お金の問題においても、無理をせず誰かに相談したり、堂々と断りの手続きをしたほうがいいケースがあるからです。むしろ恥に感じなくてもいいくらいです。
マネー逃げ恥その1:あやしい金融商品を買わされて後悔している
あやしい金融商品、あるいは詐欺的な金融商品というのは後を絶ちませんが、私たちはときどきそういった金融商品にだまされそうになります。「簡単で楽々お金が儲かる、けれど最初に○十万円がかかる(でもすぐ元が取れるので消費者金融で借りればいいよ)」というような話も、文字で見るとだまされないような気がしますが、熱心ないい人(に装っている人)から、長時間の勧誘(場合によっては軟禁状態に置くことも)をされたり、強い口調で繰り返し断言されたりしているうちに、正常な判断ができなくなり、店を出たときには契約をしてしまったりします。
こういうとき、家に帰って後悔したらすぐ、消費生活センターに電話をしてアドバイスを求めてください。直接やりとりをしてキャンセルすることは大変なので、こういうときはためらわず行政の力を借りてください。
高額の商品を購入するような契約をさせられ、商品が送られてきた場合などは、クーリングオフの手続きをしておけば、その契約をキャンセルすることができます。ただし必ず書面提出(ハガキでいい)が必要になるほか、契約の種類によって期日が異なります(キャッチセールスなら8日、マルチ商法なら20日など)。詳しいことは、遠慮せず消費生活センターに質問してください。
不当な契約や不法な取引を要求されて、ここから脱出することは「逃げ」でも「恥」でもありません。絶対にそのままずるずるとやりとりしないようにしましょう。
マネー逃げ恥その2:借金の残高が50万円を超えた
2つめは「借金」です。計画性がなかったり、ストレスに負けてしまったり、意志が弱かったり、いろいろ理由はあるでしょうが、ふくれあがった借金を一人で抱え込むのは限界があります。一番よくないのは借金の返済を別の借金でやりくりし始めることで、これは泥沼に入るようなもので、抜け出すことが困難です。Aというクレジットカードから借りた5万円の返済期日を、Bという消費者金融で返そうとしても、それは本質的には何の返済にもなっていませんし、むしろ利息が増えていく分、状況は悪化しています。
20歳代であれば、給料2カ月分、あるいはボーナス一回で借金全額を返済することができない金額を借りてしまったら、これはもうひとりで返すことが難しい危険な領域に入っています。
最後の手段として自己破産もあり、必要なら手続きをすればいいでしょう。しかし、年収以上の借金額になったとき、本当に人生のリスタートを考えるような仕組みなので、できれば給料2カ月分くらいのところで借金を整理したいところです。
このときの相談相手は親です。あなたの親がまだ元気であれば、借金を一気に返してやり直すための資金を貸してくれるかもしれません。もちろん、それ以降は借金を新規にせず、生活を立て直し、親に少しずつ返済をしていってください。
おまとめローン、という仕組みを使う方法もあります。複数の金融機関にそれぞれ数万円ずつ返すと返済額が高額になってしまい、行き詰まりますが、ひとつの金融機関に借金をまとめることで、返済相手をひとつにし返済額も複数化せずにすみます。銀行等のおまとめローンのホームページからまずは相談してみましょう。
いずれの場合も、返済が改めてスタートしたら、新しい借金は絶対にしないように。ここでまた借金をしては最悪です。カードにはさみを入れて使えなくしてしまうくらいの覚悟をしてください。
マネー逃げ恥その3:連帯保証人になってくれと頼まれた
人生で一度あるかないか、かもしれませんが、連帯保証人になってくれ、と頼まれることがあります。友人などがお金を借りる際に、誰かの連帯保証を求められ、サインを頼まれるようなケースです。基本的に、友人だからと連帯保証人に応じる必要はありません。応じたあとに友人が借金を返さずに失踪してしまた場合、あなたがその借金返済を背負うことになりかねません。
連帯保証人ではなくただの保証人であった場合は、そうした肩代わりのリスクは下がりますが、おそらく契約書を読んで正確に理解できないでしょう。どちらも避けておいたほうがいいはずです。
基本的に借金についてはお金を貸す側である金融機関等がそのリスクを判断して対策をするべきものです。信用保証会社等をつけたり、家賃の保証会社に契約してもらう仕組みがあります。
長年のつきあいあだから断れない、と保証人のサインをせず、「逃げ」てください。むしろ友人関係をだしにしてあなたを自分の借金に巻き込んでいる友人のほうが「長年のつきあいを利用してきている」のです。逃げることは恥でもなんでもありません。
そこで切れてしまう友人関係なら、それは途絶えてしまってもしかたないものです。
友人に頼まれてお金を貸す場合、「返ってこなくても納得でき、恨まずに友人関係を続けられる」と思えないなら貸してはいけません。