「子供のいない人生」を楽しく生きるコツを読み解く
■ポイント6:・一緒にご飯を食べる
もし、あなたが毎日忙しいすれ違い夫婦で、一日の中で1時間しか一緒にいられないとしたら、何をするのが一番夫婦円満に効くでしょうか?
その答えは「ご飯を食べること」。一緒に食事をするというのは何よりも人と人との間を近づけます。
山口さんも
「毎日、ご飯をおいしくいただいたり、ちょっとしたことが大事。毎日、楽しく、おいしく、幸せに、大好きな方といただくご飯は最高ですね」
と、パートナーと一緒に食事をする喜びを語っています。
■ポイント7:お互いの違い受け入れを、認める
日々の習慣、考え方、趣味、興味、関心……。もともとは他人だった夫婦ですから、これらはが一緒ではないことは当たり前です。大事なことは相手の個性や意思を尊重し受け入れること。
山口さん、唐沢さん夫婦も昔は、以下に語られているようなさまざまなギャップがあったようです。
「私も若い頃は、パートナーに対して、あまりにも趣味が違いすぎることにフラストレーションを感じることもありました。夫は私とは真逆の嗜好。」
「私は多種多様なことに興味津々で、一緒に旅をしても興味の対象が全く違うから、食べるとき以外はいつも別行動。若い頃は、『なぜ同じものを見て感動できないんだろう』って思ってました。でも今では、私を好きなだけ放っておいてくれることに大感謝。私はのびのび自分の興味の的に邁進できるから。」
違う考え方や好みの相手を自分に合わせようとするのではなく、自分が相手に合わせて我慢するのでもなく、相手を尊重して違いを受け入れるお二人の柔軟な関係性がここから読み取れます。しかし、これは難しいこと。私たちはつい、自分を主軸にして自分に合わせてくれないとダメだといらついてしまいます。お互いを「スイスイ泳がせる」よう努めましょう。
■ポイント8:しかし、歩み寄る姿勢は持つ
とはいえ、永遠に無関心、無干渉ではなく共通の話題にできるよう、歩み寄る努力も大切。山口さんの言葉によれば、唐沢さんにも変化があったようです。
「でもここ数年、あれほどフラメンコに興味のなかった夫と、フラメンコ談義ができるようになった。人って変わるんだな、と(笑)」
夫婦それぞれが過ごす時間」と「夫婦一緒にすごす時間」のバランスはとても大切です。どちらかに偏りすぎるのは二人の関係にとって良い効果はありません。
さらにこの二つの中間「相手に伝える時間」&「相手の話に耳を傾ける時間」も実はとても大切です。
「あなたは関係ないから」「あなたは興味ないだろうから」と最初から切り捨ててしまわず、少しずつ伝える機会を積み重ねていきましょう。
自分の好きなことを相手に伝わるように話す。そしてそれをパートナーもしっかり耳を傾ける。それは単に趣味の話を超えて、「好きなこと」を通して「自分を伝える」、「耳を傾ける」ことによって「パートナーを理解する」という、夫婦関係の根本を形作るコミュニケーションにつながります。
が、「俺のパチンコ愛をわかってくれ」「私のお買い物好きをわかって」はナシです。迷惑をかけない好きな事のみ。
■ポイント9:・妻の仕事にも気配り
子供を持たない夫婦の場合、おそらく多くの妻は何らかの形で仕事を持ち、家の外でも自分が輝ける場所をもっていることでしょう。
山口さんの場合も、長い間仕事をセーブしてきた後、連続ドラマに復帰をしました。その現場には毎回、唐沢さんからの差し入れがあったという報道もされています。仕事で頑張る妻をサポートする夫の心憎い気配りも、2人とも俳優というご夫婦らしいエピソードです。
■ポイント10:相手が幸せに感じることを尊重する
パートナーへの愛情が最も深まった形というのが「相手の幸せを自分の幸せと感じられる」ということ。夫婦二人でしっかり向き合うことで、両方の幸せが、足し算を超えて掛け算になるのかもしれません。
さんも唐沢さんへの感謝をこのように語っています。
「考えてみたら、私に何かを強制をしたこともないし、あれダメこれダメと、命令されたことは一度もない。いつも私が一番心地いい状態になるように、放っておいてくれる。彼曰く、『自分がしてほしいことを相手に押し付けるのではなくて、相手が幸せでいてくれることが自分の幸せ』なんですって。私が楽しく幸せでいることを望んでくれる人に出会えて、私は本当に幸せ。彼には心から感謝してます」
我々はともすると、相手にいろいろなことを求めたり、自分がよいと思う形を押し付けたりしがちです。たとえそれが相手の幸せを願ってしたことだとしても、パートナーにとっては望む形とは違うかもしれません。大事なことは相手の価値観を尊重し、それを理解して受け止めようとすること。なぜなら幸せの形はそれぞれ違いますからね。ここは話し合いしかありません。「夫婦に阿吽の呼吸はない」が私の持論です。
子供への「依存」から脱却しましょう
「子供のいない人生」は「子供に頼らずにパートナーと向きあえる人生」でもあります。
夫婦仲相談所に寄せられる相談では
「子供がいるから離婚できない」
「子供の手前、しかたなくパパママを演じる」
「子供がいなければ違う人と再婚したい」
などなど、「子供」という言葉を用いてご自分の人生をあきらめるような訴えをする方もあとをたちません。
夫から冷たくされるので寂しさから子供に過度な期待をして子離れできないまま苦しむかたもいます。
子供がいるから幸せか、子供がいなければ幸せになれるかはやはりその方の捉え方しだいだと思います。
多くの夫婦の悩みを聞いて思うこと
また、セックスレス専門家の私だからこそ、言える点がひとつあります。
子供がいることをセックスレスの原因にするご夫婦がなぜにここまで多いのか。子供を言い訳にしないでくださいね。山口さんのように、いつもくっついていたいスキンシップをしていたいと思えば、お子さんの前でもチュっとかハグとかしたほうがよいのです。お子さんも、パパママが仲良しのほうがうれしいことでしょう。
「50代になっても手をつないで寝るご夫婦」、この件だけでも私は女性誌から取材を多数受けました。それほど夫婦のスキンシップはニュースにしたいテーマだったのです。
「今さら夫と手などつなぎたくない」「無理無理」と感じた妻の方は、今一度、手を繋いで嬉し恥ずかしかった時代の気持ちを思い出してください。その"乙女心"のキープは子供がいるかいないかなど関係ありません。
山口智子さんは永遠の乙女妻です。
さて、子供のいる人生の方にも参考になる夫婦関係の築き方。唐沢さん、山口さんが今後、どんな風に年を重ねていかれるのか、注目していきたいと思います。
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