失望の雇用統計で円高加速!今後の日経平均はどうなる?

予想外に悪化した米国の雇用統計。今後の米国経済はどうなる!?

予想外に悪化した米国の雇用統計。今後の米国経済はどうなる!?

16年5月の米国雇用者数は、市場予想を12万人も下回る+3.8万人増に留まりました。2010年10月以降に増加トレンドに転じて以来、最小の増加数となり、誰も予想できなかった数字と思われます。合わせて3月、4月の速報値についても合計▼59,000人の下方修正となりました。失業率は0.3ポイント改善して4.7%でしたが、これは労働市場が改善したというより、分母である労働参加者の人数が大きく減ったことによります。

同日発表されたISM協会のサービス業景況感指数も、予想を下回る低調な数値となりました。特に雇用指数は中立の50を3ヶ月ぶりに割り込む49.7ポイントでした。サービス業の雇用指数は最も株価と相関性があります。一方、1日に発表されていた製造業の景況感指数は堅調なものでした。

雇用統計の長期的な趨勢に注目

毎月初めの金曜日に発表される雇用統計は、直後に為替、債券、株価を大きく動かし、市場関係者の注目を集めます。確かに発表後数分間は大きく値が動くのですが、翌週になれば殆ど忘れられ、尾を引くようなことはあまりなかったと思います。また新たに出てくる材料に一喜一憂する事に忙しく、前週末のイベント結果に構ってられないのです。3日のダウも朝10時半から引けにかけてリカバリーに向かい、前日比変わらないところまで戻しました。また昨年の6~8月に発表されたそれぞれ前月分の雇用統計は絶好調でしたが、株式市場は大きく下がりました。FRBも、普段最も重視すると言っていた「雇用」が絶好調であるにも関わらず、利上げを見送りました。そして9~10月に発表された雇用統計は大きく下がりましたが、すでにマーケットは大底からの反発へと向かうところでした。

このように発表後の数分間だけ市場を攪乱する単発の雇用統計に注目しても(デイトレーダー以外には)意味は乏しいと思いますが、長期的な流れや3ヶ月間平均を追って行く事は重要と思います。長期に雇用は、景気や株価を反映するものと思われます。このところの雇用者数の増減は伸び率の減少傾向が鮮明で、2015年10月につけた+29.5万人というピークから下落トレンドにあるように見えます。来月に一度復活したとしても、翌月にマイナス入りなどショッキングな数値が出れば、現在想定外であろうリセッション入りの可能性も考えていかなければなりません。

中長期には緩やかな円高基調続き、日経平均は下落基調継続か

長期的な目線はドル高の巻き戻しに伴う円高か!?

長期的な目線はドル高の巻き戻しに伴う円高か!?

16年6月3日(金)の日経平均終値は1万6,642円で週間▼193円の反落となりました。相場要因は為替でした。1ドル109円台だったところから、一気に1ドル111円台に乗せてきた5月30日(月)の日経平均は大幅高で、1万7千円台を回復しました。しかしながら、この日の東証一部売買代金は今年の最低を記録し、力のない上昇でした。翌5月31日(火)も円安続き、日経平均は続伸して1万7,235円で終えました。

しかし、安倍首相の会見を前にした6月1日(水)の日経平均は▼279円の大幅反落となりました。大引け時の為替は109円台に逆戻りしていたのです。続く6月2日(木)も日銀審議委員による発言を嫌気した円高進行で▼393円安、週末大引け時の為替は108円66銭程度でした。さらにその夜の米雇用統計を経て為替は106円台半ばとなり、シカゴ日経先物は1万6,335円まで一段と下げて終えています。一方、為替の影響受けにくい新興市場はTOPIXをアウトパフォームし、好調な日も散見されます。

ともあれ、現在は長期的にドル高の巻き戻しが起こっている最中と思います。ようするに、米国経済は良くなっていくかと思われてドル高が進んでいたわけですが、ここのところの雇用統計を見てもわかるように、思うように景気がよくなっておらず、最悪、現在、誰も考えていないリセッション入りの可能性も出てきたところだと思います。そうすると米国の利上げはどんどん後ろ倒しになりますが、その過程でドル安が起こり、これは円高に繋がります。さらに追加金融緩和も米国の圧力でやりにくい状況になっており、日経平均の中長期的な目線は緩やかな円高に伴う下落方向になっていくと思われるところです。

参考:日本株通信


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