今シーズンのドラマを見ていると、注目されている伸び盛りの俳優が、新しい一面を見せてくれる作品が多いように思います。

成長する姿を丁寧に見せてくれるさわやかな朝
桐山照史/『あさが来た』

アイドルという雰囲気をまったく感じさせない、堂々とした演技を見せてくれる26歳。和服姿はもちろん、和服での仕草、商人らしさ、時代感、どの要素もしっくり自分のものにしていて、地に足のついた安心感があります。

おそらく、とても努力をしているはずなのに、サラッと演じる。だからこそ、加野屋の個性的なメンバーのなか、やや平凡な印象のあるキャラクターでも、加野屋の八代目としての存在感を発揮しているのでしょう。

着実に成長していく姿を丁寧に描き、好感が持てます。さらに幅を広げ着実に実力をつけていくことでしょう。


青春のもどかしさを、サラリと表現する
坂口健太郎/『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』

タイトルの持つ言葉の切なさを、見事に表現しています。

脚本家、坂元裕二の世界を演じることは容易いことではありません。演技力がないと切なさが薄っぺらになってしまうからです。ひょうひょうとした青年が時々鋭い言葉を放つもどかしさから、言葉にならない切なさが伝わってきます。ひょうひょうと生きる人物にピリッとしたものを混ぜ込む演技は絶妙、ふと見せる人生観が響きます。

昨年放送された『コウノドリ』でも、ベテラン俳優のなかに埋もれてしまわない力を感じました。映画の出演が目立っていたので、ドラマガイドとしては最近の連続出演が嬉しく、春からの朝の連続ドラマ『とと姉ちゃん』も楽しみでたまりません。私たちが坂口健太郎に対する思いを、今回のように見事に裏切ってくれるはず。さらに進化してほしいと思います。


未来をとらえる力強さ
野村周平/『フラジャイル』

『若者たち』では、人間の弱い部分を躊躇なく表現した野村周平、22歳にして年齢以上に落ち着いた雰囲気と、22歳にして十代のような透明感が交差した俳優です。常に静かに力強く未来をとらえているような目が印象的です。

『フラジャイル』では言葉数は少ないものの芯の強い青年、森井久志を演じています。ポツリポツリと出る言葉に仕事に対する姿勢を感じさせ、嫌味のないクールさ、達観したかのような演技がかえって初々しく、巧さが光ります。作品のなか、未来を担う彼の視点はひとつのポイントになりそうですが、やがて希望につながっていくであろう森井久志を視聴者にそれとなく感じさせる奥深さは貴重。ジャンルを問わず魅せてくれる俳優にさらに成長することでしょう。


ホットもクールも、等身大で魅せてくれる
間宮祥太朗/『ニーチェ先生』

「目力」が魅力的な彼が「目力」を封印する、それだけでも興味深くワクワクするのが『ニーチェ先生』です。佐藤二朗、松井玲奈のコミカルすぎる演技のなか、W主演の一人を演じるのがイケメン間宮祥太朗、『弱くても勝てます~青志先生とへっぽこ高校球児の野望~』『水球ヤンキース』など、学生服のボタンを留めない着こなしで、青春のやんちゃな一面を見せてくれた彼です。

今回はコンビニで働く新人アルバイト、仁井智慧を、目を細め表情を封印し真面目に可笑い演技で新しい間宮祥太朗を見せてくれます。

熱さをどこかに感じ、感情の起伏がある人物を学生服で伸び伸びと演じていた彼が、今回はクールな青年をコンビニ制服で演じています。しかし、その姿もまた伸び伸び、軽やかさが光ります。仁井智慧と間宮祥太朗との出合いをしっかり楽しもうと思います。

若い俳優たちがさまざま役に挑戦する。常に脱皮し成長していく彼らを楽しみながら応援したいと思います。

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