あらためて「写ルンです」を使って撮影してみました。写り具合のチェックや応用した撮影方法などを試してみたレポートです。
「写ルンです」の現行機は2種類からセレクトできる
「写ルンです」は、フィルム感度の異なる2種類が現行機種として販売されています。これ以外にも防水タイプの機種もありますが、ここでは除外しておきます。
「シンプルエース」は、フィルム感度がISO400の機種。シャッター速度が1/140秒、レンズはF10、最短撮影距離が1メートルという仕様です。
もうひとつが「1600・ハイスピード」と名付けられた機種。こちらはフィルム感度がISO1600になっていて、シャッター速度が1/200秒と高速化されています。レンズはF14、最短撮影距離が0.8メートルと「シンプルエース」よりハイスペック化されたモデルです。
日中野外でスナップショットを撮るのが主な撮影では「シンプルエース」、やや暗いところでの撮影やスポーツシーンなど被写体の動きが速いものを撮るのが目的の場合は「1600・ハイスピード」を使うというような選び分けができます。どちらの機種もフィルム枚数は、27枚と39枚の二種類から選択可能。
さらに詳しいスペック等は公式サイトでご確認ください。
写ルンです(富士フイルム)
それでは、「写ルンです」で撮影した写真を見ていきましょう。
ゆるい写りが魅力の「写ルンです」
「写ルンです」はとぢらの機種も、最短撮影距離から無限大にピントが合うことになってますが、プラスチックレンズ一枚での描写力には限界があります。しかし、このピントの甘さ具合が「写ルンです」の人気が再燃したところかもしれません。
フィルムのスナップカメラで撮るゆるい写りの写真。「写ルンです」で撮れる写真は全体にこんな感じです。
「ハイスピード」は、ISO1600の高感度フィルムなのでどの程度暗いところでも写るのか試してみました。日没後の夕焼けが見える風景を撮った写真は、シャッター速度が固定なのでやや露出アンダー気味で写りましたが、なんとか夕焼けの雰囲気は写りました。ある程度の明かりがあればフラッシュなしでも写せそうです。
フラッシュは日中でも使うと効果的に撮れる
「写ルンです」にはフラッシュが標準装備されています。この値段でフラッシュまでついていることに驚きますが、さてこのフラッシュどういうときに使っていますか? 暗いところで使われるのが一般的ですが、日中でもフラッシュを使うとよりきれいに写せるのです。
上の写真は2枚ともフラッシュを使い撮影しました。昼間なのでフラッシュを使わなくても撮れるシーンなのですが、あえてフラッシュを使ったことで看板がひときわ明るく写っています。これを応用すれば、日中に人物のスナップショットでもフラッシュを使うことで表情を明るく写せます。
このような日中でもフラッシュを使って撮影するテクニックを日中シンクロと呼びます。「写ルンです」のフラッシュを使うだけで簡単に日中シンクロ撮影が可能です。
フィルターを使えばインスタ風のオリジナル作品も撮れる
最近はインスタグラムなどエフェクト加工した写真が人気ですが、 「写ルンです」はレンズも取り付けられたものしか使えず、ズーム機能もないので撮影するときにエフェクトを加えることがほとんどできません。そこで、考え付いたのがカラーフィルターなどをレンズのまえに置いて撮影するという方法。
さてどのような写真が撮れるでしょうか。
上の写真は、それぞれ赤と青のフィルターをレンズ前につけて撮影したもの。赤のフィルターを使った写真では画面全体が赤くなり、異次元的なイメージを与える一枚になりました。青のフィルターを使った写真は、全体に青色になることで寒色のイメージが強くなりました。
このようにカラーフィルターをレンズ前に取り付けるだけでイメージをコントロールしたオリジナルな写真が撮れます。カラーフィルターは色のついた透明なものであれば代用できます。
こんな実験もしてみました。スマホカメラ用の取り付けフィッシュアイレンズを「写ルンです」のレンズ前につけて撮影したもの。ピントが合っていませんが、画面全体が丸く写るフィッシュアイ効果は写せました。使い方によってはおもしろい写真が撮れそうです。
「写ルンです」は簡易タイプのフィルム付きカメラですが、アイデア次第でデジカメでは撮れなかった写真を撮ることもできますね。改めて「写ルンです」で撮影を楽しんでみると新たな発見ができるかもしれません。
関連リンクサイト
「写ルンです」の気になる中身はどうなってる?