順当なら首位通過だが……2位との勝ち点差は「1」

ロシアW杯2次予選、日本は首位通過できるのか?

ロシアW杯2次予選、日本は首位通過できるのか?

ヴァイッド・ハリルホジッチ監督(63歳)が率いる日本代表は、3月24日にアフガニスタンと、同29日にシリアと、ロシアW杯の2次予選で対戦する。いずれも埼玉スタジアムで開催され、チームは21日から国内で合宿を行う。

ロシアW杯2次予選の概要を、ここでおさらいしておこう。

日本はグループEに属し、シリア、シンガポール、アフガニスタン、カンボジアとホーム&アウェイで全8試合を戦う。W杯出場国の決まる3次予選にはグループ首位なら無条件で、同2位なら他グループの2位との成績の比較で、進出することができる。

日本はここまで6試合を消化し、5勝1分の勝点16でグループ首位に立っている。アフガニスタンには前回対戦で6対0、シリアにも3対0で勝利しており、首位での3次予選進出が順当……だが、実は2位のシリアとは勝点差が「1」しかない。日本がアフガニスタンと対戦するその日、シリアはホームにカンボジアを迎え撃つ。7戦全敗で最下位のカンボジアに、シリアが負けるとは考えにくい。

つまり、勝点差「1」のままで、両チームは29日の最終戦を迎えることが濃厚なのだ。

単純な実力の比較なら、もちろん日本が上回る。普通に戦えば勝てる試合であり、引き分けでも3次予選進出が決まる。

ここで気になるのが、昨年6月のシンガポール戦だ。W杯2次予選の開幕戦となったホームゲームで、日本は0対0のスコアレスドローを演じている。相手GKの好守に攻撃のリズムを乱され、W杯予選独特のプレッシャーが本来の動きを失わせた。

付け加えれば、昨年9月のホームゲームでもカンボジア相手に苦しんだ。3対0で勝利したものの、拙攻を印象づけた。内容的にも快勝を求められるホームで、ハリルホジッチ監督のチームは納得できるゲームを見せていないのである。


攻撃の活性化を期待されるマイクと小林

すでに発表されたメンバーは、数年来の主力が顔を揃えている。キャプテンのミッドフィールダー長谷部誠(フランクフルト/ドイツ、32歳)、イタリアのACミランで復権著しいフォワード本田圭佑(29歳)、ハリルホジッチ体制下で定位置をつかんでいるセンターバックの槙野智章(浦和レッズ、28歳)らが名を連ねている。

ケガで戦列を離れている内田篤人(シャルケ/ドイツ、27歳)と武藤嘉紀(マインツ/ドイツ、23歳)を除いて、現状のベストメンバーと言ってもいい布陣である。所属クラブのなかった昨夏以降の苦境を抜け出し、1月からダンディー・ユナイテッド(スコットランド)でプレーしている川島永嗣(33歳)も、復帰を果たしている。なお、リオ五輪に出場する23歳以下の選手たちは、同時期に海外遠征が行われるため選出されていない。

アフガニスタンは明らかな格下だ。シリア戦も引き分けでは物足りない。今回の2試合は「しっかり勝ちきる」ことが大きなテーマであり、そのためには当たり前だが点を取らなければならない。

必然的に、フォワードに注目が集まる。

まずは、岡崎慎司(29歳)だ。移籍1年目のレスター・シティ(イングランド)でレギュラー格の働きをしている彼は、日本代表のフォワードで柱となるべき選手である。レスターではディフェンスでも貢献しているが、アフガニスタンとシリアは守備を固めてくることが想定される。泥臭いほどにゴールを狙う彼本来のプレーで、相手守備陣をこじ開けることが求められる。

久しぶりの代表入りに、胸を躍らせるフォワードもいる。ハーフナー・マイク(28歳)だ。オランダ・エールディビジ(1部)のADOデンハーグでプレーする彼は、今季リーグ戦で13ゴールを記録している。194センチの長身は、日本代表のフォワード陣で群を抜く。攻撃の局面はもちろんディフェンスにおいても、その高さはチームにメリットをもたらす。

問題は、彼を生かせるかどうかだ。2010年から14年のブラジルW杯まで采配をふるったアルベルト・ザッケローニは、マイクの高さをチームに落とし込めなかった。ショートパスを攻撃の主武器とするチームに、マイクを適合することを諦めてしまった。その意味でも、ハリルホジッチ監督の起用法は興味深い。

川崎フロンターレの小林悠(28歳)も、マイクと同じようにチャンスをもらったひとりだ。所属クラブで勝負強さをアピールしており、複数のポジションをこなせる柔軟性もある。一方で、フォワードには昨年行われたW杯2次予選で得点を決めた金崎夢生(鹿島アントラーズ、27歳)、宇佐美貴史(ガンバ大阪、23歳)らがおり、ライバルが少なくない。リオ五輪世代の23歳以下には、抜群のスピードを誇る浅野拓磨(サンフレッチェ広島、21歳)もいる。

マイクも小林も、起用されたら一発回答──ゴールが求められる。すなわちそれは3次予選進出の扉を開き、チームを新たなレベルへ押し上げるきっかけにもなるのだ。


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