全国には切符を集めたら“運気がアップしそう”な駅名がある
縁起切符というものがある。ご利益のありそうな駅名の入場券や乗車券を購入してお守りに持っているというものだ。各鉄道会社も増収策として縁起の良い駅の入場券や乗車券をPRしている。今回はそうした面白い駅名や手に入れたくなる縁起切符の話題をまとめてみた。6種類の祈願ができる喜入駅(鹿児島県、JR九州指宿枕崎線)
JR最南端の駅西大山を通るのが指宿枕崎線。鹿児島中央駅と指宿駅の間にあるのが喜入(きいれ)駅。喜びを入れるという漢字が縁起がよいということで入場券が人気を呼んでいる。ふだんは硬券ではなくPOS端末による入場券を発売しているが、窓口で「商売繁盛」「家内安全」「交通安全」「祝・ご結婚」「安産祈願」といったスタンプを押してくれる。一番人気は、受験シーズンの「合格祈願」だという。観光特急「指宿のたまて箱」(鹿児島中央~指宿)の唯一の中間停車駅であるが、3往復の列車は、いずれも30秒停車なので停車中に入場券を買うことはできない。快速列車や普通列車に乗って買いに行こう。鹿児島中央駅から喜入駅までの区間運転の列車がかなりの本数走っているので、列車ダイヤをうまく組み合わせれば途中下車の時間が生み出せるであろう。
幸せの鐘が鳴る真幸駅(宮崎県、JR九州肥薩線)
八代駅(熊本県)から人吉駅を経て隼人駅(鹿児島県)に至る肥薩線の駅。肥薩ということで熊本県と鹿児島県を通る路線であるが、ちょっとだけ宮崎県をかすめる。その肥薩線唯一の宮崎県にある駅が真幸(まさき)である。観光列車「いさぶろう」「しんぺい」は、人吉駅と吉松駅の間の「山線」と呼ばれる区間を走り、山間部にある3つの小駅に停車する。そのひとつが真幸駅。きれいな駅名でかつ縁起がよい駅として知られる。スイッチバックの駅で、列車は行ったり来たりしながら真幸駅に入ってくる。
ホームには幸せの鐘があり、観光列車は5分程停車するので、乗客は列をつくって鐘を鳴らして幸せを祈願する。いつもは利用客がほとんどいないので、駅舎付近には京都の龍安寺を思わせる石庭があり、心が洗われる。無人駅のため縁起の良い入場券は、普段は人吉駅で売っている。
スポーツ選手にご利益がある一勝地駅(熊本県、JR九州肥薩線)
肥薩線のうち、八代駅と人吉駅の間、球磨川に沿って走る「川線」の駅。観光列車「SL人吉」が10分停車する。ホームには特設の売店があり各種土産物を販売するが、もう一つ忘れてはならないのが、この駅の入場券である。「一勝地」という駅名から分かるように、必勝お守り入場券として知られ、受験生のみならず、スポーツ選手が必勝を祈願して買いに来るという。