生活を豊かにする知的グッズとして金額的に100円を大きく上回る商品
100円ショップは賢く使うと節約したい家計にとってまさに「強い味方」「最後の砦」といった位置づけでしょう。しかし単に家計の助けになるだけが100円ショップの魅力でしょうか。そこでシリーズでお届けするバリュー的100円ショップ探訪。今回は生活を豊かにする知的グッズとして金額的に100円を大きく上回る商品を紹介します。化学変化が詰まった紫色のパワーストーン
○鉱物標本コレクション「アメジスト」
35mm四方のケースに入ったごく小さなものですが、まごうことなき本物のアメジスト、日本名「紫水晶」です。ブラジルや中央アフリカで多く採掘されますが、こちらは原産国ウルグアイ。二酸化ケイ素が結晶化したもので、ミニチュアサイズでも水晶特有の六角柱状が見て取れます。これだけでも相当アカデミックな代物です。しかも、これが24金だと、100円でたった0.02グラム(髪の毛1、2本分/現在の国内小売価格から試算)とほぼ人をバカにした量しか買えませんが、アメジストだとこんなに買えます。 さらに言えば、アメジストはパワーストーンとして古くから「愛の守護神」と呼ばれているとのこと。
ここからステキな出会いが生まれたら、もはや価値は無限大。ということで、今回は知的=アカデミックを基準に新価格を付けるとすると、こちらのアカデミック価格は550円+α。
武器→農機具→縁起物の変遷に思いをはせる
○ミニ熊手
熊手は基本的に清掃用具(主に枯れ葉を集めたり土をならす)に分類されますが、髪の毛を取るコロコロなどとはその成り立ちは違い、実に知的で高貴です。平家物語に鉄製の武器としてその記述が出てくるのですから、13世紀にはすでに存在していました。その後、馬に引かせ田畑を耕す農機具として全国に広まっていきます。どうです、この何でもない竹製品に800年の歴史が詰まっているのです。
そして、縁起物、商売繁盛としても知られる熊手は、江戸中期にはおかめの面や米俵(ミニチュア)を付けて人気を博しています。実際、酉の市に行けば、この手の大きさ(長さ67cm)だと10万円近いものもあります。自分で飾りを付ければ、かなりお安く縁起物の熊手ができるという点でも、100円以上の価値は十二分。ということで、アカデミック価格=1500円。
日本の歴史を丸ごと暗記
○日本史年号かるた
商品名でほぼその内容がわかるかと思いますが、日本史の出来事として重要なもの48件の内容とそれが起こった年号を「かるた遊び」で覚えようというもの。年号はいわゆる語呂合わせですが、暗記の常套手段として今も健在です。受験を控えた中学生は社会科の復習として、社会科の苦手なお子さんには暗記ツールとして、たった100円で楽しみながら学習できるという優れものです。
塾でこれだけ覚えさせるのにどれだけ通わさなくてはならないかを試算すると、お子さんの頭の出来にもよりますが、1万円程度の価値はあると踏んでいいでしょう。ちなみに「鳴くよ(794年)うぐいす平安京」と「いい国(1192年)作ろう鎌倉幕府」くらいしか頭に残っていないお父さんお母さんも、物忘れ防止にいかがですか。ということで、アカデミック価格=1万円!!
物理の本質が詰まったかわいい逸品
○あひるコースター
かわいい2羽のあひるの子どもが、コースターを軽快に走り降り、正面のレバーを押し続けると階段をトコトコ登る、いわゆる幼児用玩具という位置づけですが、実は知的要素のかたまりとも言える品です。おそらく、この画像を見ただけで、あひる君たちが階段を上がっていく原理がわかる人は少ないはず。絶妙な階段のギザギザの角度と、実はあひるのお尻に秘密があるのです。 摩擦係数やら位置エネルギーが関わるこの仕組みは、もはや大学の物理学科の域。
さらに言えば、この組み立てはそれなりに知恵を要します。いかに割らずに組み立てるか。100円ならではのややチープな作りもまた頭の刺激になるのです。ということで、アカデミック価格=700円。
100円ショップコラム/マネー的ミクロな落とし穴
「ライバルは98円」
100円ショップの最大の魅力は何かと言えば、何でもかんでも100円というその安さ。「こんなものまで100円なんだ!」というお得感が脳を駆け巡り、買い物かごにホイホイ商品を入れてしまうわけです。もちろん、お買い得な品はあります。しかし、こと価格だけに限れば、大きなライバルがいます。それが「98円」です。スポンジ5個100円は安いですが、ホームセンターで同じ商品が「98円」で売られる可能性も否定できません。100円ショップの致命的欠陥は98円の値札を付けられないこと。たかが2円の差であっても、それは永遠に超えられない価格差なのです。
[商品購入先/Seria(セリア)]