安全資産への逃避が一旦7月4日でピークを打った模様
アベノミクス相場開始以来でも、最も強い相場へ。次の心理の変わり目には注意しながら強気に攻めていくべきところと思います
外的な要因としても株価は上がりやすい状況にあります。米国10年債利回りは7月4日に史上最低となる1.318%をつけたところから、15日には1.554%と、23.6ベーシスポイントも跳ね上がり、その後も上昇しています。これが示唆するのは、世界的にも安全資産への逃避が一旦7月4日でピークを打ったということです。
アベノミクス相場開始以来でも、最も強い相場
現在の相場の雰囲気は、アベノミクス相場開始以来でも、最も強いものかもしれません。選挙後、7月11日~15日の週間の日経平均は安倍政権後、最大となる+1391円高を記録し、終値は1万6,497円でした。5連勝のうち4日は売買代金を増やしてのものであり、これほど集中して買いの勢いが強くなった週はないほどです。また15日に、日経平均への寄与度最大のファーストリテイリング<9983>がストップ高したのも機運を盛り上げました。7月15日(金)の東証一部売買代金は3兆円を超えました。このうち4,760億円が任天堂<7974>(個別銘柄として2013年の東電、2005年のソフトバンク、2007年の新日鐵を超える過去最高)、1,050億円がLINE<3938>で占めるという特殊な相場ですが、特にポケモンGOで沸き上がる任天堂の盛り上がり方は特筆すべき事態と思います。
というのも、強い相場には中心銘柄が欠かせないからです。アベノミクス前半にはガンホー<3765>という中心銘柄がありました。一方、LINEの上場は、初値こそ高かったものの、その後の動きは期待外れでした。フェイスブックの上場時(一旦半値以下となり、その後大きく上昇しました)を想い出させるような失望感で、任天堂の値動きや出来高、盛り上がり方とは段違いの温度差があります。もちろん、7月末の金融政策決定会合がどうなるかなど、相場全体がどうなるかにもよりますが、もしもこの強気相場が数ヶ月続いていくようなら、任天堂は日経平均が上昇する中でさらに大きく上昇していく可能性があると思います。
ただ、注意したいのは、強い上昇相場が始まったとは言え、2003年3月や2009年2月時点のように、世界の時価総額が同GDP比で45~50%も下がったところからの反騰開始、という初動局面ではありません。というのも、世界の時価総額規模はGDPと比較して、ほぼピークに達しているのです。恐らく今の強気相場は短くて8月初め頃(日銀金融政策決定会合の結果が思わしくない場合)、長くても10月で天井を打つと思います。現時点は総楽観であり、強気に攻めて行くべき相場局面ですが、次に来る心理の変わり目に用心しながら、という姿勢が良いと思います。
参考:日本株通信
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