抽象的思考が苦手な人は株へ

投資とは、抽象的な世界を数字で表現しています。ですから、抽象的な思考が苦手な人や、数字嫌いの人には、とっつきにくい世界です。そこで、初心者は、どうしても分かりやすい分野から投資に入ってきます。たとえば、自分の好きなブランドの会社に出資する(株を買う)、円が高くなるか安くなるかどちらかに賭ける(為替取引をする)、金貨や貴金属を買う(現物を買う)などの行動です。これらは、具体的で判断が簡単です(当たるかどうかは別として)。

しかし、きちんとした手順を踏まないで、客観的な裏付けを取らないで投資をするのは、はっきり言ってバクチです。勝つか負けるか、確率は常に50%。それを繰り返せば、0.5 x 0.5 x 0.5 x 0.5 ・・・と限りなく確率はゼロに近づきます。つまり、最後は完敗するのです。

分からないものに投資するなというウソ

投資家の守るべきルールとして、「分からないことには投資しない」というものがあります。仕組みが怪しいものや、利益の源泉が不明なものには投資してはならないという慎重を旨とする言葉と思います。

しかし、すべてが目に見えるように単純明瞭な世界など、投資にはそもそもありません。どんな資産や手法にも、ある程度の抽象的な部分や、日常的な知識では理解できない部分が、少なからずあります。ですから、「分からないことには投資しない」といって、抽象的な思考を放棄してはいけないのです。

国際分散投資は見えにくい世界だが

特に、分散投資をしようということになれば、当然に複雑な仕組みとなってきます。それを、「怪しい、不透明だ、怖い」と避けていては、分散投資ができず、結局はリスクの高い集中投資やギャンブル性の高い投機に偏っていくことになります。

19世紀までは、分散投資は貴族や富豪たちだけに許された戦略でした。世界中の資産(シルク、胡椒、奴隷、ワイン、小麦など)に広く分散するには、数十億円のお金が必要だったからです。しかし、20世紀になり、ファンドというものが整備されてからは、分散投資の道が広く大衆にも開かれました。日本でいえば、それが投資信託です。たった1万円で、世界中の優良企業数百社の銘柄株が買えるようになりました。

投資信託を使えば分散は簡単に

投資の基本が分かり、分散をしたほうが良いと納得できた人は、投資信託を使って、コツコツと地道な投資をしていきます。投資信託には、コストというデメリットがありますが、コストを払っても、それにう見合う最終利益が獲得できるなら、それでも良いわけです。

ただ、問題は、やはり銘柄選びです。日本には、約四千本の投資信託がありますが、大半はマーケットの平均に負けています。負け組ではなくて、勝ち組に残り続ける投資信託をどうやって選ぶか、投資信託を使いこなすときに、残された問題はそこにあります。

ETFを使えばローコストで

その点で、コストの安いファンドとして、ETF(上場投資信託)が普及してきました。これは、日経平均や米国S&P500など、代表的なマーケット・インデックスと等しい値動きをするファンドです。投資信託の一種なのですが、投資信託のファンドマネージャーのようなアクティブな采配人がいません。

ETFを持っただけでは、マーケットに勝つことはできないので、仕掛けを自分で作って、マーケットに勝つことに挑戦します。たとえば、売りのファンドを組み入れるとか、マーケットと相違する構成でポートフォリオを組むなどの戦略を作ります。これは、相当の経験がないとできません。一流の投資家は、よくETFを使って、超過リターンを獲得しています。
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