ドラクエ、FFの本編がないのに、増収増益のスクエニ
ドラゴンクエストビルダーズなど、スピンオフのスマッシュヒットはありましたが、何百万と売れる本編最新作は発売されていません
スクウェア・エニックスという企業は、ドラゴンクエストシリーズかファイナルファンタジーシリーズの本編最新作をリリースすると、売り上げが大きく跳ね上がり、それがないと低調になる、という企業でした。
これは、スクウェア・エニックスに限らず、かつてのゲームメーカーには多かれ少なかれ見られた特徴で、人気シリーズタイトルを投入できれば業績があがるけれども、それを開発している間の期間は厳しくなるということが起こっていました。
しかし決算の内容を見てみると、そういった1本のビッグタイトルが牽引しての好調、というわけではどうやらなさそうです。ドラゴンクエストシリーズとファイナルファンタジーシリーズによって、収益の柱を立てているということは変わらないんですが、事業分野別では大きな変化が見られます。
ドラクエとFFを一気に販売した2012年を上回る売り上げ
2009年は2枚看板が大いにゲーム市場を盛り上げた年でした
これまで、スクウェア・エニックス合併後、もっと最も大きい売上高を記録したのは、2010年3月期決算の、約1,923億円でした。この時何があったのかというと、2009年7月に「ドラゴンクエストIX 星空の守り人」、2009年12月に「ファイナルファンタジーXIII」を発売していたんですね。スクウェア・エニックスが誇る2大看板タイトルを一気に投入ということで、これまでにない売り上げを記録しました。
ところがです、2015年のスクウェア・エニックスは、ドラゴンクエストシリーズも、ファイナルファンタジーシリーズも、リメイクやスピンオフ作品はあるものの本編最新作は発売していません。にもかかわらず、売上高約2,141億円ということで、2010年3月期の記録を上回っているんですね。これは、ひと昔前であれば考えられなかったことです。
その背景には、収益の主役交代と収益構造の変化がうかがえます。