TOYOTA(トヨタ)/トヨタの車種情報・試乗レビュー

新型マークXは国産車の中でもかなり魅力的な一台!

トヨタがマークXを7年ぶりにアップデートした。ハンドルを握ると感じる質感の向上。ボディを頑丈に作ることで、日本酒の吟醸の如く澄んだ乗り味に近づいた。現代のクルマとしては厳しい燃費だが、国産車の中では最も魅力を感じるクルマのひとつである。その内容を見ていこう。

国沢 光宏

執筆者:国沢 光宏

車ガイド

新型マークXは“吟醸”の如く澄んだ乗り味

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ハンドルを握ってわかった質感の向上。現代のクルマとしては燃費が厳しいが、そこさえ諦めれば魅力満載である!


久し振りにマークXのハンドルを握ったら、フェイスブックじゃないけれど「いいね!」したくなってしまった。やはり後輪駆動車はステキである。しかも最も安いグレードなら自動ブレーキやサイド&カーテンエアバッグ標準装備で265万6800円。高騰を続ける自動車としちゃ頑張ってます。

2009年10月に登場した現行マークXは、もはや7年を超え本来ならフルモデルチェンジしていなければならない。ところが今やマークXクラスの販売台数を見ると風前の灯火状態。かといって生産終了してしまえば、日産にユーザーを持って行かれてしまう。そんなことからマイナーチェンジを行った。

高接合剛性ボディ

ボディを組み立てる際のスポット溶接箇所を増やし、接着構造も採用


変更点はクルマ全体のグレードアップである。ハンドル握って「なるほど」と感じたのが質感の向上。一例を挙げると、ボディを組み立てる際のスポット溶接箇所増やし、一部に接着構造も採用しているそうな。クルマは頑丈に作れば微振動が減り、日本酒の吟醸の如く澄んだ乗り味になっていく。

加えて乗り心地に決定的な影響を与えるダンパーも大幅改良した、とプレスリリースに書いてあった。残念ながらダンパーは「ホンの少しよくなりましたね」程度。ベンツやBMW、はたまたトヨタ車だとCH-Rのような良質のダンパー使うことにより、一段と良いクルマに仕上がると思う。惜しい。

もう一つ。アイドリングストップが付いていないためJC08で10,8km/Lという厳しい燃費に留まっている。この数値、現代のクルマとしていかがなものか。トヨタ車、なぜかアイドリングストップの採用で大幅に出遅れてしまった。当時の環境担当役員の感覚のズレなんだと思う。

セーフティセンスPを搭載。国産車の中でも魅力的な一台に

アイドリングストップさえ諦めれば、魅力満載である! そもそもアッパーミドルクラスの後輪駆動車は世界的に希少な存在になってしまっており、ベンツとBMW、そしてジャガーにしか残っていない。試乗してみたら、やはり上質かつ素直。何よりステアリングフィールが自然です。

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クラウンよりスポーティな感じなのも好ましい


フロントタイヤから前のオーバーハングが前輪駆動車より短いため、キャビンとトランクのバランスも良い。クルマ全体の雰囲気も(業界的には ただずまい などと表現する)、トラッド。クラウンよりスポーティな感じなのも好ましいと思う。この気持ち、若い頃マークIIに憧れた人なら解って頂けるだろう。

嬉しいことに『セーフティセンスP』というレーダー+単眼カメラを組み合わせた新しい世代の自動ブレーキが標準装備となる。実力の程は不明ながら、同じタイプの自動ブレーキを使うクラウンの試験結果(JNCAP)によれば、停止している車両に対し50km/hで停止出来ている。

歩行者を感知しての自動ブレーキ機能も持っており、事故回避性能という点で大いに心強い。前述のようにサイド&カーテンエアバッグも標準装備しているため、貰い事故への対応も万全。マイナーチェンジ前のマークXと比べ、事故対応能力は200%以上向上していると思う。

クラウンになると少し予算をオーバーするという人でも、265万円のマークXなら十分射程範囲に入ってくるのではなかろうか。私から見ても、国産車の中では最も魅力を感じるクルマの一つである。気になる人はぜひディーラーに行って試乗してみたらいかがだろうか。

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