高校受験

中2で成績を上げるコツ…アンケート結果と英数対策法

思春期、第二反抗期をむかえ、大人社会を否定的に見たり、自分独自の世界観に浸ったりする精神状態を表現する「中2病」という言葉があります。でも、中2は受験に向けて、勉強面でも非常に重要な時期。この時期を乗り切るために知っておきたいことをアンケートをもとに紹介します。

西村 創

執筆者:西村 創

学習塾・個別指導塾ガイド

「中2病」の特徴

英語は「不定詞」や「動名詞」、「比較」、「受動態」など文法が複雑化し、「不規則動詞の過去形」をはじめ、抽象性の高い英単語をたくさん覚える必要が出てきます。

英語は「不定詞」や「動名詞」、「比較」、「受動態」など文法が複雑化し、「不規則動詞の過去形」をはじめ、抽象性の高い英単語をたくさん覚える必要が出てきます。

「中2病」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。中2病とは思春期、第二反抗期をむかえ、大人社会を否定的に見たり、自分独自の世界観に浸ったりするのが格好いいことだと思い込むことに対してつけられた言葉です。程度の差こそあれ、精神成長の過程として誰もが経験します。

ただ、中学2年生は学習内容が一気に難しくなる学年でもあります。部活や委員会でも中心的な役割を求められるようになります。心身の成長による精神バランスの不安定さも加わり、落ち着いて学校生活を送るのがなかなか困難なのです。

まずは、すでに3学期を迎えた中学2年生を対象にしたアンケート結果を見てみましょう。

中1からの変化は「部活」と「勉強」

  • 「中1から中2になって、特に変わった点はどんな点ですか?」
  1. 部活が忙しくなった
  2. 勉強が難しくなった
  3. 委員会メンバーの中心になり、大変になる
  4. 勉強量が増えた
  5. テスト勉強が大変になった(難しくなる、範囲が増えるなど)
  6. 先生から受験について言及されることが増える
  7. 後輩ができる
  8. 自由な時間が減った
  9. 塾の勉強が大変
  10. 友だちが増えた
  11. 勉強時間が減る(部活が忙しい)
  12. 親の視線・期待

多かった回答の順に並べました。「勉強」「部活」「委員会」を中1からの大きな変化として挙げている中2生が多いという結果となっています。中2の学習内容は重要単元が多く、なかでも英語は特に入試頻出の重要単元が詰まっています。また、部活ではレギュラーに選ばれる人とそうでない人に選別されます。後輩も入部してきて、そのなかには自分よりも力量がある後輩がいることも珍しくありません。

さらに、多くの中3生は夏を境に部活や委員会の一線から退き、受験勉強中心の生活に切り替えていきます。経験がまだ乏しい中2生に大きな責任と負担がかかるわけです。中2生はそのような外部環境にありながら、自身も心身の成長バランスを保つのに苦労し、誰でも多かれ少なかれストレスを抱えることになります。

お子さまがいま一つやる気がなさそうに見えたら、叱るのではなく、精神状態を観察して気づかう姿勢が望ましいでしょう。

さて、次は具体的に「中2になって特に難しくなったと思う科目・単元」についての質問に対する回答結果を見てみましょう。

  • 「中2になって特に難しくなったと思う科目・単元は何ですか?」
  • 英語(文法・助動詞・単語)
  • 数学(証明・一次関数・計算)
  • 国語(漢字・文法・文章)
  • 理科(電気・元素記号)
  • 社会(歴史)

回答に5科目すべてが挙がりましたが、なかでも多かったのが英語と数学です。英語は、中1のシンプルな文法、身の回りの言葉中心の英単語に比べて「不定詞」「動名詞」「比較」「受動態」など文法が複雑化し、「不規則動詞の過去形」をはじめ、抽象性の高い英単語をたくさん覚える必要が出てきます。

数学で多かったのが「証明」という回答。計算してただ答えを出せばよいというものではなく、論理性と記述力が試されることに戸惑う中2生が多いようです。

さて、それでは多くの中2生が難しいと感じる科目、単元に対してどのようにアプローチをすればいいのでしょうか。


英語・数学の勉強法

まずは、あたりまえですが、中1の内容を十分に理解しておくことです。中2になって苦手科目ができてしまうのは、中1の学習内容の理解不足にあります。

中2に進級するまでに残された期間は、新しい問題集や参考書に手を出すよりも、復習を優先するべきです。

  • 英語
ただ見て覚えるのではなく、実際に発音して、書いて覚えることをおススメします。目だけを使うよりも、口と耳と手も使うことで、何倍もの学習効果があります。英単語テストなどで、書けなかったり意味がわからなかったりした単語をコレクションするノートを作るのも効果的です。

  • 数学
まずはミスなく計算できるように反復練習することが基本です。そして、公式や解法をなぜそうなるかを理解したうえで、「使える道具」になるまで、やはりくり返すことをおススメします。公式はただ暗記するだけでも今は問題を解けますが、入試問題に取り組むようになると、ただ暗記した公式に当てはめて解く人と、公式の中身を理解し、応用して使いこなせる人の差が出ます。

また、解けない問題があってもじっくり考える習慣をつけておきましょう。思考力は思考することで高まります。子どもがひとつの問題で答えを出せず、先に進んでいない姿を見ると、つい口出ししたくなりがちです。しかし、そこを堪えて見守るようにしてください。


さて、英語、数学という中2になって、特に難しくなる科目の勉強の仕方が中1のうちに身につけられると、進級してもつまずかずに済みます。また、忙しくなるのに備え、細切れの時間に集中して勉強できる取りかかりの早さを身につけられると理想的です。部活の練習に耐えられるように体力もつけておきたいところです。

大変だと思いますが、中2の学習が高校受験の結果を大きく左右します。ぜひ、お子さんの精神状態を気にかけながらサポートしてあげてください。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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