「条件から選んだ企業」の履歴書、志望動機に何を書く?
志望動機と自己PRの書き方のコツ
さらに、それまでの就職に後悔や失敗の思いがあれば、尚更強く職場環境や条件に目が行きがちになります。しかし、そのままの気持ちで書き始める履歴書には、おそらく定型マニュアルの志望動機が並びます。これは志望ではなく「希望」動機ではないでしょうか?
ここは一度、採用側の視点に立って考えてみてください。相手の思いに応えてこその「採用通知」なのです。
採用には採用の背景と動機があります。一方では様々な待遇条件は大切な要素です。しかしあなたと企業は50:50。視点を変えて“自分は何を提供していくか…そのステージが御社”という考え方を持ってみてください。
志望動機の書き方/良い例・悪い例
ここで、よくある志望動機例をいくつか挙げて簡単に評価してみましょう。=【残念!な志望動機の例】=
■○○分野でトータルなサービスを提供している御社なら、自分自身も成長できると考えましたので入社を希望します
⇒ 「トータルなサービス」は使い易く綺麗な言い回しですが何を指しているのかは全く不明。仕事で成長していくことは当然の事であって、自分の成長のために入社するのではありません
■御社の○○な社風が私自身に適していると思い応募致しました
⇒ 本当によく安易に書かれるフレーズですが、社風を目的に応募される方はまず敬遠されます。あくまでも事業や仕事への思いを伝える必要があります
=【説得力のある志望動機の例】=
■前職では主に○○のスキルを磨いて参りました。御社が現在取り組まれている◎◎の分野でその力を発揮できるのでは思い応募させて頂きました。
⇒ しっかりした企業研究の上で具体的に提供できる力を伝えることで好感が持てます
■営業職としては成果を追いかけることはもちろんですが、そのためには顧客の納得をどれだけ導けるかが一番大切なことと考えます。御社の主力商品を提供するにあたって…
⇒ 職種に対する自分の考え方や取り組み方をアピールすることで、働く姿勢が浮かんできます。正しい商品理解の上で応募している点も評価できます
中途採用の背景を考えて、それに応える志望動機を
一言で「中途採用」と言えども、その求人が求める人の資質・採用人数は千差万別です。それは何のための募集なのかという事業背景を知ることで見えてきます。事業には大きく分けて次のような4つのフェーズがあります。●創業期 (もしくは、新規事業立ち上げ期)
●成長期 (拡張期、支社支店を増やす)
●成熟期 (安定期、通常の人員補填)
●衰退期 (もしくは、ピンチ!再興期)
これだけ見ても、欲しい人物像や資質はある程度想像ができるのではないでしょうか?
定期的に実施される新卒採用とは違い、中途採用はその時々の「課題解決」のために行う経営判断なのです。あなたがそれを感じ取れる人ならば、採用担当者は喜んで面接をしたいと思います。
求人票や求人サイトなどの人事コメントをよく読み込んでみると、それが表現されていることが分かります。また企業研究(事業理解)では会社沿革の流れから現在点を想像したり、社会の二―ズから感じることが出来れば更に深く理解することが出来るでしょう。そしてあなたが、そこに向かって志望をしていくことが大切なことなのです。
年齢層が高いほど自己PRと志望動機は一致させる
応募者の年齢層によっても求められるものは当然違っていきます。【若年層/20代~30代半ば】
仮に未経験であっても「伸びしろ・吸収力・進化・体力」を感じさせる
【ミドル層/30後半~40代半ば】
臨場感・現場感覚をお持ちで、尚且つ「未来志向」で変化を怖がらない
シニア層の志望動機には何を書く?
それでは【シニア層/40代後半~60代】では自己PRや志望動機はどうでしょうか?「豊富な経験」……でしょうか?イイエ、豊富な経験の中で「何が得意か、どう活かしたいのか」なのです。
年齢が上がれば上がるほど、正社員として求められる資質はピンポイントの専門性に近くなっていきます。ですから職務経歴書も多方面に渡り、面接現場では「何でもやります!」と答えて失敗する方も多いのです。
つまり、年齢層が高い人ほど“自己PR(何が得意か)”と“志望動機(御社でこう活かせれば!)”は一致させていくべきでしょう。
応募する企業の事業内容と現在点を良く理解して、「だからこそ志望してきました!」と語ることのできる方であれば、例え年齢層が高くても正社員採用には近付いていくものです。