年をとったからEDになるとは限らない
EDと年齢との間に厳密な関係はない。若者には負けない“現役”も珍しくない
いずれも、一種の老化現象の兆候です。年を重ねるにしたがってEDの患者数が増えるのもそのためです。高齢になるほどEDが多くなるのは加齢に伴って危険因子が増えるからです。
危険因子の代表的なものは糖尿病や高血圧、脂質異常症などの生活習慣病です。これらによって起きるペニス周りの血管の動脈硬化がEDの主な原因になります。男性更年期が関係する場合もあります。
しかし、年をとったからといって、必ずEDになるわけではありません。EDになるかどうかには個人差があります。簡単にいえば、生活習慣病にかからず、男性更年期にも襲われなければEDになる確率はぐっと低くなります。
EDは容赦なく無慈悲に20代を襲う
問題は生活習慣病にかかっておらず、ましてや更年期でもない20代男性にもEDの症状を訴える人が少なからずいるという事実です。このことは、若さとEDとの間には、なんの関係もないことを物語っています。冒頭のデータは当院を受診した患者さんの割合ですから、1人で悩んで来院されない人や特別に気にしていない人を含めれば、20代のED患者さんの数はもっと多いはずです。
EDは、一旦は勃起するものの途中で萎えてしまう中折れから始まります。中折れに見舞われると、叩いてもつねっても元の状態に戻すのは至難です。なんとか奮い立たせようと焦れば焦るほど“親不孝な息子”は深い眠りに陥ります。
男同士の酒の席なら、他人事のように笑ってごまかすことができますが、セックスパートナーの前では逃げも隠れもできません。若いのに立たない状態が続くのは恥ずかしく、苦痛でもあります。
かつては自分で納得するために使っていた「疲れているから」という言い訳もパートナーの前ではたびたび使えません。「どうした、オレ?」と嘆いてみても、EDは容赦なく無慈悲に20代を襲います。
20代の若い世代のEDは心因性がほとんど
若い世代に多い心因性EDの場合、家庭や職場のストレスが引き金になることも
これに対して、肉体的に健康な20代の若い世代では、精神的な原因で起こる「心因性ED」がほとんどです。性に関する知識や経験の不足がセックスに対する緊張や不安を招く「性的未熟」はその一例。新婚EDになる男性の30%は結婚前に性体験がないというデータもあります。
失敗を深刻に受け止め、些細なことでつまづく神経症的な人もEDになりやすい傾向があります。初めてのセックスがうまくいかなかったり、パートナーの心無い言動が傷になったりして、必要以上に緊張や不安を強めてしまうことで起こります。
このような個人の性格とは関係なく、家庭や職場のストレスも原因になります。夫婦関係のつまづきや近親者の病気、上司や部下との人間関係の重圧やリストラなどが響く場合もあります。
心因性EDは朝勃ちもあり、マスターベーションでは勃起に問題ないが、相手がいるとダメというパターンが特徴的で、ED治療薬が効きやすく、薬を何度か使っているうちに自信が回復して治ってしまうケースが多くあります。
ED治療薬の使用に年齢制限はない
多くの病気はその原因を取り除くことで症状が和らいだり治ったりします。EDも同じ。生活習慣病を改善する、ストレスの元になる環境を改める、気持ちの置き所を変えるといった対処法は有効でしょう。しかし、それでも思い通りにならないときはED治療薬の力を借りるとよいでしょう。冒頭のデータで明らかなように、ED治療薬の使用に年齢制限はありません。
ジェネリック商品などのED治療薬はペニスを無理やり勃起させるのではなく、自然な勃起やその持続を手助けするための薬です。もちろん、一生飲み続けなければならないものではなく、コンディションに応じて、使わなくてもよい状態に戻ることもあります。ED治療薬は上手に付き合えばとても頼りになる薬といえるでしょう。
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