サイケデリックなアートワーク
8月3日に全国発売(7月7日から会場物販先行発売)するデビュー作『marble≠marble』について、さらに語ってくれました。1. M.A.R.B.L.E.のテーマ
2. CROSSING OVER
3. World Wide Sushi
4. MONSTER
5. SUN
6. 正面衝突
7. A Message Song
8. SUN -GACHA the matrix remix-
marble≠marbleダイジェスト (SoundCloud)
marble≠marbleの3人、どう見ても、同じ学校の同級生には見えません。どちらかというと、娘、年の離れた兄、父くらいの年齢差です。最年少のTnakaちゃんは、原色ガールという名前でカヴァー中心に活動をしていました。彼女は京都造芸大でデザインの勉強をしており、今回のアルバムも含めて、ジャケットのアートワークを手がけています。チェキのデコレーションからも窺えましたが、アートワークからは、サイケデリックで、カウンターカルチャーの影響を受けているように見えます。
Tnaka:ヒッピーとかめちゃ好きです。その頃に生まれたかったです。お父さんがロック好きで、小さな頃から、こんなジャケットかっこいいなとか、憧れていました。今日も意識して、ビートルズ(サイケデリック期)のTシャツを着てきました。
メッセージ性のないメッセージ・ソング
アートワークからはサイケデリックロック?と思われてしまいそうですが、サウンドの基本はエレクトロポップ。しかし、メンバーが好きな音楽ジャンルが幅広いが故、一つに収まりません。B’z、The Beatles、YMO(ライヴでは「Cue」もカヴァー)が好きなTnakaちゃん、ハロプロに始まるアイドル系から、武満徹などの現代音楽、ノイズ・アヴァンギャルドまで好きなフジタさん。松本さんは、『EXPO』以降、TKのツアースタッフを経て、ROJAM STUDIOのメンバーとして多くのメジャーアーティストの制作に携わってきました。松本さんの本名は、松本零士です。松本:父親が絵描きだったんです。まだ、漫画家の松本零士さんは、僕が命名された頃、『銀河鉄道999』『宇宙戦艦ヤマト』などで売れる前でしたが、父親は松本零士さんが描く女性の絵が好きだということで、零士という名前になったのです。ちなみの僕の息子は、松本人志ではなく、一志(ひとし)。零(0)と一(1)でデジタルなんです。
筆者が個人的に一番気に入ったのが、7曲目の「A Message Song」。「伝えたいことなんて、ない」と終わるシュールなメッセージ・ソングです。サウンドは、90年代的J-ポップの要素と10年代的エレクトロな要素が混じっています。フジタさんが最初にMIDI音源としてトラックを作る、Tnakaちゃんがそこから作詞、松本さんがアレンジを含めてトラックを仕上げるという分業体制が出来上がっています。「World Wide Sushi」なんかは、独特の語感が面白いのですが、Tnakaちゃんは、バンドに入って、初めて作詞に挑戦しています。
フジタ:彼女の作詞は結構支離滅裂だと思うんですよ。フレーズごとに脈絡がなかったりして。でも、それが面白いから、それで行こうと。「A Message Song」にはメッセージ性がないのに、それっぽい言葉を並べています。ひねくれて、わざとそんなタイトルにしたのです。
厳しく指導される健気なTnakaちゃん
Tnakaちゃんは、手厳しいフジタさんと割と放任主義の松本さんから、指導を受けつつ、日々着実に成長しています。フジタ:大学で声楽の先生からの指導は受けているので、彼女の発声練習には付き合っています。
松本:いろいろやってくれたお陰で、ピッチは良くなりました。
彼らが重要視するのライヴです。Tnakaちゃんはめちゃくちゃライヴでは暴れます。
Tnaka:最初30分のライヴが持たなかったので、走り込みをしています。
フジタ:ライヴでは、歌は下手くそなくせに生歌なんです。かぶせは使っていないです。オケにディレイ成分だけは入れています。生歌なのはハロプロの影響ですね(笑)。
Tnaka:えー、そうなんですか? 初めて聞きました(ポカーン)。
アルバムの最後は、「SUN」のRemixヴァージョンで終わります。かなり攻撃的で、Diploしているので、是非聴いてください。今回marble≠marbleの取材から、アイドルをシステムとして見るべきではないかという一つの発見がありました。
marble≠marble (公式サイト)