オフィス街にスペシャルティコーヒーと元気を
ピースコーヒーロースターズは西新橋、御成門界隈で働く人々に高品質のコーヒーと笑顔を提供するロースリー&カフェ。朝8時から夜8時までテイクアウトする人、コーヒー豆を買いに来る人、店内でPCを開く人、談笑する人々のそれぞれがフレッシュで気持ちのいい空気に触れて帰っていきます。
コーヒーの美味しさはもちろんのこと、何より魅力的なのは、店長を務める松本バリスタの素晴らしい接客。
「お客さまの顔がふっと浮かんでくる瞬間があって、元気でいるかなと思っていると、その人が来店することがあるんです。あるお客さまにそれをお伝えしたら、『実は私も思い出したんです』と……」
そんな素敵なテレパシー、コーヒーの香りの中ではきっと可能なのです。
90年代から千葉で愛されてきたロースター
ピースコーヒーは1995年、千葉県茂原市でスペシャルティコーヒー専門の小さな焙煎工房としてスタートしました。
地域の人々の支持を集めて、2013年には西新橋にカフェをオープン。焙煎は一貫してオーナーが茂原の珈琲工房で米国製の高性能焙煎機、ローリング・スマートロースターを駆使して行っており、焼き菓子も茂原店のスタッフによる手作りです。
新店舗の運営を一任されたのが、茂原店で店長として活躍していた当時24歳の松本瞬さん。シルバーに輝くマルゾッコでエスプレッソを抽出し、エアロプレスでコーヒーを淹れて提供します。
お客さまに対する姿勢は真摯にして礼儀正しく、しかもオープンマインド。注文時にお客さまに名前を尋ねて、ドリンクを渡す際に名前を呼びます。その根底には「お客さまを番号で呼ぶよりも、目を見て『お待たせしました』とお渡しするほうが素敵じゃないか」という考えがあるのです。
私が三度目にお店の扉を開けてカウンターの前に立った時には「川口さん、こんにちは」と快活に声をかけられました。
エアロプレスを購入したビジネスマンに、丁寧に使い方を説明
一人ひとりに対して「この人が大好きだ!」と思いながら応対していると、自然に顔と名前と小さなエピソードを覚えていくという松本さん。眩しいほどに若々しく直球を放てるキャラクターが忙しい人々の気持ちを和ませて、お客さまの方も「松本くん」「まっちゃん」と気軽に呼びかけています。
その光景を眺めていると、お客さまもこの熱意あるバリスタが大好きなのだ…そんな気配が伝わってくるのです。
バリスタの道は、間違いコーヒーから始まった
小学校をイメージした空間に手作りの椅子が並ぶ
松本さんがバリスタを志したきっかけは2つあります。子ども時代、父親がファミレスなどに入るたびにホットコーヒーを注文する姿をカッコいいと感じていたこと。そして20歳の頃、ロスアンゼルス旅行で毎日スターバックスに通ったこと。
「英語がよくわからなくて、カウンターに出されたドリンクを間違えて受け取ってしまったんですが、スタバの人が『それは君のじゃないよ』と教えてくれて、本来の注文主のビジネスウーマンが『大丈夫よ』と優しく言ってくれたんです。その人がセリーヌ・ディオンに似た素敵な女性で(笑) ああ、コーヒーの仕事っていいなあと思いました」
帰国後すぐにスターバックスで働き始め、地元のピースコーヒーにコーヒーを飲みに行ってオーナーと会話を交わしているうちに、「よかったらうちで働かないか」と誘われて入社。以来7年間に渡ってバリスタとして活躍してきました。
コーヒーの仕事の使命は…
ストロベリーソースを添えたシフォンケーキはマスターの手作り。
喜ぶ時は人の3倍喜べるかわりに、落ち込む時も3倍だという松本さん。そんな彼に、毎日1杯のコーヒーのために通い続けている50代の常連客が本を1冊プレゼント。そこに書かれていた言葉に共鳴し、仕事の意義を再確認したといいます。
「私の仕事は、この街で働く人々に、コーヒーを介して人生がより楽しく充実したものになるお手伝いをすることです」
そうして、訪れるさまざまな人々の人生の一瞬の断片、何気ない言葉の数々を、かけがえのない記憶として心に留めているのです。
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本日のコーヒー(エアロプレス) 290円カフェラテ 340円
カプチーノ 340円
スイーツ各種 300円
shop data
PEACE COFFEE ROASTERS(ピースコーヒーロースターズ) 西新橋店【住所】東京都港区西新橋3-18-2
【TEL】03-6459-0434
【OPEN】8:00~20:00
【CLOSE】土日祝
【最寄り駅】都営三田線「御成門」駅A5出口より徒歩6分/メトロ日比谷線「神谷町」駅3番出口より徒歩8分/JR「新橋」駅・烏森口より徒歩10分