メールは弔意の気持ちをすぐに伝えられる
最近は葬儀の日時や場所の連絡、「ご愁傷様です」といったお悔やみの言葉をメールで伝えることも珍しくありません
お悔みの言葉とは、訃報の知らせを受けたときに弔意の気持ちを述べる言葉のこと。以前はたとえ親しい間柄であれ、電話などですぐに「このたびはご愁傷様でございます」などお悔やみの言葉を送るのがマナーとされ、略式であるメールで伝えるのは失礼な行為であるといわれていました。しかし最近ではプライベートでもビジネスシーンでも日常生活で主要な連絡ツールとなりましたから、訃報時の連絡やそれに対する返信をメールで、またSNSを利用して行うケースも増えています。
突然訃報の連絡を受けた側は、いつのタイミングで連絡を入れたら失礼にならないか大変気を遣うものです。その点、メールはすぐにお悔やみの言葉を伝えることができ、「取り急ぎ、お悔みの言葉だけでも先に伝えたかった」という弔意の気持ちが届けられます。
ただし相手によっては、また使い方によっては関係性が崩れてしまいます。多くの人は「メールは使い慣れているから大丈夫」と油断していることでしょう。自覚のないまま失礼な文章を送ってしまうケースも珍しくありません。お悔みメールで特にチェックしておきたい5つのポイントを抑えておきましょう。
お悔やみメール5つのポイント
「お悔み申し上げます(鈴木花子より)」「鈴木花子/お悔み申し上げす」というように、差出人とメールの内容ができるだけ件名だけで判断できると良いでしょう。通常メールとは違いますから、「大丈夫?」「大変でしたね」と一言で済ませるのはマナー違反ととられます。
「お世話になっております」等の前置きは不要です。「この度は、〇〇さんの訃報を伺い、大変驚いております」「心身ともに大変だと思いますが、くれぐれもご無理をなさらないように」といった一般的なフレーズでも良いですが、親しい間柄であれば自分らしい言葉で弔意を示しても良いでしょう。
「略儀ながらメールで失礼いたします」「返信は不要です」と相手を気遣うフレーズを入れて閉めます。
大抵の場合、普段からメールでやりとりする間柄なら、さほど問題にはなりません。一般的には上司や遠縁の親戚などは直接電話をしたほうが良いといわれていますが、現実には遠縁だからこそメールのほうが伝えやすいという人も多くいます。関係の深さという点だけで判断するのは難しく、個々の事情によって見極めていくしかないようです。
本来ならば直接言うべきところを「取り急ぎ」メールで済ませているわけですから、改めて電話等できちんとフォローすることを忘れずに。通夜、葬儀・告別式に参列するならばその時にご挨拶します。参列できない場合は、弔電を送っても良いでしょう。
葬儀の日時や場所などを連絡する際、メールなら情報を正確に伝えることができるという遺族側のメリットもあります。形に残るコミュニケーションツールだからこそ、相手に寄り添う気持ちを大切にして送りたいものです。