キルケニーへと続く道~古楽器とアイルランド音楽
フォークやロックなどとの相性の良さから、独特のファン層もあるアイルランド音楽。クラシックの演奏家たち、とくに古い時代の伝統に関心の高い“古楽器奏者”たちにはアイリッシュに愛着の深いミュージシャンも少なくありません。彼らは基本的に、歴史を検証しながら古い音楽本来の魅力をきわだたせるのが上手……その絶妙のセンスで、17世紀の生々しいアイルランドの響きへ自然体で肉薄してみせる曲者たち。自然と体が揺れる1枚です。
■ガイド大塚の感想
楽曲はクラシック・古楽というより、バグパイプ、フィドル(バロック・ヴァイオリン)が使われたずばり「アイルランド・ミュージック」という感じだが、演奏が巷のアイルランド・ミュージックよりはるかに良いのがまず唸るポイント。牧歌的なものから、ノリの良い演奏まで、十二分にアイルランド・ミュージックという豊かな料理を堪能できる。これ、ほんと聴いてると、刻を忘れます(笑)。
ベイヌム(指揮) ブラームス:交響曲全集、管弦楽曲集、ヴァイオリン協奏曲、他
ベイヌム生誕115年記念企画。ベイヌムのPHILIPS録音を代表する名盤。生命感あふれる偉大な名演を、新リマスターで復刻。音質を一新! この4枚組はPHILIPSレーベルに遺した、全ブラームス作品を集成しました。57歳で生涯を閉じたベイヌム最大の遺産とも言えるアルバムです。交響曲第1番は、最後のセッション録音となった音源。オリジナル・ジャケット・デザイン採用。
■ガイド大塚の感想
前任のメンゲルベルクとは真逆でロマンを廃し割とサクサク進むが、意外なことに堅い音になるわけではなく、温かさをもったまま推進していく感じが特徴的。凝縮されるのではなく、温かさが溢れる感じというか。特に低音ががっちりしていながら、音楽自体がストレートに巨大な塊となって表われる感じがする。王道と見なされてきたドイツ的なブラームス演奏から離れたものが多い今こそ、新たに聴くべき豊かな世界。
タワーレコード
ベイヌム(指揮) ブルックナー:交響曲第5番、第7番、第8番、第9番
ベイヌム生誕115年記念企画。PHILIPSへの商業録音2曲と最後の実況録音である第5番を含む、至高のブルックナー演奏を新リマスターで復刻。DECCAの第7番をCD4に特別収録しました。第5番は、亡くなる約1か月前の貴重なライヴの記録です。今回の復刻では、演奏前の拍手を初めて収録しました。臨場感ある会場の雰囲気と、コンセルトヘボウ管の充実した響きも聴きものです。
■ガイド大塚の感想
全ての交響曲が1枚のCDに収まる速いテンポながら、疾走という感じは全くなく、上手なオケによる、中に色彩を宿す分厚いサウンドが高い密度で押し寄せ圧巻。特に8番など異色の名演としてマニアに愛されてきた演奏だが(個人的にも)、改めて聴いても唯一無二のブルックナーがここにある。
タワーレコード