今さら聞けない電力自由化7つの疑問」では、電力自由化に対するそもそもの疑問を紹介しましたが、ここでは実際乗り換えようとしたときに直面するかもしれないトラブルを7つ紹介していきましょう。

1.スマートメーターの設置でお金を要求された!

スマートメーターへの取り替えは既に順次始まっており、2020年度までには全契約者への設置が完了する予定

スマートメーターへの取り替えは既に順次始まっており、2020年度までには全契約者への設置が完了する予定

電力会社を乗り換えるにあたり、必要となるのがスマートメーターと呼ばれる新型の電力量計(電気メーター)。従来型の電力量計は電力会社の検針員が各家庭を訪問し、検針して電力使用量を測っていたのに対し、スマートメーターは通信機能を有するため遠隔検針ができ、現地へ行くことなく自動検針が可能となっています。

このスマートメーターは地元の電力会社(一般送配電事業者)、たとえば東京電力エリアであれば、東京電力パワーグリッドが維持・管理しています。なお、従来型の電力量計からスマートメーターへの取り替えは既に順次始まっており、2020年度までには全契約者への設置が完了する予定。契約者が費用を負担する必要はなく、無償で交換されます。

電力会社を乗り換える際も、新たな契約先となる電力会社がスマートメーターを設置するわけではありません。この場合も同じく一般送配電事業者が設置を行い、契約者の費用負担は発生しません。

(大切なことなのでもう一度書きますが)どのような家庭であっても、スマートメーターの設置によりお金を請求されることはありません。電力会社の乗り換えを口実にスマートメーター設置費用を要求されるようなことがあれば、その場で金銭を支払ったりせず、きちんと断ってください。

2.乗り換え前より電気料金が高くなった!

乗り換えによって電気料金が安くなることをPRしている電力会社もあります。広告などで「○○円安くなった!」といった勢いのあるPRを目にすることは多いですよね。

しかし、実際に乗り換える前に今一度よく検討してください。電気料金の例として提示されているものは「あくまでも一例」で、実際生活で使う電力量や時間帯、季節による増減などは家族構成や生活パターンによって異なります。各電力会社の具体的な料金プランにあてはめて、利用実態を加味した試算をすると、乗り換え前に比べて電気料金が高くなってしまうケースもありうるのです。乗り換えによって、必ずしも電気料金が下がるわけではないのですね。

たとえば、常に誰かが在宅していて、ペットを室内で飼っているような戸建ての2世帯住宅であれば電気を多く消費するため大幅に安くなる可能性がありますが、使用量が少ない1人暮らしのケースでは、現在契約中の料金プランのほうが割安なこともあります。

乗り換えで損をしないためには、各電力会社のHPに用意されている料金試算機能を活用してください。過去の検針票を手元に用意し、使用量や契約アンペア数といった数値を入力すると、乗り換え後の具体的な電気料金が試算できます。電力量と電気料金は季節によって変動するため、できれば過去1年分のデータを用意すると、より正確に試算できますよ。

3.解約金が必要になってしまった!

「乗り換えで商品券プレゼント!」といったお得なキャンペーン情報を目にすれば、自然と乗り換えの気持ちが高まってしまうかもしれません。しかし、飛びつくのはちょっと待ってください。電力会社の乗り換えは原則自由ですが、既に地元の電力会社から他の電力会社に一度乗り換え済みという場合は、契約内容を確認しておきましょう。

一部の料金プランでは、2年間など長期契約が前提となっているケースがあります。こういった料金プランは契約満了時前後の指定期間であれば無料で解約できますが、それ以外の時期に解約すると、電力会社指定の解約金が発生することも。契約の枠組みとして、携帯電話の長期契約プランとほぼ同じと考えていいでしょう。

この手のトラブルを防ぐには、契約前に長期契約が前提となっていないかどうか、また解約金の有無を含めて確認しておくと安心できるでしょう。

4.必要がない他のサービスも乗り換えるはめになってしまった!

どんなに安い価格が表示されていても、電気契約だけではなく他のサービスと合わせて使うことで割引が適用される、いわゆる「セット割引適用後の価格」もあるので要注意。

たとえば「電気とガス」「電気と携帯電話」「電気とインターネット」などを組み合わせることで電気料金から一定額が割り引かれるパターンがその代表的なもの。「電力+ガス+インターネット」など、組み合わせサービスが増えればさらに割り引かれるプランが用意されている電力会社もあります。

既に自分自身が利用している携帯電話会社やインターネット会社であれば、電力会社を乗り換えるだけで月々の料金が節約できるということになり、たしかに魅力的ですね。しかし、違う携帯電話会社やインターネット会社に乗り換えるとなると、やはり面倒なもの。基本、携帯電話契約やインターネット契約は長期契約のケースが多いため、深く考えずに乗り換えてしまうと、電気料金では得してもインターネット契約の解約金で損してしまった……ということにもなりかねません。

次のページでは残り3つのトラブルを紹介していきます。