新世代といえる2代目ジャガーXFが登場

新型ジャガーXF

10.2インチのタッチスクリーン式インフォテインメントシステムをはじめ、12.3インチTFTメーターディスプレイを採用。地図画面の表示も可能だ


2007年に欧州で発売され、翌年に日本に上陸した初代ジャガーXF。その次期はちょうどフォード傘下からインドのタタに移行するタイミング。初代XFは先代にあたるSタイプのエンジンを使うなど、フォード時代の影響が残っていた。

2代目にスイッチしたXFは、先に登場した弟分のXE同様にボディの75%にアルミニウムを採用したスチールとのハイブリッドボディで、全長4965×全幅1880×全高1455mmというスリーサイズに対して、重量は1720~1830kgとなっている。

1720kgと軽いのは2.0Lの直列4気筒ターボで、1830kgと110kg重くなるのは3.0LのV6スーパーチャージャー搭載車。人気を集めそうな2.0Lの直列4気筒ターボディーゼルエンジン車は1760kgとなっている。

なお、ライバルのメルセデス・ベンツEクラスは、全長4890×全幅1855×全高1455mmで1850~2030kg。BMW 5シリーズは、全長4915×全幅1860×全高1475mmで、1750~1960kg。

気になる2.0Lディーゼルの仕上がりは?

新型ジャガーXF

2代目XFは、10.2インチのタッチスクリーン式インフォテインメントシステムをはじめ、12.3インチTFTメーターディスプレイを採用。地図画面の表示も可能


3台の中では最後発モデルらしくジャガーXFが比較的軽く、実際の乗り味も大きさを感じさせない軽快感がある。試乗したのは注目の2.0L直列4気筒ターボディーゼルで、180ps/4000rpm、430Nm/1750-2500rpmというスペック。ちなみに、弟分のXEにも同ディーゼルエンジンが追加されているが、XFもXEも最高出力、最大トルクとも同値になっている。

XFは弟分のXEよりもひと回り大きく、重量も100kg重いため、「XFでも走るのか?」というのが気になるところ。ディーゼルならではアイドリング時の振動や音は多少キャビンにも伝わってくるが、アイドリングストップが作動すればもちろん気にならず、作動しなくても慣れてしまえば耳障りというレベルでもない。

8ATとの組み合わせもあってか、どの速度域でも変速フィールは洗練されていて、気になるトルク感も高速域のパンチ力も「エコ」や「ノーマル」モード時は驚くほどではないが、「ダイナミック」モードに変更すると、グッと力感が増し、しかもディーゼルエンジンとしては高回転までよく回るし、パドルシフトを操作すればダイナミックな変速が可能だ。たとえば、住宅街などでは「エコ」や「ノーマル」モードでジェントルに走り、高速道路やワインディングでは「ダイナミック」モードで走りを楽しむという、メリハリのある走行ができるのも美点といえそう。

ライバルのBMW 523dと比べてもトルク感、高回転域の伸び感は後発のXFの方に若干分がある印象で、ジャガーXFの中でもこの2.0Lディーゼルターボが人気を集めそうだ。

軽快なフットワークとスムーズな乗り味が美点

メルセデス・ベンツEクラス

新型XFのライバルであるメルセデス・ベンツEクラス(セダン)の価格帯は、599万~1727万円


また、XFの美点は大きさを感じさせない軽快なフットワークも印象的で、ハンドリングも非常に素直で好感が持てる。Eクラスのスムーズな乗り心地や5シリーズの「BMWらしい」切れ味のある動きとは少し違い、少し落ち着きも感じさせるセッティングは、物足りないと思うか、ナチュラル感があっていいと感じるかは個人の好みによっても異なるだろう。

個人的にはXEのようなキレキレのハンドリングを期待していただけに、少し拍子抜けした面もあるが、一方で高速道路での直進安定性やスタビリティの高さはさすがにEセグメントといえる仕上がりで、今後さらに乗り味やハンドリングの熟成が進めば、アウディA6も含めたドイツプレミアム御三家と堂々と渡り合えるだろう。

内装の大きな変化ぶりも新生ジャガーであることを感じさせる点で、10.2インチのタッチスクリーン式SSDナビに変わったのも朗報だろう。これで「未だにDVDナビ」と指摘されることもXF以降の新型モデルではなくなるはずだ。

明らかに広くなったリヤシート

BMW5シリーズ

新型XBMW5シリーズ(セダン)の価格帯は、693万~1150万円。価格面ではEクラス、5シリーズよりもやや「割安感」がある


洗練されたインパネ以外では、初代XFよもニールームを24mm、レッグルームを15mm、ヘッドルームを27mm拡大したという後席の広さも印象的で、ホイールベースを50mm以上長くした効果を感じさせる。また、荷室容量は540Lで、「40:20:40」分割可倒式の後席により容易に拡大できる。

なお、取り回しを左右する最小回転半径は5.7mで、フロントノーズも短めということもあり、絶対的なサイズは日本では大きいが、5mに迫る全長、3m近いホイールベースの割には取り回しにそれほど気を使うことはなかった。同時に、ほぼ360度映し出す高解像度のカメラ画像も自車周辺の確認に欠かせない装備であることを再確認させてくれた。

あとは、高級セダンで評価を大きく左右しそうな外観デザインへの評価、そしてもちろんブランド力もライバルとの競争を勝ち抜くには欠かせないが、少なくてもクルマそのものの仕上がりはかなりの好印象。ドイツプレミアム御三家以外にも魅力的な選択肢が加わったのは朗報といえそうだ。

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