経済のプロが語る、ちょっと違ったユーロ問題
このところ、なんとなく落ち着いてきた感がある「欧州問題」ですが、冷静に考えると、そもそも欧州問題って何が問題だったの?と思う人も多いのではないでしょうか。実は私もその1人で、正直、よくわからなかった…、恥ずかしい話ですけど。これまで「プロが語る!長期投資に存在するダイナミックな概念」「などでも独自の考えを披露してくれた、セゾン投信の中野さん。
おそらく、彼独自の視点で語っているのでしょうけど、その内容はサイトなどに掲載されているものとはちょっと違う、という印象を受けました。ということで、これは記事にしなければ!とミッションを感じた私は、早速中野さんへの取材を決行!
中野さんの話を元にして、まずは「欧州問題」についての大枠から、もう1度みんなで確認していきましょう!
大丈夫か?ギリシャ!
ガイド:「欧州問題」とか「ユーロ問題」なんて騒がれていますが、そもそも、これって何なんですか?中野さん(以下、中野): 欧州問題、あるいは欧州債務問題と言われている今回の問題の発端は「ギリシャの財政赤字」なんです。「財政赤字」というと、なんだか世界的な大問題になるのでは?と思うかもしれませんが、大丈夫。ギリシャはとても小さな国なので、ここに問題が発生しても、世界の実体経済そのものには、大きな支障とはならないです。ただ、よくあることなんですが、マーケットが異常に反応してしまって暴落が起きたというだけの話なんですよ。
「我国(ウチ)だけじゃないもん」的開き直り
ガイド:ギリシャの財政赤字は相当なものだと聞きますよ。中野:実は、ユーロ圏においては財政赤字はGDP比で3%以内に抑えるというルールがあるんですが、ギリシャの場合12%を超えてしまっています。この時点で、とんでもない話なので、どういう罰則があるんだろうって思いますよね。でも、不思議なことに、これといって罰則はないんです。
ガイド:じゃ、このルールでの縛りはないってことですか?
中野:平たく言えばそういうことになりますね。しかも過去を振り返ると、現在ユーロ圏のエリートであるドイツやフランスもこの3%ルールを破っており…。ということは、今回のギリシャからすれば、「ユーロ圏のリーダーがルールを破るなら、僕だっていいじゃん」という、ある意味開き直りのスタンスだったのでしょう。だから、ギリシャはとんでもないことをしてしまったわけで…。
ガイド:何をしでかしたんですか?
ルールを破ったギリシャがしたこととは?次のページに続きます!