外国人旅行者が日本に来たらやりたいこと、ベスト5

ここ数年、日を追うごとに来訪者数が増えている訪日外国人旅行者(インバウンド)。あなたも街で外国人旅行者を見かけることが増えたのでは。2016年度中には、ついに2000万人を超えると予想されています。2016年1月~6月末までの半期計で1171万3800人(※)と出ているので、このままいけば確実に超えてくるでしょう。ここでは日本に旅行にきた外国人がやりたいことベスト5を紹介します。
※2016年 訪日外客数(総数) 日本政府観光局(JNTO)調べ

「外国人=全員同じ」ではない

今回の記事で、私がいちばんお伝えしたいことがありますので先に言います。それは、「外国人=全員同じ」ではない、ということ。すでにご存じの方もいると思いますが、根本にこの認識を持っていただくだけで、実際に接客するときの対応は変わってくるでしょう。“国によって違うんだ”という前提で、国ごとの人・文化・価値観などに関心を寄せるだけでも、全然違うと思います。

ところで、2000万人という人数がどのくらいの規模かすぐにイメージできますか?日本の総人口が1億2000万人ですよね。1年ですごい人数が世界中から日本に来てくれていることがわかります。Amazing!

インバウンドが街歩きを楽しむ様子はもう当たり前

インバウンドが街歩きを楽しむ様子はもう当たり前



おもてなしの国JAPAN、だから店舗経営者は外国人を意識しては

2000万人というこの次元になってくるともはや、お店を経営している人はインバウンド対応する・しないを迷っている余地はなく、外国人旅行者に対応して当然なのかもしれません。ショップや飲食店、中小企業、自治体においては、いち早くきちんと対応することで、競合他社と差別化するための好材料にも。

おもてなしの国JAPANですし、ここは、今のうちからWelcomeな姿勢を意識して、2020年の東京五輪Yearには世界中から集まるGuestを笑顔でおもてなし、しましょう。

日本に来た外国人が“日本に来たらやりたいこと”ベスト5!

そんな外国人旅行者が、日本に来る際、最も楽しみにしていることが何かご存じでしょうか?
ベスト5(※)をご紹介します。
※2016年1-3月期 訪日外国人の消費動向P25 “訪日前に期待していたこと(全国籍対象・複数回答)” 観光庁調べ http://www.mlit.go.jp/common/001128501.pdf 

第5位は温泉入浴(35.5%)

まず、第5位は「温泉入浴(35.5%)」。

全国各地に無数の温泉地が点在し、人が入浴できる温泉湧出量・世界一として有名な別府温泉を有しているだけあって、温泉大国として海外にも認知されているようですね。
外国人だって十人十色なのです

外国人だって十人十色なのです


そのうえで、2014年の調査をもとに今年の初め公開された、日経新聞社によるデータ「外国人観光客、どこへ行く? 何を買う?」が参考になります。

このデータの後半にある“日本観光、何に期待?”というパートを見ていただくと(もっと見るボタンと横スクロールで閲覧可)、温泉入浴に期待しているのは“外国人全員”ではなく、アジア圏とオーストラリア。欧米の関心はそうでもないことがわかります。では、欧米の関心が高いのが何かと言うと、日本の歴史や文化、Artといった“Japanese Culture”。

ちなみに、温泉に関して欧米人が知りたい情報は、入浴時のTattooの扱いに関すること。これは彼らにとって非常に役立つ情報になると思います。

私が編集長をしていて、いま英語・中国語(簡)・中国語(繁)・韓国語・タイ語の全5言語で展開している「All About Japan」でも、温泉に関する記事をいろいろ掲載していますが、反応がよいのは中国系の2言語です。

第4位&第3位!

続いて、第4位と第3位をいっぺんに。4位は「繁華街の街歩き(37.3%)」、3位は「自然・景勝地観光(43.5%)」。このあたりは、異国を訪ねる際に多くの人が抱く定番ですね。CityとCountryside、それぞれに魅力があるし、そこに根付く文化に直接触れてみたいというPassionね!

私がカナダから日本に移住した間もないころ、同じような気持ちを抱いてたことを思い出します。

ここでも、先ほどご紹介したデータから読み解いてみると、温泉と同じように基本的にはアジア圏・オセアニアといった近隣国が上位を占めています。そして、とくに顕著なのがロシア。日本の繁華街にはすごく関心があるけど、自然には繁華街に比べればそれほど興味がないという結果。日本に何を期待しているのか、国によって本当に全然違いますよね。

ロシアの旅行者は日本での街歩きを楽しみに

ロシアの旅行者は日本での街歩きを楽しみに


インバウンドの誘客を目的に、日本の各地で、自治体や民間団体がいろいろな工夫をしているニュースもたくさん聞くようになったし、All About Japanでも、そういった面白い取り組みは、日本の魅力としてどんどん発信していきたいと考えています。
私宛にお問合せフォームからご連絡いただき、みなさんとの情報Networkをどんどん拡げていけたらうれしいです。

第2位はショッピング(53%)

さて、残りは2位と1位ですね。おおかた予想がつきますでしょうか?
第2位は、「ショッピング(53%)」です。海外旅行者の半数以上が日本でのShoppingを楽しみにして来てくれているのは日本経済へのImpactとして大きいですね。

日本でのショッピング体験は、おもにアジア圏の方に楽しんでいただきましょう

日本でのショッピング体験は、おもにアジア圏の方に楽しんでいただきましょう


では、どの国が期待しているかというと、ここでもまた近隣国が上位。ほぼアジアが独占しています。遠方ではカナダが46%と健闘。これは私の個人的な分析になりますが、カナダには中国系の人が多く、さらにその人に影響を受けた人も多いからなのではないか、と考えています。

欧米のShoppingに対する期待度は、Japanese Cultureや自然・景勝地観光よりも低いですね。高い航空チケット代を払って、長距離フライトを経て日本にやって来るわけですから、帰りの便でたくさんの荷物を持って帰るのはいろんな意味で大変。長い飛行機を我慢してでも日本に来たい理由は、日本のUniqueな部分を見てみたい、体験してみたいといった思いが勝るのでしょうね。

巷では“爆買い”が落ち着いたとされてはいますが、インバウンドの人数は2020年の東京五輪に向けて年々増えることが予想されているので、訪日旅行者の上位各国を意識した対応・マーケティングが大切です。

いよいよ、第1位!日本食を食べること(70%)

そして……第1位は「日本食を食べること(70%)」。

2013年末に「和食;日本人の伝統的な食文化」として、UNESCO無形文化遺産に登録されたことも後押ししてか、2位に17pt差をつけての圧倒的な人気ぶり。
国によって好みは多少異なるものの、寿司・ラーメン・肉料理・魚料理の人気がとくに高かったようですね。なかでも、ラーメンは世界的に人気で、タイではこってり系の豚骨がウケています。フランスにおいては、ラーメンをコース料理のように食べているようですね。

飲食関係者にとっては、うれしくもあり、インバウンドへの対応が迫られるプレッシャーも、といったところでしょうか。

“Ramen”人気は高く、AllAboutJapanでも特集を実施

“Ramen”人気は高く、AllAboutJapanでも特集を実施


日本食に対する期待面で言うと、アジアでも欧米でも総じて人気。つまり、「国によって、大きな違いはない」ということです。日本食はGlobalに通用する、というひとつの証明ですね。欧米のなかでもひと際目立つのがフランス。Global Standardのフレンチを有する国だけあって、食への期待は高いようです。

一方で、日本食は食べてみたいけれど、“日本食しかなかったらどうしよう”という不安も同時に払拭してあげると、もっといいですね。「Sushiと若芽以外の食べ物もちゃんとあるよね?」と心配されないように、日本には、おいしいフレンチも、イタリアンも、肉料理も、世界中のおいしいものが集まっている、という安心材料を提供してあげることもPointだと思います。

東京などの都市部には、世界中のおいしいものがあるというのも日本の魅力

東京などの都市部には、世界中のおいしいものがあるというのも日本の魅力


最後に、飲食業に関わる人にとって、インバウンド対応で最低限心得ておきたい基本は、このふたつだと私は考えています。

・接客
(宗教観やアレルギーなどNG食材のヒアリング。ただし宗教をストレートに聞き出すのは失礼にあたるので配慮が必要)
・サービス
(とくに欧米では注文時に個別のオーダーが当たり前。なるべく個別対応してあげること)

このほか、All About Japan(AAJにリンク)で紹介しているFood関連の記事のなかで、“猿が接客する居酒屋”などが人気を集めており、付加価値での差別化も重要ですよね。
All About Japan“3 Ridiculously Cute Animal Destinations”:http://allabout-japan.com/en/article/1034/
大人気となった、猿が接客する居酒屋を紹介する記事

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次回は、「インバウンド対応するなら、まず食文化・食習慣を知る!」という記事をお送りします。See you!