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年金で税負担を軽減!確定申告で注目したい所得控除(2ページ目)

確定申告は1年間の所得に対する税金を申告・納付する手続きです。自営業者の方やフリーランスの方は、年明けになると準備に忙しくなりますね。確定申告では、様々な控除を受けることができるので、負担した年金の掛金が納税額に影響する場合があります。今回は、確定申告に向けて負担した年金掛金と税金の関係をおもに見ていきましょう。

原 佳奈子

執筆者:原 佳奈子

年金入門ガイド

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主な所得控除を解説

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所得控除を把握することで正しい税額を申告することができます

所得控除とは、所得税の負担の公平化を図るために設けられたもので、納税者やその扶養親族の事情に応じて適用される「人的控除」と、その年の支出や資産の損害などの状況によって適用される「物的控除」に大別されます。14種類の所得控除がありますが、主なものを見ていきましょう。
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◆基礎控除
基礎控除は、納税者全員に適用される控除です。一定の要件などが必要なく、全員一律に38万円を基礎控除として所得から差し引くことができます。

◆配偶者控除
次の要件を満たす配偶者がいる場合に適用される控除で、現在、控除額は38万円です。

(1)納税者と生計を一にしており、民法の規定による配偶者であること
(2)年間の合計所得が38万円以下であること
(3)青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払を受けていないことまたは白色申告者の事業専従者でないこと。

(2)は収入ではなく所得で判断されます。パートなどで働いている配偶者の収入は給与収入となるので、年間の給与収入から給与所得控除を差し引いた給与所得が38万円以下、つまり、年間の給与収入でいうと103万円以内であれば配偶者控除を受けることができます(2016年12月現在)。自営業者やフリーランスであれば事業収入から必要経費を差し引いた事業所得が38万円以下であることが必要です。

扶養控除
12月31日時点で生計を一にし年間合計所得が38万円以下であることなどの要件を満たす扶養親族がいる場合に適用される控除です。例としては、16歳以上である扶養親族がいる場合は、控除額は38万円、19歳以上23歳未満の扶養親族がいる場合は、控除額は63万円となっています。

◆医療費控除
1年間の医療費の自己負担が総所得の5%または10万円のいずれか低い額を超えた場合、超えた額を医療費控除として所得から差し引くことができます。医療費控除を計算する際、納税者本人の医療費だけでなく、生計を一にする配偶者や親族の医療費を合算することができます。

医療費控除は医療機関に支払った医療費だけでなく通院費用や市販薬の購入なども対象になります。また、歯のインプラント治療なども医療費控除は対象となりますが、美容目的で行う場合は対象外となります。

医療費控除は年末調整を行う会社員でも必ず確定申告で手続きする必要があります。対象になるもの、ならないものをよく確認し、確定申告書に医療費の領収証等を添付して手続きします。手続きについては、各地の税務署や専門家などに確認するようにしましょう。

◆生命保険料控除
保険金の受取人が契約者本人や配偶者及び親族である保険契約はほとんどが控除の対象となります。控除額については、保険契約の締結日が平成24年1月1日以降の契約(新契約)は最大で4万円、平成23年12月31日以前の契約(旧契約)は最大で5万円の控除を受けることができます。

◆個人年金保険料控除
次の要件を満たす個人年金保険を契約している場合、生命保険料控除とは別に個人年金保険料控除を受けることができます。

(1)年金の受取人が保険料を負担する本人またはその配偶者となっている
(2)保険料を納付する期間が10年以上かつ定期に支払う契約
(3)年金の受給開始が原則満60歳以上で、かつ受給期間が10年以上の定期又は終身であること

控除額は(1)と同様、保険契約の締結日が平成24年1月1日以降の契約は最大で4万円、平成23年12月31日以前の契約は最大で5万円です。

続いて、社会保険料控除について解説します。
 
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