株・株式投資/日経平均株価の動向を専門家がチェック

1万7000円目前!日経平均株価はどこまで戻る?

日経平均は1万7000円目前まで戻ってきましたが、このまま上昇でしょうか?2008年の例を見ると、当面は上昇が期待できる可能性があります。しかし、その後は大きく下げる可能性がある事を頭に入れておきましょう。

戸松 信博

執筆者:戸松 信博

外国株・中国株ガイド

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上昇転換後の膠着から上に抜けてきた株式相場

順調に回復してきた日本株、しかし長期的にはまだまだ油断できないと思います

順調に回復してきた日本株、しかし長期的にはまだまだ油断できないと思います

米国株が短期上昇トレンドに入る中、2月下旬に日本株は1万6千円台を回復し、価格チャートだけ見れば強気に見ても良い感じだったのですが、肝心な出来高を増した大きな上昇がありませんでした。しかし、16年2月25日(木)にようやく日経平均は+225円高で、売買代金も僅かですが前日を7%上回り、買い勢力が拡大し、テクニカルには「フォロースルー」が入りました。その後、3月2日(水)には為替が114円台に乗せたこともあって大幅上昇となっています。

ただ、長期的に日経平均のチャートを眺めると、200日移動平均線を50日移動平均線が下に突き抜けるデッドクロスが10月に発生しており、長期トレンドは下落トレンドの最中と見ることができます。また、通常上昇転換すれば必ず大きく相場をリードするような業種が表れますが、今回は日替わりで良い業種が入れ替わるばかりで、明らかに強いと言えるセクターが見当たりません。したがって、今回の上昇トレンドは比較的弱い上昇トレンドに見え、通常は50日移動平均線や75日移動平均線で頭を抑えられて反落するパターンに入りがちです。

ただ、相場については、何事も決めつける訳にもいかず、いつどこでどう急変してもおかしくないものです。過去にも弱々しく、期待薄で始まった上昇トレンドが、最終的には意外なほど長く、大きく化けたこともあったからです。

2008年の3月後半~6月までの相場と同じような雰囲気

さて、今後どうなるかですが、リスクオンの空気が蔓延すればするほど、少し前まで騒がれていた原油安や、それに派生する資源企業の破綻懸念、さらには資源、新興国向けに多額の融資を拡大してきた銀行(邦銀も含まれます)の不良債権懸念が、嘘のように忘れ去られて行く事になります。これがまさに2008年の3月後半~6月までの市場心理でした。

しかし、何かが根本的に解決した訳でなく、ただ市場心理・雰囲気の流れですので(相場の市場心理は良くも悪くも3ヶ月程度しか持ちません)、再び夏~秋にゾンビのように同じ懸念が顔を出すと、相場は思いだしたように急落する危険性もあります。2016年はこのようなハイボラティリティーの年になると2015年末の段階からなんどか記事でお伝えしてきました。

【参考記事】
2015年は「資源安」、2016年の投資のトレンドは?
短期反発必至の日経平均だが、その後はどうなる!?

そして首尾良く1~3ヶ月程度の短期上昇相場が続くのなら、上がり切ったところでは、これまで抱え込んでいた銘柄の処分売りや、新規の戻り売りを考えてみるべきところかもしれません。おそらく日経平均の2万円回復や、米国株指数の最高値更新というのは、2016年はよっぽどのことが無い限り(たとえば、米国FRBが再び利下げや量的緩和に転じるなど)考えられないと思います。そして万が一、再び夏~秋に暴落するような展開ともなれば、今度は全体が激しく下がると思いますので、ディフェンシブ株すら持たない方が良いとも思います。

もっとも、これらのシナリオは飽くまでも予想であり、数ヶ月先から相場の決め打ちはできませんので、このようなイメージを持ちながら、随時、最新の状況を更新しながら、相場の見通しを修正して行く必要があります。

参考:日本株通信

※記載されている情報は、正確かつ信頼しうると判断した情報源から入手しておりますが、その正確性または完全性を保証したものではありません。予告無く変更される場合があります。また、資産運用、投資はリスクを伴います。投資に関する最終判断は、御自身の責任でお願い申し上げます。
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