深刻化するいじめ問題、過去最多件数
深刻化するいじめ問題。我が子の様子がいつもと違う、と感じたらSOSかもしれません
最近は直接いじめられていなくとも、加害者に同調しないと、今度は自分がターゲットにされないかと、怯えている子供もいます。
現在大きな社会問題になっているいじめ、どのようにすれば我が子をいじめから守ることができるのか、考えてみましょう。
いじめられている事を親に言えない子供の気持ち
子供はいじめられていても、なかなか親に言えない事があります。その主な気持ちを考えてみましょう。■1 親に心配をかけたくない
優しい子供ほど、親に心配をかける、と思って言えなかったりするものです。
■2 いじめがエスカレートする心配
親が解決にしようと学校側に連絡したものの、先生へ現状がうまく伝わらなかったり、いじめている子供への指導が中途半端で、更にいじめがエスカレートする事を恐れ話せない子供もいます。
■3 親に理解を得られないかもしれないという不安
親から、「あなたにも原因があるんじゃあない?」「それくらい、大した事ではない、もっと強くならないとダメ」などと言われ、理解してもらえないかもしれないと云う不安を抱き、話すことを躊躇している子供もいるでしょう。
いじめが、自殺という最悪の事態を引き起す場合もあります。「自殺する前にどうして相談してくれなかったんだろう」と、大人は思いますが、子供は相談できないからこそ、更に苦しく辛いのです。
いじめのSOSサインに気付く4つのポイント
ですが子供は言葉で言えなくても、必ず何らかのSOSは出しているものです。それに気づくポイントを次にまとめました。■1 表情・雰囲気・様子
いつもより、表情が暗い、また反対に不自然に明るい。声のトーンが低い、反対に高すぎる。ぼんやりしている、感情の起伏が激しくなる。少しのモノ音に敏感に反応するなど、表情、雰囲気、様子からのSOS。
■2 身体
身体にあざがあったり、ケガをよくするようになる。体調不良を訴える。おねしょをする。体重の急な増減など身体からのSOS。
■3 身の回りのモノ
下敷きやノートに落書きをされている、又消した跡がある。鉛筆の本数が減っている、消しゴム等持ち物が無くなっている。家庭のお金が知らない間に減っている。他にゲームソフトや、カードなど、無くなっている。子供の服が異常に汚れていたり、破れている等、身の回りのモノからのSOS。
■4 日常生活のリズム
食事を一人で摂ろうとする、若しくは食べようとしない。朝起きてこない、夜眠れていないようだ。登校時刻がいつもより早かったり、下校時刻が遅かったりする等、日常の生活リズムからのSOS。
このような変化に気づいたら、要注意です。もしかすればいじめに遭っているのかもしれません。そのような時、「いじめに遭っているんじゃあないの?」と矢継ぎ早に質問をしないでください。心配や焦る親の気持ちは当然ですが、子供の心に寄り添いながら、解決への道を進めていきましょう。
「いじめに遭っているのでは?」と感じた時の4つのステップ対応法
日頃から「必ず守る」親の気持ちや「あなたはこの世中でたった一人、かけがえのない存在」であることを伝えておきましょう
「最近、ゲームをする時やお友達と一緒に遊ぶ時、順番を抜かされたりしていない?」とか、学校で嫌なことを言われなかったかなど、穏やかに会話の中に取り入れて尋ねてみましょう。
■ステップ2 耐えてきた事をねぎらう
もし、子供が少しずつでもいじめられている事を話してくれた場合、「今までよく耐えてきたね」と先ずは苦しく辛かった気持ちを受容してあげてください。
■ステップ3 信頼し話してくれたことに喜びの気持ちを伝える
そして「話してくれて嬉しかったわ」「よく話してくれたわね、ありがとう」と、親を信頼して話してくれた事への喜びや感謝の気持ちを伝えましょう。
■ステップ4 「必ず守る」と云う強い決意をみせる
「必ず守ってあげるからね」と強い決意を示し、「一緒に乗り切っていこう」と解決策を相談する形で、次の行動を考えていきましょう。
学校や各種相談機関に話すのは、子供と相談しながら進めましょう。学校を休ませる、転校をさせるなど、環境を変える、というのもひとつの手段です。その辺りも含め、子供の気持ちに耳を傾けながら対応してください。
日頃から「あなたは大切なかけがえのない存在」である事を伝える
このように、我が子をいじめから守るには、親子の信頼関係が大きく影響してきます。普段から子供の優れているところ、劣っているところ、良いところ、弱いところ、全てを認めて受け入れてあげる事が大切です。そして「何があってもお母さん、お父さんはあなたの味方」「あなたはこの世中でたった一人、かけがえのない存在」であることを伝えておきましょう。親子の信頼関係を深める事が、いじめから子供を守る事に繋がる
いじめる側の子供は、強さを誇示し、自分に過剰な自信があるようにも見えますが、実はその反対で、自分より弱い子を排除したり、暴力で攻撃することで、自信のなさを隠したり、満たされない気持ちを埋めようとしているのです。もちろん要因はこれだけでなく、複雑な背景がいくつも絡み合っているのですが、子供をありのまま認め、信頼する親子間関係が広まっていけば、いじめる側の子供の減少にも繋がるでしょう。いじめ問題は、社会全体で取り組み、根本から解決していく必要がありますが、なかなか進まないのが現状です。先ずは我が子をしっかり見守り、いじめの加害者になる子供への対策も含め、皆で少しずつでも前向きに対応していきたいものです。