樋口一葉ゆかりの質屋や井戸を見て回る

この界隈の散歩が非常にスリリングなのは観光地ではあるのだけれど、普通に人が住んでいる住宅地でもある。だから、静かに回る必要がある。この日も平日にもかかわらず、多くの人たちが散歩していた。

まず、菊坂をくだっていくと、樋口一葉が通っていた質屋さんの建物がある。伊勢屋質店だ。

樋口一葉が通った伊勢屋質店の土蔵

伊勢屋質店跡 文京区本郷5-9-4

万延元年(1860年)にこの地で開業し、昭和57年に廃業した。店部分は明治40年に改装し、土蔵は関東大震災後に外壁を塗りなおしたが、内部はそのままだそうだ。建物そのものも歴史を感じ、圧倒されてしまう。

菊坂より一段低く、平行に延びている道がある。菊坂下道という道だ。石段で下るようになっている。その菊坂下道を行けば、本郷四丁目31番と32番の間の道がある。ここにかつて樋口一葉が住んでいたのだそうだ。
住んでいる人がいるので、見学には配慮が必要だ

古い井戸がある小道

かつてこの路地の入り口には「樋口一葉の菊坂旧居跡」という案内板があったが、今はない。案内板には、住民の方がいるので静かに見学してくださいという旨が書かれていたが、きっと問題があって、案内板を外したのだろう。
住んでいる人がいるので、見学には配慮が必要だ

かつて樋口一葉が住んでいた路地の井戸

狭い路地の両側には今も住民の方が住んでいらっしゃる住宅がある。静かに見学するなど、マナーを守ってほしい。この先に通り抜けのできる階段がある。

明治時代にタイムスリップしたような気分になる

その先にある階段をのぼってみる

この階段をあがり、右の坂を下りる。その坂が鐙(あぶみ)坂だ。
坂の名前の由来は鐙を作る職人の子孫が住んでいた、坂の形が鐙に似ているなど諸説ある

鐙(あぶみ)坂

この坂を下ると、再び菊坂下道へ戻る。次は菊富士ホテル跡を訪ねよう。菊富士ホテルとは、かつて大正から昭和10年代に多くの文学者や芸術家などが投宿したことで知られる。惜しくも空襲で焼けてしまったが、モダンな姿がかつては菊坂にあった。

本妙寺坂という坂がある。ここを登って、最初の道を左折する。
今は自販機のみが置かれている柴田商店の前からのぼる本妙寺坂

本妙寺坂の途中から菊坂をみたところ

左折した道が突き当りになるので、そこを左に曲がると「本郷菊富士ホテル跡」という碑がある。
多くの文学者たちがここに下宿していた

本郷菊富士ホテル跡


石川 淳、宇野千代、尾崎士郎、坂口安吾、谷崎潤一郎、直木三十五、広津和郎、正宗白鳥、竹久夢二、三木 清といった人々が投宿していた。

実際に菊富士ホテルは菊坂に面していたそうだが、この碑は裏側あたりにあるそうだ。

さて、次ページではオムライス、タンメンをいただきます。