狭くても素敵なワークスペースの作り方

仕事を持ち帰ったり、書き物やプリントの整理、趣味の活動をしたり。自宅にちょっとした作業をできる場所があると、何かと便利です。今回はインテリアコーディネーターの視点で、空間に馴染むワークスペースを作る方法について考えていきたいと思います。

狭いスペースにデスクを設置するなら、サイズ感と素材感を要チェック

奥行き浅め、幅は広めのデスクを選ぶ
奥行きは浅めの500mm程度で、幅は広めの750mm～のサイズ感は、リビングやダイニングの片隅に設置しても、動線を邪魔することなく作業もしやすいデスクの目安の大きさになります。

また、デスクの水平面は思いのほか目立つもの。部屋で一番大きな水平面の床や、建具（ドアや窓のサッシ等）とのカラーコーディネートに配慮すると、作りたいイメージのインテリアに大らかに近づけることができます。

同じようなサイズ感で、スタイルの異なる4種類のデスクをご紹介しましょう。

●シリーズ展開をしている、シンプルモダンな雰囲気の「ALEX（アレックス）」デスク

IKEAのALEX（アレックス）デスクは、ほっそりとしたスチール製の脚に、浅めの引出しのついた天板が浮いているようなシンプルなデザイン。引出しの取手代わりにカットされた手がかりの形状が共通の、同シリーズのキャビネットを揃えれば、コーディネートの違和感なく収納量を増やすこともできます。合わせる小物や椅子次第で、どんなスタイルにも対応できるのが嬉しいアイテム。同シリーズにグレイのカラー展開もあります。

●折り畳める、インダストリアルな雰囲気の「OLTO SIDE DESK(オルトサイドデスク）」

CRASH GATE（クラッシュゲート）のOLTO SIDE DESK(オルトサイドデスク）は、天板をのせるだけの簡単構造で、脚の位置も自由に変更可能。移動や持ち運びにも便利で、使わない時はフラットに畳むこともできます トタン仕様の天板は、無骨な力強さが魅力です。お部屋に一台あれば、力の抜けたインダストリアルな雰囲気を作ることができるアイテムです。

●たたむとコンパクトに、シリーズ展開が嬉しいライティングビューロー「YD1」
TAIYOU no SHITA（たいようのした）のYD-1は、クラフトマンシップと工芸的な手作りの温もりを感じる優しく柔らかなフォルムのyamanamiシリーズのライティングビューロー（書き机と戸棚を組み合わせた家具）です。以前ご紹介した「本気のダイニングテーブル選びーサイズとカタチ編」のダイニングテーブルや「落ち着くリビングの秘訣は、TVサイズ、高さ、AVボード」のAVボードも同シリーズで展開しており、特徴的のある木目の表情が異なるゾーンを繋いでくれます。

●好きな角度にキァビネットをセットできる、コンパクトなのに豊かな雰囲気の「WING LUX（ウイングラックス） デスク」

カンディハウスのWING LUX（ウイングラックス）デスクは、卓越した技術を余すことなく用いて作られ、非常に豊かな佇まいをしています。リビングの窓辺に置いたり、部屋の真ん中に置いたり、背面も美しく仕上げられているので空間を緩やかに仕切ることができます。奥行きの浅いデスクはどうしてもチープなアイテムに偏りがちですが、今ある家具や生活にプラスすることで、少しインテリアを格上げしてくれるような秀逸なデザインが魅力です。

●ミニマムスタイルを叶える折りたたみ式デスク「Cupertino（クパチーノ）デスク」

デンマークのインテリアブランドBoConcept(ボーコンセプト）のCupertino（クパチーノ）デスクは、省スペースの中に機能が充実した折りたためる壁付けデスクです。ごちゃごちゃしがちなケーブルを隠しながらまとめられたり、Bluetooth等に対応したスピーカーをフェルトの内側に付けることで、音楽を楽しんだりすることができます。

日本の住宅の多くは石膏ボードで仕上げられているため、壁に取り付けるスタイルはなかなか普及しないのが現状ですが、壁を上手に使うと海外のインテリア雑誌のようなスタイルにグッと近づきます。下地材のある箇所を見つけるセンサー等を使えば安全に、思いのほか簡単に壁に家具を取り付けられるはずです。

 

スペースが取れないなら、キャビネットをデスクとして使うという手も

デスクを置くスペースが取れない場合、収納を増やすという別の機能も含めて検討するのも一つの手です。その際気をつけたいのは「高さ」。既存のデスクと同じような高さにすれば補助作業台にもなりますし、少し高めに設定すれば立ったままちょっとした作業台として、廊下や通り道の動線上にあっても便利です。キャビネットでデスクも作れるスタイルの異なる３つのアイテムをご紹介します。

●カジュアルながらも格上げしてくれる名作デザイン「Boby Wagon（ボビーワゴン）」

ボビーワゴンは、キャスター付きの本体を回転させることで4つの側面すべてを効率的に使える、デザイン性と機能性に優れた収納家具です。180°回転するトレイや奥行きのあるポケットなど、機能性に富んだ収納スペースが随所に工夫されています。

3段は一般的なデスクやテーブルとほぼ同じ高さなので、収納付きの作業台としてもも使えますし、ソファーや床で仕事をしたい場合にも、段数を合わせることで対応可能。正規輸入代理店（及び正規取扱店）であるメトロクス社では2年間保証を受けることができます。

●北欧スタイルを叶える、システム収納家具「string(ストリング）」で作るデスク

スウェーデンのシステム収納string(ストリング）は、幅800mmのフレームの間に、奥行き300mmの棚板やキャビネットを取り付けて様々な組み合わせのできる壁付け家具。北欧では3人に2人が持っているほどの定番アイテムです。

奥行き580mmのデスク用オプションを使えば好きな高さにコンパクトなデスクを作ることができますし、組み方次第は棚板やキャビネットの上で作業することも可能です。高さは、50mmピッチで変えられます。取り付けの際は、先述の下地センサーを使うといいでしょう。

現行定番品、及び質のいいビンテージは代官山にあるインテリアショップgreeniche（グリニッチ）で両方とも扱いがあります。入荷によってアイテムが異なるので、お店に電話してから足を運ぶのがおすすめです。我が家でもstringを数カ所使用しており、暮らしに合わせて組み替えることを楽しんでいます。


【関連リンク】「購入前に知って安心、取り付け方法！／壁収納の新定番・ストリングシェルフのすべて」（LEE、外部サイト）

●美しいオフィス家具代表「USM（ユーエスエム）ハラー」


スイスのシステム収納家具USMハラーは、1965年に建築の鉄骨モジュラー構造を家具に応用して、オフィス空間の変化に柔軟に対応する家具システムとして開発されました。数少ない部品で、モジュラーパーツは追加・拡張ができ、一度組み立てたものも再構築が可能です。実は、耐加重10kgの扉を倒してデスクのように使うこともできます。3段のキャビネットの2段目の扉であれば、お子様のお絵描き台としても丁度いい高さ。3段目の扉であれば大人のデスクとしてちょうどいい高さになります。

【関連リンク】「日本のUSMハラー50選の特設ページ」（TABROOM、外部サイト）

ワークスペースを、隣接するリビングやダイニングのインテリアスタイルとコーディネートするには、サイズや高さ等を抑えた上での好みのスタイルに合ったアイテム選びが重要になるということが分かりました。そういった意味で、働くオフィス環境を心地よく変えていくヒントも見つけられるきっかけになるかもしれません。また、自宅で仕事をする姿を見せることは、実は子どもの教育にもいいと言います。働きかたも多様化している今、ご自身に合ったワークスペースに置きたいデスクがみつかるといいですね。

次回は本記事で出てきたアイテムにも合う、デスク周りのおすすめ小物をご紹介します。