恋と仕事で現状打破！『これが私の人生設計』 [石田陽子の恋愛コラム] All About

働く独身女性のピンチの切り抜け方って？

自分らしくいられる場所、心から理解しあえる相手を見つけるというのは、容易いことではありません。イタリアで大ヒットした『これが私の人生設計』は、実在する女性建築家のプランを映画化した話題作。

恋も仕事もうまくいかず、奇想天外な方法で自分の居場所を見つけていく働く独身女性代表のようなヒロインに共感できるだけでなく、人生の壁に打ち当たったときのユニークな対処法が学べます。今回は、主人公セレーナの人生リノベーション計画とともに、恋と仕事のピンチの切り抜け方をお伝えします！

超前向き女子の人生リノベーション計画

イタリア公開と同時に大ヒットした映画『これが私の人生設計』。物語は海外で華々しいキャリアを積んでいたセレーナが、ふと自分を見つめ直し「新しいステップ」を踏み出そうと故郷ローマに戻ってきたところから始まります。しかし、イタリアの建築業界は男性中心の社会。ろくな仕事にも就けず貯金も底をつきます。

しかたなくレストランでウエイトレスとして働き出したセレーナ。オーナーでイケメンのフランチェスコが優しくて彼に恋心を抱くものの、クラブで男たちに囲まれて踊り狂う彼を見てゲイだと気づきます。

失恋気分に浸っているヒマもなく、フランチェスコとのあいだに不思議な友情が芽生え始めたとき、公営住宅のリフォーム建築案の公募を知ります。是が非でも合格したいセレーナは男性になりすましてエントリーするのですが……。

ピンチを切り抜ける「特別な関係」を築くには？

そんなストーリーのなか、努力家のセレーナは、どうやってピンチを切り抜ける「特別な関係」を築き、前進を続けたのでしょうか？

自分本来の実力を発揮したいと願いつつ、女性だという理由から仕事探しに手こずります。フランチェスコは容姿性格すべてが完璧で女性にもモテるけれど、以前に結婚していて離れて暮らす息子がいてゲイであることをオープンにできません。セレーナとフランチェスコ、２人は本当の自分を隠して男になりすますことで友情を深め、特別な関係を作り上げていくのです。

（１）２人だけの秘密を共有する
（２）弱みを互いに見せあえる
（３）相手の大切なものを理解し、心から応援できる

誰かと特別な関係になりたいときに必要な３つのポイントを２人は確実に抑えています。いつでも誰にでも、「本当の自分」で勝負できたらいいけれど、現実はそれほど甘くありません。だからこそ、本当の自分や弱さを見せられる相手との関係がスペシャルなものになるのです。

思い通りにならないときこそ、ユーモアと一緒に笑える相手との時間が大切！

働く独身女性にとって、共感できる場面がたくさんあるこの作品。

たとえば、セレーナも母や伯母から「結婚は？」とせかされ、「相手はいないのか」「相手がいるなら早く会わせなさい」と催促されまくっています。これは日本の独身女性も同じですよね。

「女性の幸せ＝結婚」「仕事では男性が優位」という価値観を固持する人たちに納得してもらうにはどうすればいいのか？　怒る、嘆く、自分の感情をぶつける……という前に、セレーナは自分が行動することで結果的に周囲を巻き込んでいきます。

年上の、ずっとその価値観で育ってきた人たちの頭の中を無理やり変えようとするより、自分の行動を変えるほうが早いのは確かですよね。世間の見方や古い価値観が変わるのをただ待つのではなく、諦めるのではなく、自分の望む方向へと前に進んでいくセリーナには元気づけられるし、かなりの勇気をもらえます。

恋と仕事がうまくいかないとき、人生を変えたいと思ったとき……。それは自分が変わらなければいけない人生のターニングポイントなのかもしれません。

奇抜な発想、思い切った行動で周囲を驚かせるくらい大胆に。セレーナに負けないくらい、変化を恐れずに幸運をつかみにいきましょう！