ネット銀行でも、高金利の特別金利キャンペーンは3社のみ
冬のボーナス時期には、各金融機関でキャンペーンを実施しており、金利上乗せのほか、キャラクターグッズがもらえるなど、キャンペーン合戦の様相を呈していました。最近では、ネット銀行が金利上乗せキャンペーンを実施していましたが、それも激減し、今回調査時点(2016年12月14日時点)では、住信SBIネット銀行、ソニー銀行、楽天銀行の3行のみという厳しい状況になりました。
この3行は、金利上乗せキャンペーンの常連銀行なので、すでに口座を保有している人は、チェック済かもしれません。これから新規で口座開設となると、期間が限定されていますので、早めの手続きをしましょう。「2016年・冬のボーナス貯蓄の準備をはじめよう」でも書いたとおり、新規口座開設には時間がかかりますので、こうしたキャンペーンを逃したくない、という人は、事前の準備を怠らないようにしたいものです。
数は少なくなりましたが、それでも、一般的な銀行の定期預金金利が、年0.01%であることを考えると、少しの手間を惜しまずに、有利にお金を預けることは大切です。また、こうした銀行は、定期預金だけではなく、個人顧客のニーズに合わせた商品ラインナップをそろえていますので、他の金融商品や住宅ローン、さらには証券会社との連携など、サービス内容をチェックして、いずれか1つは口座を持っておくといいのではないでしょうか。
ちなみに、他の銀行の定期預金金利(1年もの)は、以下のとおりです。
あおぞら銀行インターネット支店は、預入金額が50万円以上と、ややハードルが高めですが、期間限定ではないので、積立貯蓄などの、ある程度まとまったお金の預け替え先として利用することができるでしょう。また、新生銀行は、都市銀行と同じく年0.01%ですから、定期預金に預けるぐらいなら、同行の2週間満期預金(50万円以上)は年換算0.05%なので、ひとまずこちらで待機させるという方法もあります。
その他のネット銀行も、キャンペーンはしていませんが、常に一般の銀行よりは金利が高いので、自分にとって使い勝手のいい銀行を選んで、預け替えを検討してみてもいいでしょう。
まずは、給与振込口座に、ボーナスを入れっぱなしにしない、これが大事です。
地銀インターネット支店は、変わらずの高金利
ボーナス時期に限らず、常に金利が高く、認知度も高まっているのが、地方銀行のインターネット支店。代表格の銀行のなかでも、愛媛銀行四国八十八カ所支店は、やや金利が高めで、通常のネット定期なら、1万円以上から預け入れができて、年利0.22%。最も金利の高い「100万円限定だんだん定期預金は、年利0.30%ですが、預入金額が100万円限定となるので、1度のボーナスでの預け入れは厳しいかもしれません。ほかの定期預金があれば、合算して預け入れをするなど、工夫が必要になります。地方銀行といえども、インターネット支店は全国どこからでも口座開設できますが、入出金に関しては、提携銀行、提携ATMを利用することになるので、口座開設の際には、身近に使えるATMがあるか(できれば手数料無料で使えるか)をチェックしておきましょう。
地域に根差した「信用金庫」が、実はねらい目
全国どこから利用できても、地方銀行は、縁もゆかりもないし、心理的にハードルがある、ということであれば、地元の信用金庫を見直してもいいかもしれません。基本的な仕組みは、銀行と変わりはありませんが、信用金庫は、地域の経済への貢献や地元で暮らす生活者支援を目的に運営されているので、口座開設にあたっては、その地域に居住、または勤務している人が対象になります。東京地区では、城南信用金庫が代表的ですが、「宝くじ付き定期預金」をはじめて取り扱うなど、ユニークな定期預金を数多くそろえています。自分の地元の信用金庫で取り扱っている預金商品を一度チェックしてみるといいでしょう。子育て支援定期預金なども多くの信用金庫で扱っています。
異色な取り組みとしては、東京地区の芝信用金庫が、全国ネット専用の定期預金「NET定期・きらり」を取り扱っていることです。本来は、前述のとおり、地元でしか口座開設できませんが、この定期預金に関しては、全国どこからでも申し込むことができます。1口50万円以上10万円単位で、年0.21%です。
信用金庫がすぐれているのは、全国どこの信用金庫のATMでも同じ条件で利用できるということ。これは「しんきんゼロネットサービス」という共通のネットワークシステムを利用しているからです。ネット専用のキャッシュカード1枚あれば、どこの信用金庫のATMからでも無料で入出金ができるのです(平日は無料。時間帯、曜日によっては有料の場合もある)。
マイナス金利政策の影響もあり、今後、ボーナス時期の金利上乗せキャンペーンなどの実施は、難しい状況といえるかもしれません。それだけに、従来の貯蓄パターンではなく、地方銀行や地元の信用金庫など、身近な銀行のラインナップをチェックして、有利なお金の預け方を検討する時代になったといえるでしょう。
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