バイクの醍醐味!ツーリングを楽しむ!
バイクに乗ることの最大の楽しみは、やっぱりツーリング。クルマと違って自然そのものを体全体で感じ取り、ひとり旅の醍醐味を満喫できます。バイクで行くからこそのダイナミックな絶景と感動が、たどり着いた場所に待ち構えています。
スリルと背中合わせだからこその歓びの大きさ……それがツーリングの楽しさなわけですが、とはいえ最低限の準備をしたうえで、スリリングかつ安全に味わいたいもの。今回はツーリングを楽しむうえで押さえておきたいポイントをまとめてみました。
【装備】 目的によって選び方も変わってくる
1, ヘルメットバイクの必需品であるヘルメットですが、大きく分けたら「フルフェイス」「ジェット」「ハーフ」の3タイプ、オフロードモデルを別とするなら4タイプになります。顔全体を覆うフルフェイスタイプは万が一の事故の際、顔そのものを完全にガードしてくれます。一方、それほどスピードが出るタイプじゃないクラシック系バイクにはジェットヘルメットがよく似合いますし、このタイプでも十分頭を守ってくれます。ハーフヘルメットは顔そのものが大きく見えてカッコいいですが、他のタイプに比べて大きく防御力が落ちますし、ハイウェイを走る際に飛んでいった、なんて逸話も。ある程度の覚悟を持ってお選びください。
2, グローブ
義務ではありませんが、こちらも必需品としたいグローブ。万が一の転倒時、本能的に動いてしまう手が地面についたとき、素手だと大怪我につながってしまいます。バイクを操作するうえでもっとも重要な指先(手)は必ず守らねばならない部位。どんな素材のものであれ、必須アイテムとしてグローブは着用しておきましょう。
素材を大きく分けると、レザー(本革からフェイクまで)と化学繊維(ポリエステルメッシュなど)の2種類に分かれます。使用用途で選び方も異なりますが、オフロード(未舗装路)ではないオンロード(アスファルトなどの舗装路)を前提とした一般的なツーリングならば、主にレザー系グローブを選ばれるのが良いでしょう。理由は、防寒性の高さ、そして万が一の防御力の高さです。一方、メッシュ地のグローブは防御力が劣る反面、操作性の高さという点で秀でています。デザインもガラッと変わるので、ここは自分の乗り方に合ったものを選びましょう。
また、春・夏・秋のオンシーズンでの利用を目的とした3シーズングローブの他に、寒さが厳しい冬用のウインターグローブが存在します。
冬ツーリングにおける最大の敵は、吹き付けてくる冷風です。冷たい風が服の中に侵入してくると、それだけ体が早く冷えてしまい、バイクの操作はもとより体温低下を招いて体に害をおよぼすことに。ウインターグローブに見られるガントレットタイプのグローブと、袖口をしっかり絞れるジャケットを組み合わせるなどの対策が必要です。
3, ジャケット
ライダースジャケットという言葉どおり、バイクと言えばレザージャケットの印象が強いかと思います。レザージャケットのメリットはライディング時の服のばたつきを抑えてくれること。走行風で服がばたつくと、結果的に体の疲れにつながり、ちょっとした距離でも疲労感を感じてしまうことも。日差しが厳しい夏場だと、長袖のジャケットを羽織るのは躊躇われるところです。とはいえ、万が一の転倒時に体を守ってくれるのはやっぱりジャケット。
レザー以外にもさまざまなタイプのジャケットがありますが、大事なのは体にしっかりフィットして、操作性を邪魔しないものであること。販売店で試着して、両腕を前に伸ばした際に袖が足りないことがないか、腕を何度か曲げたりしてもゴワついたりしないか、などチェックしてみてください。なかには、腕の突っ張りをなくすギミックが背中に仕込まれているライダースジャケットなどもあるので、合わせてチェックしてみましょう。
ツーリング先で気候 & 気温が大幅に変化することも。特に気温が低くなると対応が難しくなるのですが、例えばコンパクトに折りたたんで携帯できるアウトドア用ジャケットを一着備えているだけで、こうした状況の変化にも柔軟に対応できます。厳しい環境に対応するためのアウトドア用品はバリエーションも豊富なので、参考までにチェックしてみてください。
>> バイクに合うアウトドアジャケット解説記事を読む
4, パンツ & シューズ
ジャケット同様、パンツもばたつかないものが好ましいでしょう。シンプルなのはデニム(ジーンズ)で、メーカーによってはバイク用ジーンズなんてものを揃えているところも。バイク用品量販店に行けば、バイク用レザーパンツやオーバーパンツなども置いてあります。
そしてシューズ選びも、バイク乗りにとって重要なファクター。バイク操作に欠かせない左足でのシフトチェンジを繰り返していると、シューズそのものが痛んだり汚れたりします。バイク用のライディングシューズには、ステップを引っ掛けるところに専用パッドが設けられているので、シューズをダメージから守ってくれます。こちらもバイク用品量販店でお買い求めいただけます。もちろん、スニーカーやブーツで乗るのもアリですが、メリットとデメリットを理解した上でご使用ください。
5, レインジャケット
常に自然にさらされるバイクツーリング、雨対策も当然必須となります。レインジャケットも種類はさまざまあり、使い捨てられる簡易タイプから長持ちするしっかりした製品のものまで揃っています。たまのロングツーリングなら使い捨ての安価なものでもいいでしょう。ジャケットとパンツが分かれたツーピースのものが主で、中には上下一体型のワンピースタイプもあります。こちらの方が雨の侵入を防ぐ能力に秀でていますが、脱着が大変という難点も。こちらもライフスタイルに合わせて選びましょう。
6, その他 ツーリングで役立つ便利グッズ
▼通信用インカム
近年はバイクツーリングをより快適にするアイテムが次々とリリースされています。代表的なのが、走行中でも仲間との会話を可能にする通信機器インカム。高いグレードのものだと数百メートル離れて走っても通話可能で、さらに複数人とリンクさせられるものも。「はぐれちゃった、次のコンビニで待ってるよ」「トイレ行きたい」「ガソリンを入れたい」などといったコミュニケーションを可能にしてくれます。
▼電熱ウェア(ヒートウェア、電熱ジャケット)
猛烈な寒さでライダーを苦しめる冬ツーリングを快適なものへと激変させたのが、この電熱ウェア。バイクのバッテリー、または携帯用電池のいずれかから電気を取り、体全体を暖めてくれるこの画期的ウェアは、今や万年ライダーの必需品。実際に使用してみると、驚くほどの暖かさに感動すら覚えます。ワンセットで購入するとなかなかの価格になりますが、何年でも使える代物なので、冬も元気に走りたいというライダーにはオススメです。
【積載】 人間が背負うか、バイクに積むか
1, 人間が背負う場合着替えなどを必要としない日帰りツーリングなら、バッグひとつで事足ります。バイクツーリングで用いられるのは「リュック」「ショルダーバッグ(メッセンジャーバッグ含む)」「ポーチバッグ」など。リュックとショルダーバッグは肩に荷重がかかるため、走行距離が長くなればなるほどライダーへの負担も大きく、操作性に少なからず影響を及ぼします。一方、腰や足にフックさせるポーチ型バッグは肩や腕の動きを邪魔しないのでライディング向きと言えるでしょう。特に大きなお土産を買って帰ることがないのなら、ポーチ型の方がオススメですね。
2, バイクに積む場合
ライダーへの負担をなくすなら、荷物はバイクに積んじゃいましょう。最初からケースやバッグが備わっているツーリングバイクなら何の問題もありませんが、運搬を目的としていないバイクの積載量を上げるためには、バッグやケースを追加するという方法があります。
種類としては、バイクの後ろ側に装着する「サドルバッグ」(サイドバッグ、サドルケース)、「トップケース」(リアケース)、そしてフューエルタンク上に取り付ける「タンクバッグ」があります。タンクバッグには、ツーリングマップル収納を考えたタイプのものなどもあるので、量販店でいろんな種類のバッグを見てみてください。
こうした用品を要するからには、雨天に見舞われるシチュエーションに遭遇するのは間違いありませんので、防水性の高いものを選ぶことをオススメします。
バイクの積載を高める付属品としては、このキャリアを活用しましょう。トップケースやキャンプ用品はもちろん、ちょっとした小物でもリアフェンダーを傷つけることなく簡単に載せられます。各種メーカーが最新モデルが出るたびにキャリアを開発してくれるので、キャリアが搭載できないバイクはまずありません。自分の愛車に合うキャリアをひとつ備えておくと便利ですよ。
【ETC】 もはや現代ツーリングの必需品
もはや現代ツーリングの必需品となったETC車載機。新車で購入する際にはショップのスタッフも勧めてきます、これは備わっていた方が便利ですね。中古車のなかには、前オーナーが取り付けたETC車載機がそのままになっているバイクもあるので、求めていた車両に付いていたらラッキー。
バイクのETC車載機となると機器が晒されている状態なので、「防水対策」と「ETCカードの抜き忘れ」には注意しましょう。
【ロードサービス】加入せずに旅に出るなかれ!
不慮の事故、まさかのエンジントラブル、なんでだタイヤのパンク……。遭遇したくなくても遭遇してしまうことがある旅先でのトラブル。私も経験あります、北海道ツーリングの際に愛車のイグニッションコイルがイカれ、不動状態となったバイクは哀れレッカー移動、宗谷岬の数キロ手前で札幌に戻されました……。
動かなくなったバイクを助けてくれるのがロードサービス。種類は以下のとおりです。
▼各種メーカーごとのロードサービス
・国産4メーカー(ホンダ、ヤマハ、カワサキ、スズキ)
・海外メーカー(ハーレー、BMW、ドゥカティ、トライアンフ、他)
▼専門のロードサービスを持つ企業
・JAF
・クレジットカード付帯型のロードサービス
・レッドバロン、バイク王など買取専門店のロードサービス
・にりんかんなどバイク用品量販点のロードサービス
それぞれサービス内容が充実しているものばかりですが、やはりポイントとしては「金額と運搬距離」でしょう。運搬してくれる距離は「●キロまで」から「無制限」まであり、それによって支払い金額が変わってきます。北海道や九州などはるか遠くまでロングツーリングに出かける方は、無制限に入っておくことをオススメします。
また、輸入メーカーのバイクに乗る方はそのメーカー専用のロードサービスか無制限設定にしておきましょう。というのも、社外サービスのなかには輸入車を敬遠する内容になっているものがあるからです。専用ロードサービスで無制限となっていれば、価格もそれ相応になりますが、安心感が桁違いですね。
【携帯充電器】携帯電話はライフライン!
日常生活同様、携帯電話はツーリング時でもライフラインです。思わぬ事態に携帯電話を使おうとしたら充電切れ……なんてことがないとは限りません。水没や破損といった事態はともかく、電池がないだけなら充電すればいいだけですが、時と場合によっては簡単に電源が見つからないことも。そんなときの備えとして、携帯用充電器をひとつ忍ばせておけば心強いです。まさに"備えあれば憂いなし"ですね。
快適なツーリングを楽しむための豆知識
1, ライディングポジションの調整楽しいツーリングライフも、やっぱりバイクに乗り続けると疲れてくるもの。そこで知っておきたいのが、「体が疲れにくいバイクの乗り方」です。
バイク乗車時にライダーを支えるのが、ハンドル、シート、ステップの3点になります。例えばハンドルが前方すぎたり、ステップ位置がしっくり来ていなかったり、シートの座りが悪かったりすると、自ずと乗車姿勢が悪くなってそれぞれに不必要な負荷がかかり、それが疲労となって体を蝕みます。
▼ハンドル
肘が少し曲がるぐらいのハンドル位置が好ましいですね。「ハンドル位置、遠いな」という際は、手前に持ってこれるタイプのハンドルまたはライザーに交換するなどした方がいいでしょう。
▼シート
柔らかいシートがいいと思われがちですが、それだと体重を支えることなく沈み込んでしまうため、結果的にステップを踏ん張る足に負荷がかかってしまいます。また幅広のシートだと足が外開きになり、足着きが悪くなってこれまた悪影響を生み出します。ほどよい反発力を持った素材で、両足が真下に降りる股間部分が細身のシートがベストですね。
▼ステップ
ライディングフォームに対してしっかり踏ん張れる場所にあることがベスト。前屈姿勢になるスーパースポーツならやや後ろ気味にあるバックステップが、背筋がピンと伸びる姿勢のネイキッド系ならまっすぐ伸ばした足よりも5~10センチほど前にあるのがベスト。アメリカンバイクに見られるフォワードコントロールは不良っぽくてカッコいいですが、ステップとしての役割を半分以上放棄しているので、メリットとデメリットを理解して使い分けてください。
2, その他便利グッズ多数
長距離ツーリング時のお尻の痛さをやわらげるゲル入りシートサポートや冬場の寒風から手を守ってくれるハンドルカバー、車種ごとに設計されたウインドスクリーンなどなど、ツーリングを快適にしてくれるグッズは多数存在します。ネット上にもさまざまな情報が載っていますが、まずはお近くのバイク用品量販店に出向いて、いろんなグッズに目をやり、手にとって確かめてみてください。準備期間もまたツーリングの楽しみですから。
バイクがあれば、誰に断る必要もなく、自分が行きたいところに走っていけちゃいます。安心して旅が楽しめれば、その面白さはさらに倍増するのです。この記事を参考にして、まだ見ぬ世界への想いを膨らませ、そして旅立ってみてくださいね。
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