子育て/子育てに役立つ最新心理学

「私ってマイナス思考?」そんなママへの処方箋(2ページ目)

カウンセリングの際、「自分がネガティブ気質なので、それを子供に伝えたくない。どうしたらいいですか?」というご質問を受けることがあります。実際に、子供に伝わるものなのか、もし伝わるのであれば、どう予防すべきか、現代の心理学を交えてお伝えしていきます。

佐藤 めぐみ

執筆者:佐藤 めぐみ

子育てガイド

 マイナス思考対策~2つのポジティブな習慣とは?

では、どのような働きかけをしていったら良いのでしょうか? 前ページでお伝えしたように、もともとの思考スタイルというのは非常に根強いもの。「ポジティブになりたいな~♪」くらいの気持ちでは、すぐにその根強いパワーに負けてしまいます。

現在、心理学の研究が進み、具体的なマイナス思考対策が数多く編み出されています。今日は、その中から、まずはじめに取り組みたい習慣づけを2つご紹介したいと思います。

1. 悪いことを広げない習慣
◆心理学で解説:プラス思考とマイナス思考の決定的な違いは、悪いことが起きた時の対処法にあります。1つ嫌なことがあると、「まただ」「どうせ次もダメだ」と過去も未来もひっくるめて否定してしまう、これがマイナス思考的な処理の仕方。プラス思考の人は、同じ状況でも、「今回は失敗した」「ここがダメだった」とそのことだけに着目し、それを次に繰り返さないためにすぐに行動に移ります。過去も未来も悲観視し、動く余力もなくなっているマイナス思考とは、行動力の面でも差が出るのです。

◆今日から始めたい心理テクニック

嫌なこと、悪いことがあったとき、禁句にしていきたいのは、、
  • 「このあいだも~~だった」「前回も~~だった」「毎回毎回~~ばかり」のような過去を悔やむ言葉
  • 「この調子だと~~だ」「また次も~~にちがいない」「どうせやったって~~だ」のような未来を悲観する言葉
です。そのかわりに、「今」「ここ」と目の前のことに視線が行く言葉を積極的に使うようにしてみてください。自ずと問題解決に気持ちが向くようになります。


2.良いところに目を向ける習慣
◆心理学で解説:プラス思考とマイナス思考では、日頃の視線の方向も違います。10回挑戦したうち、5回成功し、5回失敗したという五分五分の状況。プラス思考の人は「成功した5回」を称え、そこから、次回、”6:4”に前進するためのヒントを導き出します。一方、マイナス思考では「失敗した5回」の原因や責任追及に追われ、気持ちがどんどん沈んでいってしまいます。育児でも同じことが起こります。良いところに着目して育ててもらった子は、ほめベースで成長し、悪いところに着目して育てられた子は、叱られながら育ちます。これではその子の人格に差が出るのは明らかです。

◆今日から始めたい心理テクニック
靴下が上手に履ける日もあれば、そうでない日もある。お友達と仲良く遊べる日もあれば、そうでない日もある。そんなときは、
  • 「できなかったこと」より「できたこと」
  • 「うまくいかなかった日」よりも「うまくいった日」
に重きを置くようにしてみてください。その子の「できていないところ」を、強く非難したり、叱ったりするより、「できているところ」をしっかりとほめていくことで、子供の自己効力感が高まり、ちゃんとできる日が増えていきます。「この子のいいところはどこかな?」というメガネでお子さんを見てあげましょう。

なお、いずれも、「一晩で激変!」のようなミラクルは起こりません。でも、コツコツと心がけることで、昨日よりも今日、今日よりも明日、と必ず前進していきます。
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※乳幼児の発育には個人差があります。記事内容は全ての乳幼児への有効性を保証するものではありません。気になる徴候が見られる場合は、自己判断せず、必ず医療機関に相談してください。

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