資産運用

ユーロ問題の真相に迫る!(1)~ギリシャが犯した罪~(2ページ目)

ギリシャの財政赤字、欧州問題、そしてユーロの暴落などが市場を賑わせていました。今は話題になる回数も減ってきましたが、まだまだ問題は山積みです。そこで、欧州が抱えている問題を経済のプロにズバッと斬っていただきました!シリーズ第1回目です。

川崎 さちえ

執筆者:川崎 さちえ

フリマアプリ・ネットオークションガイド

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ギリシャが犯した罪

引き続き、「運用のプロが教える草食系投資」を共著で書かれた、セゾン投信の中野さんに話を聞いています!

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中野:ルールを破ってもいいじゃんって思ったギリシャは、当然国債を発行して放漫財政を始めてしまったんです。たとえば、公務員の給料を上げたり、贅沢し放題だったのでしょう。公務員の数すら把握できていなかったようですね。

ガイド:そもそも、なぜこんなことができたんですか?

中野:それは、ユーロ建で簡単に借金ができたからです。その背景には、ユーロの金利の安さ、加えて、ギリシャはユーロ圏の国として、安心マークがついていたということがあるでしょう。

ガイド:つまり、ギリシャはどんどん国債を発行→放漫財政加速→借金膨張という、とんでもないストーリーを描いてしまったわけですね?

中野:そうそう。でもね、こういった事態は何もギリシャだけの話ではないんです。「PIIGS」と呼ばれる、ポルトガル、イタリア、アイルランド、グリース(ギリシャ)、スペインの4カ国も同じように財政赤字を抱えています。 

ギリシャが助かる方法は? 

ガイド:ギリシャが助かる方法はあるんですか?

中野:あるにはあるのですが…。それは、ずばり、通貨の切り下げです。これはアジア通貨危機を振り返るとわかりやすいんですが、タイバーツが暴落したことから始まった通貨危機においては、IMF(国際通貨基金)が介入して穴埋めをしましたよね。そして財政に対しても厳しい条件を出しました。と同時に、通貨の切下げを行って、実はこれが韓国経済を回復させ、さらに強くする原動力となったのです。

ガイド:ん?なぜ通貨切下げで経済回復ができるんでしょう?

中野:通貨を切下げると、自分の国の通貨が安く(弱く)なります。仮に日本が通貨切下げをした場合、1ドル=100円が1ドル=150円になるようなものなので、輸出をしている企業にとってはとてもメリットがありますよね。この通貨切下げによって、韓国経済は回復し、その後成長曲線を描くようになりました。というわけなので、実は通貨切下げはとても有効な手段なんです。

ガイド:じゃ、ギリシャもやればいいじゃないですか。

中野:そう思うでしょ?でも、残念なことにギリシャは通貨の切下げができないんですよ。それはなぜかというと…。


話がおもしろくなってきたところなのですが、この理由は「ユーロ問題シリーズ」の第2回目に続きます!
 

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