建築家・設計事務所/建築家住宅の実例

既成概念にとらわれない自由な発想の家[360°](2ページ目)

川崎市郊外の小高い丘の途中に建つ建築家の納谷新さんの自邸は、家全体が芝生の屋根。内部と外部の境目のない自由な発想の空間設計と、アウトドアなどの趣味を心から楽しむ工夫に溢れています。

執筆者:川畑 博哉

地上から90cm下がったLDK


写真をクリックすると次の写真に進みます
玄関
玄関の壁にはインターホンと並んで、友人で建築家の寺田尚樹さんがデザインしたモルタルの表札が埋め込まれている。玄関扉は耐水性の高いヒバ材を使用。
玄関
玄関扉は室内側が全面鏡張り。姿見としての機能に加えて室内を広く見せる効果も生んでいる。玄関扉の横の壁の下部はパンチングされた通気性の良いフレキシブルボードの扉の下足入れ。
居間
L字型の棚の一番上が地上面になっている。カーテンはファブリックデザイナーの安東陽子さんによる市松模様の布が二重になったパッチワーク。
居間
南側から見たLDK。北側は寝室と和室、東側はキッチン。中心に置かれているのは、車の整備工場などで工具入れとして使われているステンレス製ツールボックス。以前から食器棚として愛用している。
台所
キッチンのガスレンジは2口を2つ並べて設置。カウンタートップはコンクリートの上にステンレス。上部の収納の扉はフレキシブルボード。


西側がガラス張りになった幅1mのコンパクトな玄関から、階段を5段下がるとLDKの広間が待っています。地上から90cm掘り下げたことで、地熱効果により夏は涼しく冬は暖かくなり、結果として冷暖房費の削減になっています。さらに南面と東面の大きな開口を全てペアガラスにし、さらにその効果を上げています。冬は床暖房と薪ストーブだけで家全体を温めることができます。
ソファに座るとプライバシーが守られた籠り感を味わえ、立つと窓の先を遠くまで見通せる開放感があります。天井高は3.1m。床は3種類の幅のオーク材をランダムに張ったフローリングで、西側に空いた約3m角の吹抜けに2階の窓から外光が降り注ぎます。
南側の窓の先はアメリカンレッドシダーのデッキテラスで、天井をあえて2.1mと低くしています。軒は2.55mも張り出しているので、デッキの上に座ると居心地の良い外の部屋という感じです。


  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 5
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます