軽視されることの弊害

性被害を受けた男の子は、女の子とはまた違った苦しみを抱えます

性被害を受けた男の子は、女の子とはまた違った苦しみを抱えます

男児への性加害者の多くに、子どもの頃の被害経験があるといわれています。大人の男性が男児に性的なことをするのを「普通にあること」として認識し、成人してから加害者になってしまう。つまり、性暴力を連鎖させてしまうのです。

また、「男児は性被害にあわない」という世の中の思い込みは、成人男性の男児への接近を容易にします。「まさか」とチラッと思っても、「そんなことはあってほしくない」という気持ちが働いて、単に仲がいいと捉えて見過ごしてしまうのです。それは、男児同士の間で起こる性暴力も同様です。

成人男性が女児に声をかけているところを目撃したら「大丈夫かな?」と思って遠巻きにふたりの関係を観察する人は多いのではないでしょうか。しかし、成人男性に声をかけられているのが男児ならどうでしょうか。余程、男の身なりや雰囲気が怪しくない限り、気にも留めない人が多いのではないでしょうか。

また、異性愛が当然とされる価値観の中で育つと、男児自身も、まさか自分が男性から性被害を受けるとは思わないことでしょう。


性被害を受けた男児の苦しみ

性教育も十分になされておらず、性的なことはなかなか人に話しにくいという風潮がある中、被害を受けた男児が、自分の身に起こったことを誰かに話すことのハードルは、女児以上に高いようです。

「子どもの方から誘ってきた」というのは、加害者がよく使う暴力の正当化です。実際は、子どもの何気ないしぐさや発言を、自分の都合のいいように解釈したに過ぎないのですが。しかし、被害を受けた子どもからすれば、自分の中に、性被害を誘発するような何かがあるのかもしれないという、悩みというよりは恐怖に近い不安を抱えさせられてしまいます。

「もしかしたら自分は同性愛者なのかもしれない」と、自分のセクシュアリティが揺らいでしまうこともあります。同性愛はひとつの性のあり方として生まれ持ったもので、病気でも異常でもありませんが、未だ根強いセクシュアルマイノリティ(性的少数者)への社会の偏見が、被害男児の自己評価を下げ、自己不信を育てることは少なくありません。

また、旧態依然としたジェンダー観では、男性は「支配する性」で、誰かに支配されたり従属させられることは「男らしくない」と刷り込まれています。そのような価値観を持った親に育てられていると、被害を受けても、なかなか言い出しにくくなりますし、男としての自分に自信が持てなくなってしまいます。


親や周りができること

男児への性被害を見過ごさないために大切なことは、周りの大人が「男児への性暴力は、少なからず存在する」という知識を持ち、子どもにも知らせておくことだと思います。また、性に関することは、なかなか可視化されないものだという認識を持って、「まさか、ね」という気持ちになったときに、その直感を軽視しないことだと思います。

そして、被害を告白されたら、話すことにとても勇気が要ったことをねぎらい、子どもの話を信じて、適切な対処をしましょう。対応の仕方は女児の場合と同じです。下の記事を参考にしてください。


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※乳幼児の発育には個人差があります。記事内容は全ての乳幼児への有効性を保証するものではありません。気になる徴候が見られる場合は、自己判断せず、必ず医療機関に相談してください。