子育て/育児ストレス解消法

母親は「いつも笑顔」でいるべきか?(2ページ目)

いつも笑顔のお母さんでいたい。そう思いますよね。笑顔の人のそばにいるとホッとするものです。でも、母親ならば、つらいときや苦しいときも、笑顔でいたほうがいいのでしょうか?

福田 由紀子

執筆者:福田 由紀子

臨床心理士/メンタルケア・子育てガイド


苦手な感情は何ですか?

明らかに様子が変なのに「何もない」と言われると、子どもはシャットアウトされてしまった気持ちになるかもしれません。また、ネガティブな感情は隠すべきというメッセージとして受け取ってしまうかもしれません。それは、あまり健康的とは言えません。

人はそれぞれ、「自分で扱いにくい」苦手な感情を持っているものです。とっさに「何もない」と答えてしまう時は、「認めたくない感情」が刺激されていたりするのかもしれません。

でも、悲しみも苦しみも悔しさも淋しさも、感情は自然にわき上がってくるもので、感情自体に善悪はありません。それらの感情をしっかりと味わって初めて、解決策が見つかることも多いものです。「心豊かに育つ」とは、プラスの感情だけではなく、マイナスの感情をも十分に感じられる「タフさ」を身につけることであるように思います。


時には子どもに甘えてみよう

親子

凹んでいる時には子どもから愛情をもらいましょう

子どもは親のことをよく見て、感じています。ですから「ママ、何かあったの?」と聞かれたら、「うん、ちょっと悲しいことがあったの。ヨシヨシしてくれる?」と、甘えてみてはどうでしょうか。小さな手で頭や背中を撫でてもらうと、元気が出るものです。

「どうして悲しいの?」と聞かれたら、詳しい内容は明かさず、「仲良くしたい人とケンカしちゃったの」とか「仕事で失敗しちゃったの」といったふうに答えてもいいのではないでしょうか。子どもなりに同じような経験はあるはずです。「○○ちゃんなら、そんな時どうする?」と聞いてみてもいいかもしれませんね。

子どもは、親が悲しんでいると自分のせいではないかと不安に思ってしまう、けなげな生き物です。「あなたのせいではない」ということは、折を見て伝えられるといいですね。


大人の問題の詳細を子どもに聞かせることは、おすすめできません。でも、世代間境界を意識しながら、少し甘えてみる。そんなことも必要であるように思います。

親も当たり前に、悲しみや淋しさを感じる。落ち込むこともあれば、自己嫌悪に苛まれることもある。でも、そこからまた立ち上がっていく姿を見て、子どもは「生きる」ということを学んでいくのではないでしょうか。

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