子育て/子育て・ママ育て

お母さんは「大きくなったら」何になりたいですか?

目に入れても痛くない。それくらいわが子をかわいいと思う反面、子どもを産んで母になった途端、自分を後回しにして、あれもこれもあきらめなくちゃならないと思っていませんか?

福田 由紀子

執筆者:福田 由紀子

臨床心理士/メンタルケア・子育てガイド

子育てには終わりがある

母娘

お母さん、自分の人生楽しんでいますか?

明治安田生活福祉研究所が2014年に20代~40代の女性を対象に行った調査では、妊娠・出産を機に退職した女性は約8割に上っています。

「子育てに専念するために♪」と幸せオーラをまとって退職したとしても、実際には、キャリアを泣く泣くあきらめた人から、会社に常々不満があり退職の理由としてちょうどよかった人まで、様々な思いがあることでしょう。いずれにせよ、8割の女性が、妊娠出産を機に、社会との繋がりを断ち、キャリアをリセットしているわけです。

親になるということは、子ども世代へ「主役を引き継ぐ」ことかもしれません。誰かのサポートなしに生きるのが難しい「ちいさい人」のために、自分を後回しにすることも出てくることでしょう。自分をまっすぐに見つめるわが子のため、親として役に立てる。そう思えるのはとても幸せなことです。でも、母親だからあれもこれもあきらめなくてはならないと思っていませんか?

子育てにはいずれ終わりがきます。何故なら、子育てとは、子どもを「親がいなくても生きていけるように育てていくこと」なのですから。子どもは自立して生きていけるようになったけれど、自分は夫や子どもなしでは生きられない、なんてことにならないようにしたいものです。


大きくなったら何になる?

「大きくなったら何になる?」子どもたちは、物心つくや否や、この質問を多くの大人から投げかけられるようになります。七夕の短冊から始まり、作文を何度となく書かされます。卒業文集などに書いた夢が、黒歴史になったりもします。

この子はどんなことに興味があるんだろう。子どもの夢を聞くと、その子の個性や、その子が育っている環境が、ぼんやり見えるような気がしますよね。

未来が無限大に広がっていた子ども時代が、私たちにもありました。その頃は、バレリーナにも宇宙飛行士にもなれた。でも、少しずつ自分の限界を知る中で、夢は次第に現実的なものになっていきます。子どもの頃の夢を叶えられる人は、ごく恵まれた一握りの人たちなのだということもわかってきます。私たちが「大きくなったら何になる?」という質問をされなくなったのは、一体いつ頃だったのでしょうか。


子育て中の今だからこそ、自分自身に聞いてみよう

「大きくなったら○○になりたい!」そう言うわが子をどう思いますか。「いや~、ムリムリ」「ひょっとして才能あるかも?」「その夢を応援するには、学費のための貯金はこれくらい必要だな」などなど、色々な考えが頭をめぐると思います。では、

「ママは、大きくなったら何になりたいの?」……子どもに聞かれたら、どう答えますか?

もう大人だから、なんて言わずに考えてみましょう。人間としての器も、腹回りも、これからどんどん大きくなるのですから。


子どもの頃を思い出してみよう

日々の生活に追われすぎて、自分が何をしたいのかなんて何年も考えたこともなかった人は、いきなり「夢」を聞かれてもピンとこないかもしれません。でも、「これが好き」とか「これが得意」ということは、案外その人の個性として子ども時代からあまり変わっていないことも多いものです。

「そういえば、歌を歌うのが好きだった」「水泳が得意だった」「絵を描いていると時間を忘れた」「しょっちゅう山に登っていた」などなど、考えているうちに色々思い出すかもしれません。必ずしも、これから「その道で食っていく」ことを目指さなくてもいいわけです。楽しみながら、「いつかやりたいことリスト」を作ってみましょう。

>> それでも思い浮かばなかった人へのヒント

 
 
 
 
 
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