飾り付け
祭りによっては、曳き山上の特設舞台で歌舞伎やからくり人形の奉納を見せることがあります。これも祭りの楽しみのひとつです。写真は長浜曳山まつりでの子供歌舞伎のひとこま。
3.辻回し
巨大な曳き山が交差点などを曲がるとき、それぞれ独自の技術を見せます。それらは巡行における最大の見せ場。
たとえば京都祇園祭の鉾(一部の巨大な山も含む)では、車輪に竹を敷き詰め水をかけて、30度づつ3回にわけて引き綱を直角に曳いて曲がっていきます。
4.夜の祭り
夜は提灯が山や鉾や屋台を飾り、幻想的な雰囲気を見せます。祭りによっては、夜の曳き山巡行が行われることもあります。スケジュールを確認して、昼も夜も1日楽しみたいものです。
5.町のしつらえ
祭りによっては、時期になると街角で、普段見せないような豪華絢爛な宝物を展示することがあります。
京都祇園祭の場合は「屏風祭」とよび、宵山の時期にはこうして各山鉾町で屏風や宝物などを、虫干しを兼ねて披露します。
それでは、次のページから、4月から開催日順にどんな祭りがあるか、見てみましょう。