クリスマスプディング:イギリスの伝統的クリスマス・デザート
イギリスの伝統的なクリスマス・デザートの1つにクリスマスプディングがあります。世界の様々な料理が日本でも身近に、手軽に食べられる昨今ではありますが、クリスマスプディングは日本ではあまり定着しておらず、あくまで“イギリス独特の食べ物”という趣が強いと感じるのはガイドだけでしょうか?今回の記事では実際にクリスマスプディングを頂きながらその基礎知識を追っていきます。クリスマスプディングを食べてみる
百聞は一食にしかず(?)ということで、まずはクリスマスプディングを頂いてみます。クリスマスシーズンのこの時期、イギリスのレストラン・パブでは”クリスマス特別メニュー”を提供しているところが少なくなくありません。”季節もの”なので、この時期、イギリスのレストランで食事をする場合は、クリスマスプディングが食べられるか確認してから行かれるといいでしょう。ガイドは、ハイドパークに隣接し、信頼できるレストランの証である“AA Rosette”を受賞しているイギリス料理レストランIsland Grill(アイランドグリル)でクリスマスプディングを頂きました。ドレスコードなどなく、誰でも気軽に行けて本格的な料理が楽しめるお店なので、おすすめです。
プディングにかけてあるのは、Brandy custard(ブランデーカスタード)で、材料は、ミルク、卵、砂糖、コーンスターチ、ブランデーです。
クリスマスプディングの作り方
クリスマスプディングの材料は、料理する人によって多少変化はあるようですが、概ね、ー様々な種類のドライフルーツ
ーフルーツの皮
ー卵とスエット(牛や羊の、腰の腎臓付近の脂)又は小麦粉
ー糖蜜(砂糖)
ーブランデーやラム酒
ーナッツ類
ースパイスとして、シナモン、ナツメグ、クローブ、生姜など
ということです。
形を整えて蒸し、長時間寝かして完成するのがクリスマスプディング。寝かす時間は、数週間から長い場合だと1年(!)ということもあるそうです。
クリスマスプディングの食べ方や味は……?
とにかく甘くて濃厚!というのがガイドを含む多くの人が持つクリスマスプディングの印象のようです。料理を形容するとき、”口の中でスッととろける”という表現がありますが、クリスマスプディングはその真逆で、口の中のモゴモゴ感が高く、食べ応えバッチリ。糖分とアルコールが原因でしょうか、飲み込むと、喉の奥が熱くなるような感覚があります。ガイドはまだ未体験なのですが、“本式”の食べ方は、食べる前にクリスマスプディング自体にブランデーをかけ、火を灯すようです。クリスマスの日に部屋を暗くしてゆらゆら燃える甘いデザートを家族で眺めながら頂く、なんとも風情があります。また、料理の段でプディングの中にコインを忍ばせるというのも伝統的な“本式”のクリスマスプディングのあり方のようです。ただ、レストランでも家庭でも“本式”の食べ方をする人はそう多くはないのかもしれません。
ガイドの個人的な印象ですが、クリスマスプディングはスナック感覚でパクパク頂くものではなく、少量をじっくり味わいながら”クリスマス感”を堪能する食べ物ではないでしょうか。イギリス人とっては「また楽しい季節がやってきた」と気分が盛り上がる象徴の1つがクリスマスプディングなのかな、と想像します。
〈DATA〉
■Island Grill(アイランドグリル)
アクセス:地下鉄Lancaster Gate駅から徒歩1分程度
住所:LANCASTER LONDON, LANCASTER TERRACE, LONDON W2 2TY
予約電話:+44 020 7551 6070
予約メール: dine@lancasterlondon.com
営業時間:月曜—日曜 8am - 11am(朝食) 12am – 4pm(ランチ)4pm-10:30pm(ディナー)
お土産としてのクリスマスプディング
レストラン(やパブ)で食べたり、お家で料理する以外に、イギリスでは普通のスーパーなどでもクリスマスプディングを購入する事が可能です。お土産として食材や味に少しこだわりたい方は、お値段はすこしはりますが、いわゆる高級デパートや高級ホテルで販売しているクリスマスプディングはいかがでしょうか。特に、Ritz(リッツ・ホテル)、Harrods (ハロッズ・デパート)、Fotnum&Mason(フォートナム&メイソン・デパート)で購入できるクリスマスプディングは評判が高く、有名です。■フォートナム&メイソンのクリスマスプディング、King George(キングジョージ)価格は£24.95
■フォートナム&メイソンのクリスマスプディング、 Magnificent(マグニフィセント)価格は£39.95
中世から伝わるイギリスの伝統的クリスマス・デザート、クリスマスプディング。庶民に広がったきっかけは、19世紀にヴィクトリア上(1819-1901)がクリスマスプディングを英国王室のデザートとして採用したのが、きっかけと言われているようです。その存在感と独特の味わいは、イギリスでのクリスマスには欠かせないもの。機会を作って是非味わってみてください。”イギリスのクリスマス”の一端を確実に感じられると思いますよ。
〈DATA〉
■Fortnum & Mason(フォートナム&メイソン)
住所:181 Piccadilly, London, W1A 1ER
電話:+44 (0)20 7734 8040
メール: customer.services@fortnumandmason.co.uk
営業時間:月曜—土曜 9am - 10pm 日曜11.30am - 6pm
※年末年始など休業・時間変更あり
※取材協力:VisitLondon.com
http://www.visitlondon.com/#LsKjM66d3LatkPQk.97